早見和真の小説おすすめ8選｜代表作から新刊まで紹介

早見和真は、スポーツ小説からミステリー小説まで幅広ジャンルでストーリー性豊かな作品を執筆する小説家です。作品がドラマ化・漫画化・アニメ化もされるなどして、多方面で知名度が高まっている作家です。

早見和真は学生時代に野球に打ち込んでおり、デビュー作『ひゃくはち』は野球の名門校の補欠組の少年たちを描いて、その臨場感や共感性などに注目が集まりました。早見和真の作品には、一度読むと一気に読みたくなる魅力があります。

この記事では、早見和真の小説について、作品選びのヒントやおすすめ作品などを詳しく分かりやすくご紹介していきます。まだ早見和真の小説を読んでいない方は、ぜひ記事を参考に楽しんでみてください！

早見和真は1977年に神奈川県横浜市で生まれました。名門校の野球部に所属し、2年先輩には高橋由伸がいます。大学在学中に飛び込み営業を繰り返し、最終的にいろいろな雑誌で執筆をするようになります。

大学卒業後に新聞社に就職予定でしたが、留年で断念しました。そこへ顔見知りの編集者から小説執筆を進められ、2008年に野球小説『ひゃくはち』を刊行、そして漫画化され人気を博しました。その後も精力的に小説を書き、文学賞も受賞しています。

早見和真の小説を選ぶときには「漫画化・映画化作品」「そのほかの作品」に分けて探すのがベストです。漫画化・映像化された作品もそうでない作品もどちらも名作ぞろいです。

早見和真の小説はいくつも漫画家・映像化され、世に広まっています。ここでは『ひゃくはち』『ぼくたちの家族』『イノセント・デイズ』『小説王』の4作品について詳しくご紹介します。

『ひゃくはち』は早見和真のデビュー作で、名門校の野球部の補欠部員を軸に書かれた小説です。早見和真自身の野球部経験が非常によく活かされており、高校球児の葛藤・熱狂・挫折などが繊細に描かれています。

早見和真の自伝的小説として読むのもおすすめです。レギュラー選手になる希望が薄い中で、ときには自暴自棄になったり素行の悪い遊びをしてしまったりする様子にリアリティを感じる名作です。

『ぼくたちの家族』は、母の病気をきっかけに協調性を増し絆を構築しようともがく家族の物語です。これは早見和真の経験を基に書かれ、ありきたりの家族ストーリーではなく細部に至るまでリアリティが詰め込まれていて思わず読み込んでしまう小説です。

『ぼくたちの家族』は2014年に映画化され、妻夫木聡が主役を務めヒットしました。監督は巨匠の石井裕也で、弟役の池松壮亮は日本アカデミー賞の新人俳優賞ノミネートまでされ話題になりました。

『イノセント・デイズ』は早見和真の代表作ともいえる悲しいミステリー小説です。元恋人の家に火を点け、妻子を殺めた罪で死刑判決を受けた女性をめぐるストーリーです。大罪を犯した女性の心の悲しみから目が離せなくなってしまう作品となっています。

『イノセント・デイズ』は第68回日本推理作家協会賞、および第28回山本周五郎賞候補にもなりました。さらに、2018年には竹内結子・妻夫木聡主演で映画化されました。

『小説王』は、いわゆる一発屋の小説家と三流編集者のふたりが、出版業界へ起死回生の挑戦を投げかけるストーリーの小説です。作家・書店員・編集者の知られざる努力と絶望や、出版業界の裏側について理解が深まる作品です。

『小説王』は漫画化され、面白いバディものとして大ヒットしています。「作家とは編集者とは」を、クリエイティブな活動をしている方もそうでない方もじっくり考えるきっかけをくれる作品です。

漫画化や映像化がされていない早見和真の小説の中から、いちおしの3作品についてご紹介していきます。『95』『店長がバカすぎて』『八月の母』の3作品はタイトルだけでも興味が湧きますが内容もとても面白いのでおすすめです。

1995年の渋谷を舞台に、主人公の高校生・広重秋久を中心に繰り広げられる青春小説です。当時の渋谷を知っている方や青春時代の思い出を思い出したい方にぴったりの小説で、ぐっと引き込まれて一気に読んでしまいます。

渋谷に縁がない方でも、不思議と共感してしまう世界観ですので、青春時代の複雑な心理描写の数々をぜひ堪能してみてください。大人の方は、青春時代から今までの人生を振り返りたくなること必至です。

『店長がバカすぎて』は、2020年の本屋大賞にノミネートされ大きな話題と注目を集めた作品です。主人公である派遣書店員の女性は、店長の仕事のできなさや人格について非常に腹が立っています。

何度も辞めてやると思いつつも、本と仕事が好きすぎてそこへは至りません。出版業界・書店のリアルな事情なども知ることができ、店長への愛のある嫌悪も面白くまとまっています。テンポがよく読みやすいのも特徴です。

『八月の母』は、実際に起こった事件を背景に展開するミステリー小説です。何度も生まれ育った街から離れようと決意するも、地元で飲み屋を営む母にことごとく機会をつぶされる女性が、自らも妊娠出産し子を持ちます。

世代を変えて続く家庭不和と虐待の悲しさに、読んでいて苦しくなりますが、どうしても先を読ませる早見和真の文章に負け読み続けてしまいます。事実を直視する大切なきっかけを与えてくれる小説です。

『かなしきデブ猫ちゃん』シリーズは、2016年から愛媛県に移り住んだ早見和真が、小説家として地域にコミットしたいと考え執筆した童話です。第一弾の『かなしきデブ猫ちゃん』では、愛媛県の捨て猫カフェで「マル」の名前をもらった猫が、ある日家出をするお話です。

続編の『かなしきデブ猫ちゃん　マルの秘密の泉』では仲間の病気を治すため、万病に効くといわれる秘密の泉を求めて出かけるストーリーで、最終編『かなしきデブ猫ちゃん　マルのラストダンス』へ続きます。

早見和真の小説について、作品選びのヒントやおすすめ作品のご紹介をしました。早見和真の小説には、読む人の心を離さない魅力があります。ぜひ記事を参考に、早見和真の小説を堪能してみてください！こちらもあわせてご覧ください。