金城一紀小説おすすめ7選｜新作・映画化作品も紹介！大人気『ゾンビーズシリーズ』

小説家・金城一紀の書く物語は、力強く雑草魂溢れるキャラクターと軽快なテンポのストーリー展開が魅力です。デビューして早々直木賞を受賞した天才で、学園を舞台にした作品から刑事ものまで幅広い才能を発揮しています。

日韓問題や、自身の生い立ちの葛藤にも切り込み、自分ひとりの力では抗いようのない問題にも立ち向かう金城一紀の小説。「パンチの効いた小説を読みたい」「スカッとする物語を探している」方には特におすすめです。

この記事では、金城一紀の小説のおすすめ作品7選を紹介します。数ある金城一紀の小説の中からお気に入り作品を選ぶための選び方や、最新作も解説します。ぜひ最後までお読みください。

金城一紀（かねしろかずき）は、1968年生まれ埼玉県川口市出身。朝鮮籍から韓国籍に変更した在日2世の作家さんです。慶応義塾大学法学部を卒業し、大学時代の同級生には同じく作家の本多孝好氏がいます。

デビュー作品は『レヴォリューションNo.3』。自身の生い立ちを元にした『GO』が直木賞を受賞し、一躍有名になりました。現在は、脚本家としても活躍し、『奥様は、取り扱い注意』や『SPシリーズ』など映像化された作品を多く手掛けています。

数ある金城一紀の作品の中からお気に入りの小説を選ぶのはなかなか難しいですよね。こちらではおすすめの選び方を紹介します。

本の選び方のひとつに受賞作から選ぶ方法があります。本の専門家が選考委員となった作品は優れたものが多く、知名度・満足度ともに高い傾向があるのでおすすめです。

2000年に第123回直木賞を受賞した『go』。父親譲りのボクシングの腕で喧嘩を繰り返す日々を過ごしていた男子高校生が、ある女の子との出会いを通じて変わっていく物語です。国籍や出生に囚われずに前へ進む彼からは、熱く力のこもった想いが伝わってきます。

2001年には窪塚洋介さん主演で映画化。窪塚さんは本作で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を史上最年少で受賞されました。

金城一紀原案の『BORDER』は、小説・漫画・テレビドラマ化された大人気作品です。刑事として働く主人公が、ある事件をきっかけに、死者と交信する能力を得るところから始まるストーリー。

キャッチコピーの「人は死んだら、どこに行くんだろう。」のとおり、生と死や死者の想いが紡がれています。ドラマ版は2014年に第81回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の脚本賞を受賞しました。

金城一紀の小説には、同一のキャラクターたちが活躍するシリーズ作品と、一冊から単独で楽しめるノンシリーズ作品があります。それぞれの良し悪しを知って、好みに応じてチョイスしてください。

金城一紀の大人気作品『ゾンビーズ・シリーズ』。『レヴォリューション No.3』『フライ,ダディ,フライ』『SPEED』『レヴォリューションNo.0』からなるシリーズで、「ゾンビ」と付きますがゾンビは一切出てこず、ホラー小説ではありません。

「殺しても死にそうにない＝ゾンビのような」高校生たちが活躍する青春小説で、トラブルあり・感動あり・成長ありの爆走物語です。腰を据えて小説を読みたいときに、手に取ってみてください。

あまり時間のない方や初めて金城一紀の作品に触れる方は、ノンシリーズ作品から選ぶのがおすすめです。気軽にトライできるので、金城一紀の作風を知るにはもってこいです。

ノンシリーズ作品の中でも、有名な映画をモチーフにした『映画篇』や、孤独に苛まれる人たちが対話を通じて心を通わせる『対話篇』は、共通のテーマをもつ短篇集で読みやすくなっています。

金城一紀は漫画の原作も手掛ける多彩な作家です。絵を想像しながら小説から読むのも良し、漫画から読んで小説で細部を知るのもまた良しです。

冴えないサラリーマンが、娘の復讐のために青年に弟子入りして奮闘する青春ストーリーです。平凡な彼が強く、かっこよく生まれ変わる様は、すべての父親に勇気を与え、自分次第で「なりたい自分になれる」と希望をくれる小説です。

『フライ,ダディ,フライ』の漫画は、2005年に上下巻で発売。さらに、岡田准一さん・堤真一さん主演で映画化もされました。

【フライ,ダディ,フライ】

• 作画：秋重学
• 雑誌：ヤングサンデー
• 巻数：全2巻完結

主人公は女子高生。憧れの存在だった家庭教師の謎の死を解明するために、ゾンビーズたちとともに立ち上がり、真相を突き止めていきます。トラブルや冒険とは無縁だったお嬢様女子高生が、生まれてはじめて自分からぶつかっていくストーリーで、疾走感溢れる青春劇にグッときます。漫画は全4巻。秋重学氏のかわいい絵も注目です。

【SPEED】

• 作画：秋重学
• 雑誌：ヤングサンデー
• 巻数：全4巻完結

『SP 警視庁警備部警護課第四係』は岡田准一さん主演でテレビドラマ化された人気作品です。

ドラマ化・映画化された『奥様は、取り扱い注意』。特殊工作員の過去を持つ女性が「穏やかな生活」に憧れて結婚するも、平凡な暮らしに物足りなくなり、トラブルや事件と対峙していきます。

綾瀬はるかさんが演じる主人公のアクションシーンが見もので、大迫力。ママ友には広末涼子さんや本田翼さんの美人女優が共演し、華のある映像作品となっています。

金城一紀ファンなら最新作の発売が気になりますよね。金城一紀の新作は、『映画篇』で、2020年9月24日に発売されています。『太陽がいっぱい』『ローマの休日』など、往年の名作映画をモチーフにした、5話で構成される短篇集です。

各短篇のタイトルとなっている映画を観ていない方でも十分楽しめる内容なので、映画を知らない方でも大丈夫。避けられない悲しい現実に立ち向かいながら、希望を見つけて前を向く人々の物語です。

• 映画篇 (角川文庫)：2020年9月24日
• 対話篇 (角川文庫)：2020年8月25日

映画やドラマには、脚本があるのをご存知ですか。台本の雰囲気をなるべく残し、ストーリーを文字で楽しめるシナリオ集は、原作ファンに大人気。映像と見比べて、もともとのセリフとアドリブの違いを楽しんだり、ちょっとしたメモ書きや手直しされた部分を知れるものもあります。

『ＳＰ 警視庁警備部警護課第四係』のシナリオ集で、金城一紀の脚本の凄みをさらに実感してみてください。

金城一紀の小説は、つらい経験をしたり逆境に立たされた主人公が、人との出会いや経験を通じて成長する熱き青春物語が多いです。何か壁にぶつかったとき、スカッとした気持ちになりたいときに、ぜひ手に取ってみてください。

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