大門剛明のおすすめ小説10選｜不協和音・正義の天秤などドラマ化作品も！

小説を書く上で大門剛明が第一に意識していることは「いかにリアリティを追求できるか」です。この小説に向かう姿勢が大門剛明の社会派ミステリーを手掛けることができています。大門剛明の小説に向かうストイックな姿勢が彼の作品になっています。

大門剛明の小説は、社会派ミステリーと言われています。現代日本において社会問題として取り上げられているものに、メスを入れ小説として発表しています。彼の小説をミステリーとして楽しむこともできますが、社会問題の1つであるという観点をもって読むのも面白いです。

今回ご紹介する大門剛明の小説は社会問題に鋭くメスを入れた小説です。特に司法に関して多くの小説を発表している大門剛明の作風や考え、問題提起を感じながら読んでみてはいかがですか。

大門剛明は三重県伊勢市出身の小説家です。大学では哲学科教育学を専攻しており、彼の考え方の礎を築きました。大学卒業後は派遣会社などを経験し、2009年に小説家デビューを果たします。

2009年に発表した『雪冤』は第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞したことでも話題になりました。『雪冤』は死刑制度と冤罪がテーマの小説で、ここから彼の社会派ミステリーとしての小説が始まりました。

大門剛明の作風は、リアリティを追求した社会派ミステリーです。『罪火』を刊行した際に、修復的司法という重厚なテーマを、巧みなトリックを駆使した社会派ミステリーを完成させました。これにより、ミステリー界隈に逸材として注目を浴びます。

大門剛明のストイックな性格は、小説の取材からも見て取れます。よりリアリティを求めるために、机に向かい頭の中で考えるだけでなく、実際に殺人を犯した無期懲役囚に取材を行っています。このストイックな性格により、他の誰も書けないような重厚な人間味あるミステリーが書けているのです。

社会派ミステリーと話題になっている大門剛明の文学賞受賞作品をご紹介します。小説家デビューを果たした『雪冤』は第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞のダブル受賞されています。 日本推理作家協会賞に、短編の『言うな地蔵』 と『手綱を引く』が候補として挙がっていました。これから発表される小説が文学賞に輝くのか楽しみの作家です。

ミステリー小説は「本格派ミステリー」と「社会派ミステリー」とジャンル分けされています。「本格派ミステリー」は「どうやって犯行を実行したのか」を重視するものです。よって、名探偵や謎解きがメインの小説になります。

「社会派ミステリー」は「なぜ犯行を実行したのか」を重視する作品です。つまり、犯罪心理や犯行動機などに重きを置くため、人間の心情心理の表現がポイントになります。大門剛明は心情心理を事細かに分析し執筆されています。

2021年にドラマ化された『正義の天秤』の原作になります。主演をジャニーズの亀梨和也がしたことでも話題になりました。『正義の天秤』のテーマは司法になります。弁護士の視点から数々の難事件を解決していくストーリーです。

師団坂法律事務所の事務所立て直しのために現れた鷹野和也を筆頭に、戦力外チームと言われた弁護士たちが難事件を解決していきます。新時代を切り拓く、絶対的に面白いリーガル・ミステリーです。

冤罪事件をテーマにした小説です。冤罪を晴らすことがいかに難しいかがわかるストーリーとなっています。難攻不落に立ち向かう登場人物たちの織り成すストーリーに引き込まれてしまう小説です。

冤罪被害者の救済活動に取り組む日本初のボランティア団体「チーム・ゼロ」は、弁護士や大学教授などのスペシャリストチームです。この「チーム・ゼロ」に無実を訴える死刑囚・宮原から一通の手紙が届きます。宮原の無実を証明するために奔走する社会派ミステリーです。

2019年に刊行された『完全犯罪』も冤罪事件を題材にした小説です。大門剛明の得意なテーマなので、しっかりと作りこまれていることが手に取るとわかります。

21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審に取り組む、若い女性弁護士・松岡千紗が主人公です。松岡千紗も幼いころにある事件に巻き込まれた過去を持ちます。冤罪の再審にむけて情報を集めているとさまざまな真実にたどり着いていきます。

大門剛明のデビュー作であり、「第29回横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」のダブル受賞した社会派ミステリーです。大門剛明の原点がここにあります。冤罪をテーマにもしているので読み比べするもの面白いです。

死刑囚となった息子の冤罪を晴らす父親が主人公です。息子のために奔走する彼の元に真犯人と名乗る者からの連絡が入ります。最後まで緊迫したストーリーと衝撃のラストです。

『確信犯』は、裁判をテーマにした小説です。司法格差の闇と言われる部分に切り込みを入れ、暴いていく本格社会派ミステリーになっています。

広島で起きた殺人事件の被告人が無罪となります。遺族である被害者の息子の悲痛な叫びは聞き入れられないまま、時は14年過ぎていきました。当時の裁判長が判決を誤ったと告白し殺害されたことで14年前の事件が再び動き出します。

『両刃の斧』は、2022年11月からWOWOWで放送・配信されることが8月に明らかにされました。大門剛明ファンの方から歓喜の声が上がっています。この小説は迷宮入りした事件を解決したいと願う元刑事の物語です。

15年前に何者かに娘を殺された元刑事・柴崎とその事件の解決を目指す後輩刑事・川澄の迷宮事件に立ち向かう物語です。ある日、自殺した警察官の遺書が見つかったことから事態は急変し、犯人に近づくことができます。ドラマが始まるまでに是非一読したい小説です。

『不協和音』は大門剛明の小説の中でも人気のある小説です。これが2020年にドラマ化され、田中圭×中村倫也の実力派俳優が共演したことで話題になりました。熱血刑事と冷徹検事の相対する2人を描いた小説です。

不当な捜査により自白を強要したとして糾弾された元刑事の父に持つ生き別れた兄弟が、刑事と検事として再会します。互いの信念をぶつけながら、ともに難事件に挑んでいく社会派ミステリーです。

宮部みゆきはさまざまなジャンルの小説を書く作家です。法律事務所などへの勤務経験を経てから作家になった経歴もあり、社会派ミステリーとしても人気の作家です。彼女の作品は、身近な社会問題をシリアスでありリアルにとらえる点が評価されています。また、登場人物の心情・人の闇・やさしさなどの心理描写が優れています。

社会派ミステリーを読む際には、一度は手に取りたい宮部みゆきの『本所深川ふしぎ草紙』や『火車』がおすすめの小説です。緻密に構成された物語やスリルのある展開に引き込まれます。

裁判や冤罪、殺人などテーマとしては重厚感あるテーマを掲げていますが、小説の内容は緊張感あり展開も早いので一気に読み切れてしまいます。大門剛明の小説を通じ、社会問題へ少しでも関心を寄せ、自分なりの答えを見つけてみてはいかがですか。また、ストーリーとして楽しめるので重く考えず気軽に手に取れる小説でもあります。

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