薪ストーブが使えるテントおすすめランキング｜ファミリー向け・ソロ向けもある？

春夏キャンプを何度か経験していると「秋冬のキャンプも楽しそう」と感じてきますよね。寒い時期のキャンプは虫も少なく、澄んだ空気の中で春夏とは違った景色が楽しめます。また薪ストーブを焚いて暖をとったり温かい料理を作って食べたりなど、冬ならではの魅力があります。

ストーブをテント内で使うには、専用のテントが必要です。しかし薪ストーブが使えるテントはたくさんあり、どれを選べばいいか迷いますよね。また通常テントの中でストーブを使用することは推奨されておらず、使い方や注意点なども把握しておく必要があります。

そこで今回は、薪ストーブが使えるファミリー向け・ソロ向けテントのおすすめ商品と選び方をご紹介します。加えて、薪ストーブ使用で起こりえる事故や換気の重要性など、冬キャンプに出かける前に知っておきたいポイントも詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

テント内で薪ストーブを使うには煙突穴が必要です。薪ストーブを焚くと煙や一酸化炭素が発生しますので、それを外へ逃がさなければなりません。

また煙突穴付きのテントはストーブ使用を前提に作られているので熱に強い素材であることもポイントです。煙突穴の周囲が溶けないように加工されたものもあります。

穴から煙突を出す際には、煙突が屋根から1m以上の高さになるようにしましょう。1mよりも低いと火の粉がテントに落ちてテントに穴があいてしまうことがあります。また近くに他のキャンパーのテントがある場合は、さらに高くして火の粉が飛んでいかないように注意しなければなりません。

薪ストーブを選ぶときは、テントの高さに合わせて煙突の長さをチェックする必要があることを覚えておいてください。

煙突穴の付いたテントで最もバリエーション豊富なのがワンポールテントです。三角屋根のデザインが特徴的で、その名の通りポール1本なので設営が簡単なのが魅力。パーツが少ないのでコンパクトに持ち運べます。

ただ壁面が斜めになっている形状のため室内にはデッドスペースができやすいことがデメリットです。また真ん中にポールがあるためレイアウトがやや難しいと言われています。機能性よりも外観のおしゃれさやかわいさを重視したい方におすすめです。

ベル型テントはワンポールテントの派生型で、鈴のような形をしているのが特徴です。4〜8人用などの大型が数多く展開されています。ワンポールテントとは違い壁面は垂直で、室内は広々と開放的なため、ファミリーやグループキャンプにおすすめです。

サーカステントのような見た目がラグジュアリーな雰囲気でかわいく、最近はグランピングでもよく使われています。ただサイズが大きく重いため持ち運びや収納は大変です。

パップテント(軍幕テント)とは、もともとさまざまな国の軍人が使用するために開発されたテントのこと。無骨でミリタリーな雰囲気がかっこいいと人気です。本物の軍幕を使う方もいますが、アウトドアメーカーからも「パップ風」のテントが多数出ています。

テント片側のポールを立てるだけのシンプルな構造で、開放的なスタイルでキャンプできるのが特徴です。設営・撤収も簡単で携行性も高いのでソロキャンパーに向いています。ただインナーシートのないモデルも多く、冬は別途用意しないと過ごせません。

テントのサイズを選ぶときは、メーカー記載の収容人数＋1人分が基本です。2人なら3人用、4人なら5人用など1人分余裕があると荷物が置けて快適に過ごせます。ただ薪ストーブを使うとなれば、さらに大きめを検討しましょう。

薪ストーブの近くにはものが置けず十分なスペースを確保する必要があるため、収容人数＋2〜3人が望ましいです。また冬キャンプは寝袋など他のキャンプギアもかさばります。安全性・快適性を考慮して大きめを選んでください。

テントに使われている素材には主に、ポリエステル・ナイロン・コットン・ポリコットンがあります。このうち薪ストーブの使用に適しているのはコットンとポリコットンです。どちらも耐火性が高く、火の粉があたっても穴があきにくいので安心です。

さらにどちらかで迷ったら、機能性のバランスがいいポリコットンを選んでください。コットンのデメリットである重さをカバーし、ほぼデメリットのない素材です。

以下にコットンとポリコットンの特徴をまとめましたので参考にしてください。

軽量さでいえば、コットンもポリコットンもポリエステルには敵いません。難燃加工されたポリエステル製で薪ストーブが使用できるものもあるので、軽量さを重要視するならポリエステルがおすすめです。ただしラインナップが少ないので選択肢が狭まります。

冬キャンプ用テントは、スカートが付いているかも重要なポイント。スカートとは、テントと地面の間を塞ぐ布のことで、外からの冷気が入るのを防いでくれます。せっかく薪ストーブで室内を温めてもスカートがないと底冷えしてしまいますので、必ずチェックしましょう。

ただ、室内が温まると同時に一酸化炭素濃度が高まってしまいますので、通気性の確保も重要です。換気口(ベンチレーション)は付いているか、出入口の開閉具合が調節できるかなど、換気ができる構造になっていることを確認してください。

徒歩やバイクなどで冬キャンプに行くなら、できるだけ軽いテントがいいですよね。煙突穴やスカートを装備した冬用テントでは、ソロ用で2kg以下が軽量なものといえます。ただし上記でおすすめしたコットンやポリコットンでは平均15kg程度あるので、2kgで探すならポリエステル一択です。

