真保裕一の小説おすすめ15選！【口コミあり】ミステリーの名手｜新刊情報も

真保裕一は、綿密なプロットから生み出される珠玉のミステリー小説が人気のある小説家です。心理描写はとても繊細で、推理小説・サスペンス小説を中心に、近年では時代小説・経済小説なども執筆しています。

真保裕一の作品は、映像化された作品が多いのも特徴です。たとえば映画化された『アマルフィ』シリーズや『ホワイトアウト』をはじめ、テレビドラマでは『奇跡の人』や『繋がれた明日』などがあり、脚本家としても高い評価を得ている作家です。

さまざまなジャンルの小説を書くことから、どの本から真保裕一の作品に触れたらいいのか迷ってしまいます。そこで本記事では、真保裕一の小説の魅力・作品の特徴や選び方を解説し、おすすめの作品をジャンルごとに紹介します。ぜひ参考にしてください。

真保裕一はもともと小説家志望ではなく、『ドラえもん』のようなアニメを作りたいと考え、アニメ制作会社の採用試験を受験しましたが不合格、その後別会社を経て希望の希望会社に入社し、『ドラえもん』や『おぼっちゃまくん』などのアニメ脚本を担当しました。

1991年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞し、会社を辞めて小説家に転身しました。その後次々と作品を発表しては、山本周五郎賞や日本推理作家協会賞など各賞を受賞し、何度も直木賞候補にも上がっている実力派です。

「このミステリーがすごい！」や「週間文春ミステリーベスト」でも高評価を得ているのが、真保裕一の描くミステリー小説です。中でも代表作は映画化もされた『ホワイトアウト』で、そのほかにも『連鎖』『震源』『奪取』『ボーダーライン』などが発表されています。

たとえば第37回江戸川乱歩賞を受賞した『連鎖』は、小役人シリーズの一つで、重量感があり意外性も豊かな作品として注目された話です。

ドキドキするようなサスペンス小説が好きな方におすすめなのが、『アマルフィ』をはじめとした「外交官・黒田康作シリーズ」です。主人公は外務省の外交官で、海外を舞台におきるさまざまな事件を解決する話になっています。

大使館内の組織問題や官僚批判なども鋭く書かれていて、社会情勢なども反映されたスケールの大きな話が多いのが特徴です。読む順番としては『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』で、それぞれイタリア・アメリカ・スペインが舞台です。

近年になって真保裕一が執筆するようになったジャンルのひとつが歴史小説です。ここでも綿密なプロット構成になっていて、歴史小説好きの方も満足できる話になっています。代表的な作品は『覇王の番人』や『レオナルドの扉』などがあります。

『覇王の番人』は、「本能寺の黒幕はいったい誰なのか」という点を中心に描いた話です。主人公は明智光秀で、信長に対する気持ちの揺れ動き方など、心理描写が巧みな点も特徴です。

仕事に関する話を読んでみたい場合には、「お仕事再生小説」とも呼ばれる『行こう！』シリーズがおすすめです。デパートやローカル線、遊園地などが舞台になっています。例えばシリーズ1作目の『デパートへ行こう！』では、明かりの消えた真夜中の老舗デパートが舞台です。

登場人物がとても多く、またそれぞれに複雑な事情をかかえているばかりか、微妙に事情が絡み合っています。最後にはそれぞれの事情が集約されていくのですが、あたたかい気持ちになれる作品です。

テレビドラマならば『奇跡の人』『つながれた明日』『外交官 黒田康作』があります。『奇跡の人』はミュージシャンの山崎まさよしが主演を務めたことでも話題になったドラマで、交通事故にあって脳死状態だった主人公が奇跡的な快復をしたところからはじまります。

実はドラマ版の『奇跡の人』は、真保裕一の小説の設定を元にしたオリジナルストーリーになっているので、少し問題になった作品でもあります。ですが小説とドラマを見比べてみるのも面白い作品です。

映画ではいずれも織田裕二が主役を務めた、『ホワイトアウト』や『アマルフィ 女神の報酬』『アンダルシア 女神の報復』などがあります。中でも『ホワイトアウト』は真保裕一の代表作のひとつともいえるサスペンス小説で、日本最大のダムをテロリストが占拠してしまう話です。

映画でロケ地として使われた黒部ダムは美しいアーチを描く世界屈指のダムです。小説の中での息詰まるような展開が見事に映像化されていておすすめです。

真保裕一は多くの小説賞を受賞している作家です。そのため、まずは受賞作から読むのもおすすめの方法です。たとえば、第37回江戸川乱歩賞を受賞した『連鎖』、第10回山本周五郎賞と第50回日本推理作家協会賞を受賞した『奪取』などがあります。

ほかにも第25回新田次郎文学賞を受賞した『灰色の北壁』、また直木賞候補には『ボーダーライン』・『ストロボ』ほか2作の合計4作が上がるなど、受賞作の多さからも面白さがうかがい知れる作家です。

真保裕一の新刊もチェックしてみるのもおすすめです。『おまえの罪を自白しろ』は大物政治家の3歳の孫娘が誘拐された話です。犯人の要求を政治家はのむのか、のまないのか、ハラハラする展開に目が離せません。

『暗闇のアリア』は3人の人物が主役の話で、それぞれ三者三様の結末を迎える話です。国境を越えた壮大なスケールで描かれるサスペンスミステリーになっていて、急展開に目が離せません。また『英雄』は壮絶な人間ドラマがテーマになった作者渾身の新刊です。

• 『おまえの罪を自白しろ』 2022年5月10日発売
• 『暗闇のアリア』2022年8月10日発売
• 『英雄』2022年9月7日発売予定

真保裕一は脚本家としてさまざまなアニメ作品にも参加しています。有名なところでは『ドラえもん のび太の新魔界大冒険～7人の魔法使い～』や『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』などがあります。

ほかにも『忍者ハットリくん』や『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』なども手がけており、脚本家としても高い評価を得ています。

真保裕一の書く作品のように、綿密なプロット構成による小説が好みの方は、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞してデビューした雫井脩介の『望み』や、伊岡瞬の『代償』などもおすすめです。

どちらも本格的ミステリー小説で、筋立てがしっかりしているので、破綻なく一気に最後まで読めます。気になった方はぜひ両作品を手に取ってみてください。

真保裕一は綿密なプロットによるミステリー小説やサスペンス小説を得意にしている作家です。複雑な謎の連鎖を楽しみたい方にぴったりの作品ばかりですので、ぜひ真保裕一ワールドを堪能してください。こちらもあわせてご覧ください。