水上勉の小説おすすめ13選！口コミあり｜代表作や実話をもとにした人気作品もご紹介

水上勉の小説は、幅広い意味で人間味がある作品が多いのが特徴です。創作作品は人間の一部分を描いている場合も多いですが、水上勉の描く登場人物たちはその人物たちをさまざまな視点から描いているため、よりリアルな人間味を感じられます。

そのためより深く感情移入できより深く考えされられる作品も多く、1度読み始めるとストーリーが気になって最後まで一気に読みたくなるのも水上勉の小説の魅力です。1冊に熱中できるような小説を探している方にも、水上勉の小説はおすすめです。

今回はそんな水上勉のおすすめ小説や選び方を、さまざまな観点から幅広くご紹介します。水上勉を今まで知らなかった方や、ハマれる1冊に出会いたい方も必見です。小説選びの参考にしてみてください。

水上勉は、大正8年に福井県で父親の覚治と母親のかんの間に生まれた次男です。結婚後は娘も2人もうけ、そのうち次女の直子は代表作である『雁の寺』が第45回直木賞受賞し、『霧と影』が映画になった年に生まれています。

水上勉は小説家であるかたわら、さまざまな職業を経ていますが、その中で着飾らないありのままの人間を描きたいと思うようになります。それ以降に描かれた作品は等身大の人間が描かれているものが多く、まるで創作人物ではなく実在している人間の人生を眺めているような感覚すら覚えます。

水上勉の小説は、ジャンルをはじめさまざまなポイントから選べます。どのようなポイントがあるのか項目ごとに解説しますので、どの小説から読めばいいか迷っている方も必見です。

小説にはさまざまなジャンルがあり、ジャンルごとにそれぞれの世界観が異なります。自分の好きな世界観がある方も、これから見つけようとしている方も必見です。

推理小説のよさは、作中に登場する人物たちをただ傍観するだけでなく、自分もその小説のいち登場人物になったような感覚で作品を楽しめる点で、水上勉ミステリーが楽しめるのもこのジャンルです。水上勉の小説では、以下の作品が挙げられます。

• 霧と影
• 飢餓海峡

水上勉はもともと社会派推理小説作家ともいわれています。『霧と影』は推理サスペンスに属する小説で、まったく無関係な場所で起こった2つの事件が1つに結び付けられていく長編小説です。また『飢餓海峡』は2ヶ所の同時火災の犯人を1人の刑事が追うストーリーになっています。

心理小説は読者によっては登場人物の思いを感じながら、同調したり疑心を抱いたり自分の考えや思いと重ねながら読める奥深さをもっています。水上勉の作品では、以下の作品が挙げられます。

• その橋まで

この作品は刑務所から仮出所して、木工職人として社会復帰を目指す主人公があらぬ容疑をかけられ、更生への苦しみや辛さなどを繊細に描いた作品になっています。

社会小説は社会問題や政治問題を深掘りしているもので、表向きのものとその矛盾である裏側を描いており、さまざまな種類の作品があるのも特徴です。水上勉の小説としては、以下の作品が挙げられます。

• 金閣炎上

この作品は実際に起こった事件をベースにして描かれていますので、ノンフィクションの作品でもあります。犯人が汽車から身を投じ死亡したため、金閣寺を放火した理由はわからないものの、それを水上勉が入念な調査をしたうえで書き上げた長編小説です。

水上勉の小説にはこのジャンルの作品もあり、完全な創作ではないため創られたストーリーの中にもリアルさが見え隠れしています。中でも代表作は、以下の作品です。

• 雁の寺

この作品は水上勉自身の体験をもとにして作られた作品で、代表作でもあり直木賞を受賞した有名な小説でもあります。自伝に近いこの小説は、水上勉自身の思いの強さが伝わってきて、より人間味を感じられる作品に仕上がっています。

小説の作品数が多いと、どの作品から読んでいいか迷いがちです。それでよく読書を断念してしまう方には、人気と話題性がある代表作品を選ぶのがおすすめです。

多くの賞がありますが、水上勉は直木賞を先程もご紹介した代表作『雁の寺』で受賞しています。そのほかにも谷崎潤一郎賞や川端康成文学賞など水上勉はさまざまな賞を受賞しており、受賞作品で選ぶだけでも水上勉の小説を堪能できます。

• 海の牙

水上勉の『海の牙』は、熊本県で発生した病をきっかけに現地調査にやってきた保健所職員が行方不明になったのを不審に思った主人公の医師が、刑事と共に一連の事件を調査し始めるストーリーになっています。

水上勉の小説は代表作の『雁の寺』をはじめ、多くの作品がドラマ化・映画化共にしており、それほどまでに水上勉の作品の数々が注目されているのがわかります。また、今年の11月には沢田研二が主演で文庫本にもある『土を喰らう十二ヵ月』が映画として公開予定です。

小説は、そのストーリーに合わせて作品の長さもそれぞれ異なります。それぞれを解説しますので、小説を選ぶ際の参考にしてみてください。

短編小説は1日で読みきれるような作品も多く、手軽に楽しめるのが特徴です。またより多くの作品を読めたり、より多くの作家を知ったりもできます。水上勉の作品としては、以下の作品が挙げられます。

• 無縁の花

水上勉の短編小説は、社会派短編小説が多いのが特徴です。この作品は高度成長期の人間模様を描いた短編集で、主に悲哀をメインに描かれています。

仕事合間の休憩時間や就寝前などのちょっとした隙間時間に読書をしたい方には、中編小説がおすすめです。この小説は短編小説よりも長く長編小説よりも短いため、一気には読みきれないものの、自分のペースでコツコツと読み進められるものでもあります。

長編小説の中にはその1冊で完結するものと、上中下といった巻数をまたぐ作品もあり、巻数をまたいでいる作品のほうがより長くその世界観を楽しめます。水上勉の作品は長編小説が多く、以下の作品もその1つです。

• 一休

この作品はアニメなどで知られる一休さんとは少々異なります。ストーリーは一休が生まれて亡くなるまでの生涯を描いており、特に性に着眼点をおいているのが特徴です。

紙の本を持っていこうとすると、1冊であれば大した荷物にもなりませんが、複数持ち出そうと思うとそれなりのスペースが必要となります。ですが、電子書籍であれば多くの小説を好きなときに楽しめます。中には電子書籍が読みやすいように設計されたタブレットなどもあります。

水上勉の『金閣寺炎上』は、三島由紀夫の『金閣寺』との違いが焦点になっている書評もあります。書評は書く人、つまりは読者の感じ方によって書き方も異なりますが、中には詳しく分析した関連本もあります。たとえば『金閣寺の燃やし方』がその書評の1つにあたります。

自分の人生経験を活かしてそれを小説に反映させている水上勉の小説は、小説だけでは終わらない大切なものを教えてくれる作品が多いです。水上勉の小説を読んで、さまざまなものを学んでみてください。

こちらもあわせてご覧ください