アウトドアメーカーとして100年以上の歴史を誇る小川(ogawa)。高品質なテントはベテランキャンパーからも長年支持されています。生地やポールの強度が高く、抜群の耐久性が自慢です。

形状・サイズ展開も豊富ですが、薪ストーブが使えるモデルとしては以下がおすすめです。

• ピルツ15 T/C
  通気性・吸湿性に優れたポリコットン製ワンポールテント。煙突穴付きで、薪ストーブをすぐにインストール可能。5ヶ所の換気口とメッシュパネルで通気性抜群。

GOGlamping(ゴーグランピング)は2021年に誕生した中国の新興メーカーです。価格がリーズナブルであるにも関わらず品質が高いため「コスパがいい！」と注目を集めています。日本のAmazonのみで正規販売しており、メーカー保証もあるので安心です。

Goglampingの薪ストーブが使えるテントは以下のモデルがおすすめです。

• G・G PUPテント
  煙突穴を備えたポリコットン製パップテント。サイドウォール付きで雨風を防ぎ、スカートで保温性を確保。無骨な雰囲気でソロキャンプしたい方にぴったり。

テンティピはティピーテント(＝ワンポールテント)に特化したブランドです。北欧の過酷な冬でも快適に過ごせるよう設計されており、室内で焚き火もできるのが特徴。落ち着いた色合いでおしゃれなフォルムも人気の理由です。

薪ストーブが使えるテントのおすすめは以下のモデルです。

• テンティピ サファイア CP
  8角錐の形状で風に強いポリコットン製ワンポールテント。4〜6人用から14〜16人用という超大型サイズまでラインナップ。煙突穴付き。

スノーピークのテントはドッキング(＝二つ以上のテントを連結すること)ができるものも多く、大人数でキャンプに行かれる方におすすめのメーカーです。全周にフレームを設置していることからテント内の空間を広く確保でき、テントの中にいても圧迫感なく過ごせる点が魅力だといえます。

薪ストーブが使えるテントのおすすめは以下のモデルです。

• スピアヘッドPro.L
  上部にベンチレーションを設置しており、天井が高く空気の入れ替えが常にされるため、常に新鮮な空気がテント内に流れる。全周にフレームを設置。ドッキングも可能。

薪ストーブをテント内で使うと、一酸化炭素が充満し一酸化炭素中毒を引き起こす危険性があります。目に見えずにおいもないので感知しにくく、気づいたときには頭痛や吐き気・最悪の場合昏倒など致命的な症状が出ることも。

そのためテント内は30分〜1時間に1回は換気しましょう。また薪ストーブの煙突にすすが溜まっていると不完全燃焼を起こしやすくなるので掃除をこまめにすること。

一酸化炭素の濃度をチェックして危険な状態をアラームで知らせてくれる一酸化炭素チェッカーの使用もおすすめです。ただし過信は禁物なのであくまでも目安としてください。

「そもそも薪ストーブってどうやって使うの？」という方もいますよね。薪ストーブ燃焼は以下の手順をおさえれば簡単に燃焼できます。

1. ストーブの吸気口を開き、細くて短い薪から入れる。
2. 少しずつ入れる薪を大きくしていく。煙が多少出てきてもOK。
3. 煙突に空気を引き込む上昇気流(ドラフト)が発生して、煙が出なくなる
   (上出し煙突で3分、横出し煙突で10分程度かかる)
4. 炉内の温度が上昇し、薪を入れるとすぐ発火する本燃焼状態になる。

「穴のないテントを持っているけど、煙突穴を自分で空けることはできないの？」と考える方もいるでしょう。結論できます。しかしもともと薪ストーブ使用が前提ではないテントは熱に弱いこともあり、リスクは大きいです。自己責任で行いましょう。

穴あけ加工にはAmazon等で購入できる「煙突貫通キット」が便利です。手順は以下のようになります。

1. 煙突穴の位置を決める
2. 鉛筆で穴の下書きをする
3. 下書きに沿ってカッターで穴を開ける
4. ボンドで煙突貫通キットを接着する

薪ストーブが使えるテントは上記で紹介した「ワンポールテント」「ベル型テント」「パップテント」が主流で、2ルームテントはほぼ見かけません。自分で煙突穴を作る方もいますが大掛かりな作業となり、結果的に煙突穴付きテントを買った方が早くて安全です。

冬キャンプで使うストーブには、薪ストーブのほかに石油ストーブという選択肢もあります。ただどちらがいいかというと、それぞれに良し悪しがあるので好みで選ぶことになります。それぞれのメリット・デメリットをまとめましたので参考にしてください。

「いかにもキャンプっぽい風情を感じたい！」なら薪ストーブ、「利便性・コスパ重視！」なら灯油ストーブを選ぶといいでしょう。

薪ストーブは煙が出るため室内で使えないと思っている方も多いのではないのでしょうか。しかし、最近はテントなどの室内で使えるストーブも多くあります。薪ストーブには、さまざまなタイプがあるので、下の記事を参考に自分に合うタイプのものを選んでください。

薪ストーブが使えるテントがあれば、冬キャンプの楽しみが広がります。選ぶ際は、煙突穴の有無と換気システムが大きなポイントです。お気に入りのテントを見つけて、安全で温かい冬キャンプを満喫しましょう！