トマーティンレガシーの評価・味わい・魅力を紹介！おすすめトマーティン8選も

トマーティンは、スコットランド北部にある「トマーティン蒸留所」で製造・販売されているブレンデッド・ウイスキー。最近では、身近なデパートや酒屋でも手に入るなど日本でも認知度が高まり、SNSでも開封写真を多く見かけるようになりました。

特に「トマーティンレガシー」は渋み・辛さなどの強いクセも少なく、華やかな香りと甘みが強い味わいがウイスキー初心者にも人気です。また飲みやすさだけでなく、樽やウッディな香りの余韻も楽しめるので世界中のウイスキー好きの心も掴んでいます。

今回は人気の銘柄である「トマーティンレガシー」に焦点を当て、味わいやクチコミ・おすすめの飲み方などをまとめました。また、日本と関係の深いトマーティンの歴史についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1897年に設立されたトマーティン蒸留所でしたが、わずか9年後にスコッチウイスキーの低迷期により閉鎖に追いやられてしまいます。再稼働できたのは、それから3年経った1909年。再び沸き上がったスコッチウイスキーブームの波に乗り、蒸溜所の規模を拡大していきました。

再開してからは著しい発展を遂げ、最高で23基もの蒸留設備を保有するまでになります。当時の生産量は年間なんと2,200万リットル。スコットランドで生産数No.1を獲得しました。

順調かに見えたトマーティン蒸留所でしたが、1980年代に入ると状況は一変。これまでの過度な投資と不況のあおりを受け、再び倒産に追い込まれてしまいます。そこで手を差し伸べたのが日本の酒造販売メーカー「宝酒造」と「大倉商事」によるベンチャー企業。トマーティン蒸溜所を買い取り、世界ではじめて"日本企業が所有する蒸溜所" が誕生したのです。

トマーティンの原料は単一種の大麦麦芽。抽出された大麦ジュースは60～20℃まで冷却されてからステンレス製の発酵槽で54～110時間さらに冷却し、ポットスチルで蒸留した後に樽詰めされます。

ポットスチルには窓がなく中の様子が分からないそうで、スチルを叩いた時の音で内部温度を把握するとか。なんともアナログな製法に驚きです。

熟成樽にはバーボン樽をメインにシェリー・ワイン樽も使用されており、あらゆる原酒の組み合わせが可能です。また熟成樽には各々色が付けられており原酒を管理しやすくしています。

トマーティンは、展開する多くの銘柄がウイスキーの品評会で受賞している"世界的にも認められた"ウイスキーです。人気のトマーティンレガシーも例外でなく、何度も金賞を獲得しています。

＜トマーティンレガシー受賞歴＞

• International Wine and Spirit Competition（IWSC）：金賞（2022年）
• World Spirits Competition：ダブルゴールド（2019年～2021年）
• The Spirits Business：金賞（2021年)

トマーティンレガシーは、バーボン樽で熟成させた原酒とアメリカンオークの新樽で熟成させた原酒をブレンドした「ノンエイジボトル」です。バニラビーンズのようなやわらかな香りの中に、シナモンのアロマティックな香りがアクセントとして際立ちます。アルコールの刺激を先立たせない、マイルドな香りがまったりと心地よい時間を演出します。

ノンエイジならではのフレッシュ感と甘みが強く感じられ、とても穏やかな口当たりです。甘みと言っても甘ったるいイメージではなく、フルーティーさと生姜のようなスパイシーさがピリッと効いてスッキリとした後口。単体でも飲みやすく、食後酒としてもおすすめです。

ウイスキーと言えば喉を過ぎても香る余韻が楽しみのひとつでもあります。トマーティンは口に含んだ瞬間こそフルーツのような甘い香りが強く現れますが、後に穀物由来の香ばしい甘さが感じられ、フィニッシュ時にはウッディな樽の風味が押し寄せ、鼻腔にとどまります。ウイスキーらしい余韻と個性を主張しすぎない飲み口のバランスが絶妙です。

庶民に愛される理由のひとつとして価格は大きなポイントです。トマーティンレガシーは定価でも3,500円(税抜)とリーズナブル。少しウイスキーに凝ってみたい、というビギナーにも手を出しやすい価格帯といえます。大手通販サイトでは定価以下で取引されるなど、隠れたコスパ高の銘柄の印象もあります。

