窪美澄のおすすめ小説10選｜新刊から映画化作品まで！魅力や口コミもご紹介

見事、第167回直木賞を受賞した窪美澄。受賞作は『夜に星を放つ』というタイトルの短編集です。この受賞がきっかけで、窪美澄を初めて知った方も少なくないかもしれません。今回は、そんな窪美澄の小説について詳しくご紹介します。

直木賞を受賞した新刊はもちろん、プロフィールやこれまでの受賞歴、おすすめの小説10選など、小説家・窪美澄のことを深く知ることができる内容です。

過去に2度のノミネートを経験し、3度目の正直となった今回の受賞。女性の赤裸々な描写に定評のある窪美澄は、一体どんな小説を書いて直木賞を受賞したのでしょうか？この機会に、今一番ホットな小説家・窪美澄をぜひチェックしてみてください！

第167回直木賞に輝いた、窪美澄の短編集『夜に星を放つ』。収録された短編小説5編のうち、2編がコロナ禍を取り上げたタイムリーな作品です。それぞれに絶望を経験していく主人公達が、切なさや辛さの中に見つけたものとは何なのでしょうか？

救いのない状況の中にも、必ず前に進むきっかけはある。この短編集には、そんな著者のメッセージが込められているのです。人、そして女性を至近距離で描き続けたからこそ書ける、リアルな物語がそこにはあります。

小説家・窪美澄とは一体どんな人物なのでしょうか？著者自身を知ることは、作品をより深く楽しむためのエッセンスになるはずです。こちらでは、窪美澄のプロフィールと受賞歴をご紹介します。

窪美澄（くぼ みすみ）は、1965年生まれ・東京都稲城市出身の小説家です。小説家になる前は、広告制作会社に勤務。その後、出産を経てフリーのライターに転身します。マタニティ向け情報誌『たまごクラブ』等に携わり、妊娠や出産など女性の体に関する記事を多数執筆しています。

2009年『ミクマリ』で小説家デビューを果たし、その後も精力的に執筆活動を続け映画化やドラマ化した作品も多数あります。

デビュー以来、数々の賞を受賞してきた窪美澄。ここでは、窪美澄のこれまでの受賞歴と直木賞ノミネート作品を時系列でご紹介します。直木賞受賞までの道のりを振り返ることで、窪美澄作品の歴史を学んでいきましょう。 

デビュー作がいきなり受賞する、作品が映像化されるなど、多くの支持を得続けてきた窪美澄の作品。その根本にある“窪美澄作品の魅力”とは、一体何なのでしょうか？ここでは、その魅力を2つに絞ってご紹介します。

妊娠や出産といった、はたから見ると幸せそうな出来事。そこに隠された、本人にしかわからない苦悩と葛藤。窪美澄の小説には、そんな女性の性と深く向き合ったものが数多くあります。

繊細で複雑な女性の性が、淡々とありのままに描かれた窪美澄の小説。そこには、どんな女性の生き方も否定しない、著者の温かさが感じられます。

窪美澄の小説には、目を背けたくなるリアルなシチュエーションがたびたび現れます。起きてしまった出来事や、思い通りにならない現実と共に暮らしていく登場人物たち。

窪美澄はそんな彼ら・彼女らに、ささやかな希望だけを残すのです。その小さな光を生かすか絶やすかは、登場人物、ひいては読者自身に託しているかのようにも感じられます。

窪美澄作品の見どころと言えば、やはり“女性”ではないでしょうか？女性ならではの心理や思考・行動が、物語を動かしていく重要なカギに。窪美澄の小説作品を通して、そんな女性達の生き様に注目してみましょう。

尼僧・高岡智照の生涯を描いた小説です。父親に騙され、12歳で舞妓の世界に入った主人公。そこで待っていたのは、映画のような波乱万丈の人生でした。

今よりもはるかに女性の自由がなかった時代。自分らしく生きること自体が、並大抵のことではなかったようです。主人公の生き様は、ノンフィクションとは思えないほど壮絶なものでした。

望まない妊娠により、出産に前向きになれない30代の真菜。マタニティスイミングの指導員である世話好きな70代の昌子。年代の違う二人の女性が、震災を機に再開し交流を深めていく物語です。

困難な状況に遭遇しながらも、なんとか生き抜こうとする女性達のたくましさが伝わってきます。『アニバーサリー』というタイトルに込められた著者の思いとは？

主人公は、女性ではなく28歳の男性です。暴力を振るう父親と、自分を守ってくれない母親。その挙げ句、主人公は中学1年生の時に父親を殺そうとしてしまいます。

虐待の記憶は、大人になっても主人公を苦しめることに。その後、少しずつ前を向き始められたのは、1人の女性との出会いがきっかけでした。

子どもがいる生活・いない生活をテーマにした短編集。「望んでいない」「望んでも叶わない」「答えが出せない」。誰もが一度は考える選択肢だからこそ、その答えは千差万別です。

5つの物語に登場する主人公たちも、それぞれに思いを持ってこの選択肢に向き合っていきます。多様性とは何か、また、自身の未来についてを考えるきっかけにもなる1冊です。

窪美澄の小説には、映画化・ドラマ化した作品が多数あります。ここでは、それらの作品について1つずつご紹介していきます。窪美澄の小説を読んだことがある方も、これから読むという方も、ぜひ映像化した作品に触れてみて下さい。

ここでは、映画化された窪美澄の小説を2作品ご紹介します。こじれる夫婦関係、わかり合えない親子関係――。家庭内で生まれた葛藤に、主人公たちはどう向き合っていくのでしょうか。

『ふがいない僕は空を見た』は、2010年7月に発売された連作長編小説。2011年本屋大賞2位、第24回山本周五郎賞を受賞しています。

映画は2012年11月17日公開。主婦と男子高校生の秘密の関係。そこから展開する物語は、どこに向かっていくのか――。配給：東京テアトル／監督：タナダユキ／主演：永山絢斗、田畑智子

『かそけきサンカヨウ』は、短編集『水やりはいつも深夜だけど』に収録されている作品。同短編集は、子どもが通う幼稚園が一緒の5つの家庭を描いたものです。

映画は2021年10月15日公開。幼くして母を亡くした主人公・陽は、父の再婚に戸惑いを隠せず――。配給：イオンエンターテイメント／監督：今泉力哉／主演：志田彩良

ドラマ化された『やめるときも、すこやかなるときも』は、2017年3月に発売された長編小説です。2020年1月20日から3月23日まで日本テレビで放送されました。

記念日反応に悩まされる主人公・須藤壱晴と、結婚して人生を変えたい本橋桜子。そんな2人の出会いから生まれた、優しい物語です。演出：小室直子／主演：藤ヶ谷太輔

男女問わず、登場人物のリアルな心情が描かれている窪美澄の小説。その生々しさに戸惑いを感じることもあるでしょう。だからこそ、“自分に似てる誰か”が見つかるはず。そして、どんな生き方にも希望はあると、勇気をもらえるかもしれません。

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