朝井まてかの小説おすすめ8選｜直木賞受賞作家！魅力を解説

朝井まかては、直木賞をはじめとして多くの文学賞を受賞している時代小説家です。朝井まかては植物を愛し職人に敬意を払い、突然の不幸にも強く生き抜く人々を描いた名作を多数世に送り出しています。

平和な世となった江戸時代を背景とした作品が多く、まるで目の前にその人物が現れたかのような人物描写が秀逸で、物語の展開もグイグイと引き込まれるような巧みさが魅力です。読み応えがあり、はじめて朝井まかての作品に触れた人をも虜にするおすすめの時代小説家です。

ここでは、朝井まかてのプロフィール・小説の魅力・代表作・おすすめ8選などをご紹介しますので、朝井まかての小説に興味のある方は、読書の参考にぜひ最後までお読みください。

まず、朝井まかての略歴についてご紹介します。

【プロフィール】

• 名前：朝井まかて
• 生年月日：1959年8月15日
• 出身地：大阪府羽曳野市
• 最終学歴：甲南女子大学文学部国文科卒
• 大学卒業後は広告制作会社でコピーライターとなる
• デビュー作：2008年『実さえ花さえ』（小説現代長編新人賞奨励賞を受賞）
• ジャンル：時代小説

【主な受賞歴】

• 2008年 小説現代新人賞
• 2013年 本屋が選ぶ時代小説大賞
• 2014年 直木賞・織田作之助賞
• 2016年 中山義秀文学賞
• 2017年 舟橋聖一文学賞
• 2018年 中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞・大阪文化賞
• 2021年 芸術選奨・柴田錬三郎賞

以上が、朝井まかてのプロフィールと主な受賞歴です。

朝井まかての小説の魅力1つめは、「人物描写が秀逸」です。登場人物の描写が巧みでキャラクターが目の前で動き出すかのような躍動感があります。それは人間だけでなく、植物の描写も同じです。美しい花が頭の中に浮かび上がり、思わずうっとりしてしまいます。

時代小説は、過去の物語なので文章を読んだだけでイメージしにくい場合もありますが、朝井まかての小説はその逆で、秀逸な人物描写が大きな魅力です。

朝井まかての小説の魅力2つめは、「セリフのテンポが軽快」です。特に大阪を舞台とした小説は、小気味いいテンポで、かつ心地いいセリフが多く、読者はどんどん物語の世界にのめり込んでいきます。朝井まかてが大阪出身なので、大阪が舞台となった小説はおすすめです。

テンポのいい読みやすい文章は鮮明に心に残り、時代小説のおもしろさを教えてくれます。

朝井まかての小説の魅力3つめは、「読後感が爽快」です。今も昔も変わらない人情や温かさが描かれています。物語の中でいくつかの小さな事件が起こりますが、読後感は爽快です。ハッピーエンドだけがいいわけではありませんが、本を読んだあとに爽快な気分になれるのはいいものです。

人生捨てたものではない、と思わせてくれる希望の光が見える時代小説です。

朝井まかての小説の魅力4つめは、「植物と職人への深い愛を感じる作品」です。朝井まかては植物への造詣が深く、小説の中には多くの植物や野菜などが登場します。また庭師や花師といった職人の姿も生き生きと描かれている作品が多くあります。

美しい花や庭園の描写には、自分がその美しさを直接目で見ているかのような気持ちにさせられます。朝井まかての職人や植物への敬意が伝わる小説が多いのも大きな魅力です。

朝井まかての代表作1つめは、『恋歌』です。本作は第150回直木賞を受賞した作品です。主人公は樋口一葉の師匠でもある歌人・中島歌子で、その激動の生涯を描いた本作は涙なくしては読めない切ない物語です。歌子は江戸時代に裕福な宿屋の娘として生まれ、何不自由なく成長します。

そんな歌子が水戸藩士の林以徳に恋をし、結婚してすぐ水戸藩の内乱に巻き込まれ、苦難の日々を過ごします。物語は歌子の以徳への恋心がテーマです。中島歌子の激動の生涯に興味がある方はぜひ読んでみてください。

朝井まかての代表作2つめは、『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』です。本作は朝井まかてのデビュー作『実さえ花さえ』が改題された作品です。本作は、庭師でもなく植木屋でもない「花師」の夫婦・新次とおりんの人情物語です。

舞台は、向嶋で夫婦が営む「なずな屋」です。おりんと新次が育てる美しい花々の描写が素晴らしく、思わずため息がもれてしまいます。

朝井まかての代表作3つめは、『ちゃんちゃら』です。主人公は孤児でやんちゃな少年・ちゃらです。そんなちゃらが庭師の辰蔵の元で、人として庭師として成長していく姿が描かれています。ちゃらは、さまざまな庭の手入れをしながら、多くを学びます。

物語の中で小さな事件や淡い恋心も描かれており、ちゃらの周囲の人々がみな、人情味あふれ温かいのも心が洗われる素敵な小説です。

朝井まかての代表作4つめは、『すかたん』です。夫と共に江戸から大阪に来た女性・知里が主人公です。知里は突然、夫を亡くし、生活のために青物問屋に奉公に出ます。そこで出会った若旦那と知里の恋の物語です。東西の文化の違いに戸惑いながらも、知里は懸命に仕事をこなします。

青物問屋が舞台なので、新鮮な野菜がたくさんでてきます。その野菜の文章表現も素晴らしく、野菜が食べたくなる小説です。昔の大阪の町の様子の描写も秀逸なおすすめの小説です。

朝井まかての作品を読むと、植物やそれを扱う職人に尊敬の念を抱いている作家だと、とてもよくわかります。そんな生き生きとした植物や江戸時代の職人の技を描いた作品が多いのも、朝井まかての大きな魅力です。

江戸時代も今も変わらない植物や職人の仕事にスポット当てた朝井まかては、他にない稀有な存在の小説家です。一度、朝井まかてワールドにはまるとすべての作品を読破したくなります。ぜひ、一度朝井まかての本を手に取ってみてください。

朝井まかての小説が好きな方に読み比べていただきたいおすすめの小説があります。ジャンルや趣はまったく異なりますが、一度読み比べてみていただきたくと、さらにそれぞれの作家の特徴やおもしろさが理解できます。

以下に、おすすめの2冊をご紹介しますので、ぜひ手に取ってみてください。

朝井まかての小説は、人情味あふれる江戸時代の人々を描いた作品が多くあります。普段は時代小説をあまり読まない方も、今も昔も変わらない人情や温かい心に触れると読後感は爽快です。あなたもぜひ朝井まかての時代小説を楽しみましょう！

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