トマーティンレガシーはデパートや酒屋、場合によってはドラッグストアでも取り扱いがあり、身近な場所でも購入可能。トマーティンの中でも最も入手しやすい銘柄と言えます。また安価に購入したい場合はAmazonや楽天などの通販サイトの利用がおすすめです。

世界的にもファンの多いトマーティンレガシーですが、日本での評価はいかに？飲んだ型の口コミからリアルな声を覗いてみましょう。

強いスモーク感や味のパンチを求める場合には、少し物足りなさを感じるかもしれませんが、総じてお値段以上の味わいと飲みやすさに満足の声が目立ちます。シチュエーションを固定したくない人や初心者の方には扱いやすいポジションのようです。

トマーティンレガシーはもともとライトな味わいで癖も少ないため、ストレートでも飲みやすい銘柄です。ウイスキーを飲み慣れている方にとっては、炭酸などで割るとかえって物足りなく感じるといった声も見受けられます。トマーティンレガシーの味わにダイレクトに触れるなら、やはりストレートがおすすめです。

控えめな果実とバニラの香りが漂い、まったりとした甘みが主張します。ストレートと比較すればアルコールの刺激が薄れますが、ぼやけた味にはならず、ビターチョコのような大人の苦みと、生姜のようなスパイシーさが、喉を過ぎたあたりで軽快に刺激を与えてくれます。ロックはストレートよりも甘みが強調されるので、しっかりとした味わいと、飲みやすさを両立したい方におすすめです。

ハイボールだと、さぞ香り高くなるのかと思いきや意外にも香りは浅め。しかし果実とバニラの香りが軽やかなタッチではじけます。香りの変化とは裏腹に、味はしっかりと残り爽やかな甘みとビターな後追いが健在。炭酸の刺激が加わり、爽やかな余韻が鼻からスッと駆け抜けます。

トワイスアップと呼ばれる、水を加える飲み方もおすすめです。トワイスアップはウイスキーと同量の水を加えるのが基本ですが、分量は好みで調整して問題ありません。トマーティンは加水すると甘みが増し、ナシや蜂蜜の風味が強くなります。それに伴い香りも引き立つので、華やかでやわらかい口当たりを求める場合にはもってこいの飲み方です。

「グレンモーレンジ10年」はトマーティンにも似た、甘みのある軽やかなテイストが特徴。繊細なライトボディで癖が少なく、トマーティンレガシーが好きな方にもおすすめです。フルーティな香りが華やかで、甘ったるくない麦芽のほの甘さが初心者の方でも飲みやすい銘柄となっています。価格帯も通販サイトなどで4,000円台から取り扱いがあるなど、トマーティンレガシーと同様にコスパに優れたボトルです。

「BIG T」はトマーティン蒸留所が日本に買収される前に製造・販売していたブレンデッド・ウイスキーです。上質な12年以上の長期貯蔵モルトをふんだんにブレンドし、4年〜6年ほど熟成されます。味わいは、ピリッとした刺激感とカラメル・黒糖のような甘みが感じられるのが特徴。

全体的にはライトな味わいで初心者にもとっつきやすい銘柄です。また、甘味が先行するトマーティンレガシーと比べて、ドライな口当たりなので水割りでも強いコクが感じられます。料理なとの相性もよく食中酒としてもおすすめです。

「ザ・マッカラン12年」はマッカランシリーズの中でも、最もスタンダードな入門ボトルとして人気があります。シェリー樽由来の風味が強く、トマーティン12年のような味わいです。ドライフルーツの香りの奥に、軽いスモーク感とスパイシーさが感じられます。

価格帯は今回ご紹介した3種の中では最も高価ですが、飲みやすさの先にある奥深さはどの銘柄でも再現できるものではありません。ウイスキー好きなら、一度は試してみる価値のあるボトルです。

飲みやすさから初心者にもおすすめのトマーティンですが、飽きの来ない奥行きも兼ね備えています。このクオリティから考えれば低価格すぎるほどです。ぜひ挑戦してみてください。

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