「逢坂剛の小説おすすめ20選｜百舌シリーズや時代小説も紹介」

映像化までした百舌シリーズのような警察ものから、エッセイや時代小説まで幅広く執筆している逢坂剛。しかしジャンルに関係なく、たくさん出版しているので、どれから読めばいいかわからない場合もあります。

まずはご自身の好みを考えてみましょう。小説よりも食べ物などが書かれているエッセイが好きならば、エッセイを手にとってみるのがおすすめ。またドラマ『MOZU』の原作が読みたい、フィクション作品のほうが好きな場合は、小説がぴったりです。

逢坂剛の作品は読みごたえがあり、おもしろいので読み進めてしまいます。またエッセイでは逢坂剛の人柄がよくわかり、神保町のおいしいお店も紹介されています。小説とエッセイの両方を読み、違いを楽しむのもおすすめです。

1980年にデビューした、小説家で推理作家です。さまざまな賞を受賞しており、2001年6月から2005年5月には日本推理作家協会理事長を務めました。

フラメンコがきっかけでスペインにも興味を持ち、現地にも行くほど。そのためスペインを舞台にした作品がたくさんあります。将棋好きで、古書や食にも精通しています。

逢坂剛の小説はハードボイルドでミステリー要素が組み込まれており、アクションの描写がかっこよく、手に汗を握る、と評判です。

また時代小説でもそのハードボイルド感は健在なのですが、歴史に詳しくなかったり、時代小説をあまり読まなかったりしても、のめり込んでしまう魅力があります。

逢坂剛の小説にはさまざまな人気シリーズがあります。今回はその中でも定番のものをご紹介しますので、ぜひお好みにあったシリーズを見つけてください。

逢坂剛の代表作で、西島秀俊主演『MOZU』のドラマおよび映画の原作です。『裏切りの日日』は前日譚で、『百舌の叫ぶ夜』からストーリーが始まります。主人公の倉木尚武は妻が爆発事件で死亡したのをきっかけに、独自に捜査を開始しました。

2019年に完結しており、文庫本も発売されています。全8巻でドラマ化されたのは、『百舌の叫ぶ夜』と『幻の翼』です。読む順番は以下のとおりです。

• 裏切りの日日
• 百舌の叫ぶ夜
• 幻の翼
• 砕かれた鍵
• よみがえる百舌
• のすりの巣
• 墓標なき街
• 百舌落とし

スペイン現代史が好きな調査マン、岡坂神策が主人公で、ハードボイルドの正統派作品です。1作目の『クリヴィツキー症候群』では自分をクリヴィツキー将軍だと主張する犯人の精神鑑定を行います。

『クリヴィツキー症候群』と『ハポン追跡』（旧題：緑の家の女）と『カプグラの悪魔』は短編集となっています。読む順番は以下のとおりです。

• クリヴィツキー症候群
• 十字路に立つ女
• 斜影はるかな国
• ハポン追跡（旧題：緑の家の女）
• あでやかな落日
• カプグラの悪魔
• 牙をむく都会
• 墓石の伝説
• バックストリート

禿鷹シリーズは史上最悪の刑事と言われている禿富鷹秋、通称ハゲタカが主人公。NHKでドラマ化された『ハゲタカ』とは別作品です。ハゲタカはヤクザにたかり、弱きをくじく、最悪な刑事です。

正義感のない非情な刑事を描き、読書界を震撼させました。しかしその面白さは抜群で、ハゲタカが時々見せる人間臭さもスパイスになっています。一味違った警察ものを読みたい場合は、ぜひ禿鷹シリーズを読んでみてください。

逢坂剛は警察小説のほかに、時代小説も書いています。日本を舞台にしているものもあれば、なんと西部劇を小説として描いた作品もあります。時代小説がお好きな方はぜひ参考になさってください。

重蔵始末シリーズは火盗改（かとうあらため：放火や押し込み強盗、賭博を取り締まった江戸時代の役職で、正式名称は火付盗賊改方）の近藤重蔵が主人公です。重蔵は型破りな手法で事件を解決に導きます。

逢坂剛が初めて書いた時代小説で、全8冊あります。近藤重蔵は実在した人物で、5回も蝦夷（えぞ：今の北海道）に渡り、蝦夷探検家として知られるようになります。大塩平八郎とも親交があり、小説にも登場します。

道連れ彦輔シリーズはコメディとシリアスのバランスが絶妙な作品です。主人公は鹿角彦輔（かづのひこすけ）です。彦輔は権威や忠義が大嫌いで、弱いものには強気な旗本の三男坊。そんな彦輔は旅の道連れ引き請け人、つまり付き添いの用心棒となります。

数多くの見せ場や、どんでん返しなどで読者を夢中にします。旅の様子が丁寧に描かれており、難所や旅の大変さがよくわかる作品です。

こちらも火盗改に就いているキャラクター、長谷川平蔵が主人公です。シリーズ1作目の『平蔵の首』では老盗賊が平蔵と直接対決するお話のほか、6作品が収録されている、ハードボイルドな時代小説となっています。

長谷川平蔵は実在した人物で、しかも池波正太郎の人気シリーズ『鬼平犯科帳』の主人公です。このシリーズは『鬼平犯科帳』のリスペクトによって誕生しました。そのため『鬼平犯科帳』を読んだ方は2度楽しめるようになっています。

1800年代のアメリカが舞台で、1作目は賞金稼ぎの2人組が天涯孤独な少女と出会い、チームを組むようになるお話です。3作目の『果てしなき追跡』は上下巻です。主人公はトム・Ｂ・ストーンという偽名を使う賞金稼ぎと新選組の土方歳三です。

百舌シリーズの次はこれだ！と宣伝されているほど評判。痛快なストーリーと軽快なテンポであっという間に読めてしまう、おもしろい作品です。土方歳三がアメリカに渡っていた、という設定はとても大胆で珍しいです。

逢坂剛の新刊は2022年2月に発売された『ブラック・ムーン』です。西部劇シリーズで主人公は土方歳三、『果てしなき追跡』と『最果ての決闘者』の続きです。瀕死状態の土方を救ったのは、トウオムア（黒い月）と名乗る女性でした。

土方の消息不明がきっかけで、ほかのキャラクターたちの運命も動き出すお話です。

逢坂剛の小説は紙媒体だけでなく、アプリでも読めます。アプリによって読める作品が異なるので、作品名や作者名で検索してください。逢坂剛の小説を読めるアプリは主に以下のものがあります。

ほかのアプリでも配信している場合があるので、お好みのアプリで逢坂剛の小説をお楽しみください。

• dブック
• BookLive
• Rakutenブックス
• Kindle
• honto

逢坂剛は小説以外にエッセイも執筆しています。逢坂剛が好きな古書やスペイン、料理などについて書かれています。特に神保町でのおいしいお店に詳しく、担当編集を連れて行く日も。

エッセイの最新作は2021年に発売された『ご機嫌剛爺（ごうじい）人生は、面白く楽しく!』です。逢坂剛の人柄だけでなく、仕事も趣味も楽しみ、日々を機嫌よく過ごしていくためのヒントが軽いタッチでたくさん書かれています。

逢坂剛の小説はミステリー要素が入っている、ハードボイルドで読みごたえがあり、続きが気になって読み進めてしまいます。面白い作品を読みたい、かっこいい小説を読みたいときは、ぜひ逢坂剛の作品を読んでみてください。

こちらもあわせてご覧ください