円城塔の小説おすすめ10選｜芥川賞受賞経験もある天才SF作家！ゴジラの脚本も

SF作家として活躍中の円城塔。芥川賞や日本SF大賞といった国内の賞に加え、フィリップ・K・ディック賞といった海外の賞にもノミネートしており、国外からも高い注目を集めています。

しかしその作風はファンですらも解説が難しい、あらすじの説明をする事すらも困難だといわれるほどに難解で、どの作品も読む人を選ぶものばかりです。初めて円城塔の作品を読む人は、どう解釈すればよいかわからず、困惑してしまうことでしょう。

この記事では円城塔の作品を読みたい方向けに、彼の作風や作品の選び方、おすすめ作品の紹介を行っていきます。円城塔の作品選びの参考に、ぜひご一読ください。

2012年、円城塔は『道化師の蝶』で芥川賞を受賞しました。ですがあまりにも作品が難解だった為、選考時に選考委員の間で意見が大きくわれる事態が発生。当時の選考委員であった宮本輝が「ここまで分かれるのは珍しい」とこぼすほどの事態となりました。

なお円城塔は、2011年にも『これはペンです』が芥川賞の候補作として選ばれています。ですがこの時は、残念ながら受賞できずに終わっています。

研究職についていた円城塔は、博士論文を書いた経験から文章を書くことに慣れたといいます。論文は小説とはまた書き方が異なる媒体です。円城塔の作風が難解とされる理由も、この経験が大きく関わっているのかもしれません。

なお円城塔の論文の1つが、国内の論文や書誌情報のデータベース・CiNiiで公開中です。ネットがあれば誰でも読めますので、気になる方はチェックしてみてください。

円城塔の作品の最大の特徴は、その難解さにあります。物語が展開される事もあれば、逆に物語ではなく、まるで何かの解説文を読んでいるような不思議な作品も存在し、その作風を一言で表すことはできません。

時には注釈すらも本文として取り扱い、独特な書き方や理論の展開で読者を混乱に陥らせます。しかしだからこそ逆に、一度ハマると抜け出せない中毒性も存在しています。難解で複雑な作品が好きな方におすすめの作家です。

初めて円城塔を読むという方は、まずは円城塔の代表作・受賞作を読んでみましょう。芥川賞を受賞した『道化師の蝶』は、いうまでもなく彼の代表作の1つです。

またデビュー作の『Self-Reference ENGINE』も、フィリップ・K・ディックにて特別賞を受賞した名作となっています。円城塔の作風の原点を知りたい方は、こちらの作品を読んでみるといいでしょう。

円城塔の難解な世界観を理解できるか不安だという方は、まずは中編・短編集から読んでみることをおすすめします。なかでもおすすめなのは『オブ・ザ・ベースボール』と『後藤さんのこと』の2冊です。

どちらも難解な作品が収録された作品集ですが、表題作の2編はわかりやすい物語や題材が扱われており、ファンからも「面白い」といった声が多くあげられています。最後まで読みきれるか不安な方は、まずはこちらの2編から読むことをおすすめします。

円城塔の作品の中には、映像化された作品が存在します。なかでも有名なのが、『屍者の帝国』です。こちらの作品は、円城塔の盟友・伊藤計劃の遺作でもあります。未完結のまま終わっていた本作を、円城塔が継いで完結させました。

円城塔の難解な文章が難しい方は、まずは映像版に触れてあらましを理解してから小説を読んでみるのも手でしょう。映像版と小説版で一部展開が違う箇所もありますので、比較して楽しむこともできますよ。

2021年の春アニメ『ゴジラ S.P ＜シンギュラポイント＞』。こちらの作品に、円城塔がシナリオ・ストーリー構成担当で参加をしています。

本来はSF考証の監修担当でしたが、設定の考証を行った結果、他のシナリオライターへの依頼が難しい内容となったため、円城塔が脚本も担当することになりました。円城塔らしさが詰まった作品です。文章を読むのが難しい方は、こちらの作品から触れてみることをおすすめします。

2014年に放送されたアニメ『スペース☆ダンディ』にて、円城塔が一部脚本・キャラクター原案で参加しています。

円城塔が脚本を担当したのは、11話と24話です。24話の方で、ゲストキャラクターの原案を行っています。コメディ作品のため、小説では見られない円城塔の作風を目にすることができます。

2022年8月現在、円城塔はTwitterにて「EnJoe140」という名のアカウントで140字小説を公開しています。

公開している作品は、すべて1ツイートで完結しています。Twitter限定の小説なので、書籍化などの予定はないと推測されます。円城塔の小説を気に入った方は、ぜひ140字小説の方もチェックしてみてください。

難解な作品が多い円城塔。しかしだからこそ、くり返し何度も読もうとする気持ちが生まれ、1冊の本とじっくり向き合う読書タイムが送れるはずです。じっくりと小説を読みたい方、世界観に没入するような読み方をしたい方は、円城塔の小説を読んでみてはいかがでしょうか。

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