吾妻ひでおのおすすめ作品8選｜代表作やアニメか作品も徹底解説！

吾妻ひでおという漫画家をあなたはご存知ですか。1969年に秋田書店の雑誌まんが王でプロデビューを果たし、その後はSF・ナンセンスな作品を多く発表しました。独自の可愛らしい女の子のキャラデザインも人気で萌えの元祖ともいわれた人物です。

1972年にはふたりと5人という作品で大ヒットし、ハレンチコメディという新たな作風で一世を風靡しました。しかし、1980年代半ばから低迷期に入り、突如の失踪やアルコール中毒による強制入院など、波乱の時期を過ごします。

ですが、その経験を漫画にした失踪日記で再び脚光を浴び、幅広い年代にその名前が知れ渡ることとなりました。今回は、そんな異色の漫画家である吾妻ひでおの作品と人生について紹介します。

吾妻ひでお先生は、1950年に北海道に生まれました。高校を卒業後に漫画家を志し、プロデビュー後は、SFやナンセンス、今で言う萌えな作品をいくつも発表しました。特にSFの分野では有名で、一時はAKIRAの大友克洋と並んでSFニューウェーブと呼ばれたこともあります。

その後低迷期を経て、その経験を漫画にしたことで、再び注目を集める存在となりますが、2017年に食道癌が見つかり、2019年に亡くなります。漫画家として波乱万丈の人生を生きた人でした。

吾妻ひでお初期の代表作なのがこのふたりと5人です。モテない中学生、平竹おさむが引っ越してきた菊池ユキ子に一目惚れして、というちょっとエッチなラブコメ作品です。

タイトルにある5人とは、ユキ子の家族のことで、なんと母や父、祖母がそこに入ります。今でしたら某花嫁のように、姉妹を想像してしまいますが、家族で女装という点に吾妻ひでおのナンセンスさと非凡な才能が感じられる作品です。

SF小説や漫画などのパロディをふんだんに詰め込み、それを不条理ギャグとして日記のような形となっている作品です。吾妻ひでおのSF漫画家としてブームとなるきっかけを作った作品でもあります。

1979年には、日本SF大賞の星雲賞コミック部門を受賞しています。現在でもファンから根強い人気がある作品で、吾妻作品といえばこれ、という読者も少なくありません。

オリンポスのポロンは、1977年から月刊プリンセスで連載が開始した作品です。ギリシャ神話の世界が舞台で、半人前の女神ポロンが騒動を巻き起こすギャグ漫画となっています。

一度は連載が完結しますが、タイトルをおちゃめ神物語コロコロポロンとしてアニメ化がされ、アニメと平行して100てんコミックで連載が再開されました。少女向け雑誌での連載なので、過激な下ネタや不条理ギャグが少なめになっています。

吾妻ひでおの名を再度世に広めた作品です。1980年代から突入した低迷期に2度の失踪していて、その時の経験を漫画にしたものです。埼玉でホームレス生活を始めたり、配管工の仕事をしたりと明るいタッチながら作者の苦悩が伝わってきます。

売れっ子漫画家のまさかの転落に対する驚きや、失踪した人間の生活など興味深い点もあり、吾妻ひでおを知らない若い世代にも読まれた名作です。

こちらは、失踪日記の続編的な作品です。アルコール依存症の治療プログラムのため、家族によって強制的に入院させられた経験が描かれています。病棟での生活は穏やかですが、入院患者の多くは依存症による障害が見て取れました。

作中では、治療プログラムの一環で患者同士が話し合う機会があり、兄が日本刀で襲ってくる幻影と戦う患者さんや酩酊状態で車を運転していた患者さんなど、淡々としながらも恐ろしい話がいくつも描かれています。

ここからは吾妻ひでおのおすすめ作品8選を紹介します。電子書籍化されておらず、中古品でしか入手できない作品もありますが、どれもファンからの評価が高い名作ぞろいです。

多忙な漫画家生活を送っていた吾妻先生ですが、結婚などはしていたのでしょうか。先生は1973年にアシスタントをしていた女性と結婚し、その後長女と長男を儲けています。

家族は吾妻先生の仕事も手伝っていたようで、アシスタントA・B・Cとして、うつうつひでお日記の中に登場しています。ほかにも失踪日記などで、父親の行動を心配する姿が描かれています。

吾妻ひでおが活躍した1970年代は、まだまだ漫画の存在が一般的ではなく、業界も売れっ子の作家に相当な無理をさせたりと、エネルギーがある反面、歪みも大きかった時代です。

そんな漫画業界の光と闇の両方から影響を受けて、漫画を作り続けた人物であると言えます。吾妻ひでおが壮絶な人生の中で描いてきた作品。興味を持たれた方はぜひ手にとってみてください。

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