赤川次郎の小説おすすめ15選｜小学生には子供向けミステリーも！

赤川次郎は『三毛猫ホームズ』や『セーラー服と機関銃』などで知られる小説家。赤川次郎の作品には映画化やドラマ化された作品も多く、何かの形で作品に触れた経験がある方も多いはずです。

推理小説が有名な赤川次郎ですが、推理小説だけでなく青春物語や時代小説などのジャンルでも多くの名作を生み出しています。小学生向けのやさしいミステリー小説も多く執筆しており、どの作品も読者を選ばない読みやすくて優しい文体が魅力で、子どもから大人まで幅広い層に人気です。

今回は赤川次郎作品の特徴や魅力・作品数・選び方などをご紹介します。作品がたくさんあってどれを読んだらいいか分からず悩んでいる方は、ぜひ小説選びの参考にしてみてください。現在も精力的に執筆活動を続けている赤川次郎の最新作も要チェックです。

赤川次郎は1948年2月29日生まれで福岡市出身の小説家。中学生のころの『シャーロック・ホームズの冒険』との出会いをきっかけに、見よう見まねで小説を書き始めたのが小説家・赤川次郎の始まりでした。

桐朋高等学校を卒業後、サラリーマンとして働く側で小説の執筆活動にも尽力。28歳の時に「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞して小説家デビューを果たしました。デビューから40年以上が経った現在も精力的に執筆活動を続けています。

赤川次郎の小説は推理・ミステリー系から恋愛やホラーまで幅広いジャンルがあります。そのためターゲットとしている読者層も幅広く、子どもから大人まで多くの世代で読まれています。ライトノベルに近い非常に読みやすい文体なので、あまり読書経験がない方でも気軽に読めるところが魅力の一つです。

また、シリーズものが多いのも赤川次郎作品の特徴。シリーズを通して描かれる登場人物の成長や変化を楽しめるのがシリーズ作品の醍醐味といえます。

赤川次郎は多い時で年に20作以上を執筆し、多くの作品を生み出してきました。作品数は2019年12月時点で620冊を超え、累計発行部数は2015年時点でなんと3億3000万部を超えています。

さらに作家デビューしてから50年以上が経った現在も、毎年新作を発刊しています。最盛期の20冊には届きませんが、2019年時点でも年10冊を刊行するスピード感で作品数は増え続けています。

赤川次郎の小説は作品数が非常に多く、どの作品から読めばいいのか、どの作品が自分に合っているかが分からず悩んでしまいますよね。赤川次郎作品の特徴をおさえながら、選び方のポイントをご紹介します。

どっぷり小説の世界に浸りたい方におすすめなのがシリーズものの作品です。赤川次郎の小説はシリーズものが多いですが、中でも特におすすめの3作品をご紹介します。

赤川次郎が『シャーロック・ホームズシリーズ』からインスピレーションを受けて書いた推理小説シリーズです。猫が主人公の奇抜な設定が話題を呼び、赤川次郎を代表する作品の一つになりました。何度かテレビドラマ化され、現在も新刊が発行されるなど、世代を超えて愛されている作品です。

花嫁に関連する事件を解決していくミステリー小説シリーズで、すべての作品のタイトルに「花嫁」のワードが入っています。第1巻の発行から30年以上が経った現在も続編が書かれており、全30巻を超える大作になっています。1話完結型なのでどの作品から読んでも楽しめますが、より物語の世界観に入り込みたい方は1巻から読むのがおすすめです。

自称名探偵の女子大生・永井夕子と捜査一課の宇野警部のコンビが活躍する推理小説シリーズ。シリーズ第1巻の『幽霊列車』は赤川次郎のデビュー作です。デビューから50年以上が経った現在も続編が発行されています。『幽霊シリーズ』の作品は短編集形式なので、空き時間などでさっと読めるのが魅力です。

タイトルの通り吸血鬼の娘が主人公のシリーズ作品です。物語の中で登場する事件は猟奇的なものやファンタジー要素の強いものが多いのが特徴です。シリーズを通して描かれる主人公の成長も見どころで、ファンタジーですが親しみやすい内容にもなっています。歴代3人のイラストレーターさんが表紙デザインを担当しているので、表紙のバリエーションにも注目してみてください。

赤川次郎といえば推理小説のイメージが強いですが、実は他にもさまざまなジャンルの作品を書いています。特徴的な4つのジャンルからおすすめの作品をご紹介します。

赤川次郎作品で最も多いのがミステリー系の小説です。シリーズものでご紹介した作品もすべてミステリー小説でした。どの作品も本格的な推理を楽しめるのが魅力で、ミステリー小説ファンにはたまらない内容になっています。ミステリー系の中にも軽く読めるものから少し重いテーマやサスペンス要素を持ったものまで、さまざまな作品があります。

若年の読者層に人気なのが青春を題材にした物語です。高校生姉妹の青春ファンタジーを描いた『ふたり』や大人の世界に足を踏み入れてしまった少女の苦悩を描いた『早春物語』などがあります。青春物語の作品に限らず、赤川次郎の作品は10代・20代などの若い世代が主人公となるものが多く、若者が共感しやすい内容になっています。

大人が楽しめる本格的なホラーやファンタジーなどの奇妙な世界観の作品も人気です。激しい大地震に襲われた「町」で極限下の人間の恐怖や混乱を描いたパニック作品の『夜』などは、かなり読み応えがあります。完全なホラー作品だけでなく、ミステリー小説の中にホラー要素を取り入れたものもあるので、ちょっと刺激がほしい方におすすめです。

青春物語やファンタジーなどからはあまりイメージがつきませんが、赤川次郎は時代小説も多く書いています。江戸で噂の盗賊・鼠小僧が悪者から金目のものを奪っていく『鼠シリーズ』が特に有名です。赤川次郎特有の読みやすい文体で、時代小説でもテンポよく読み進められるところが魅力です。

赤川次郎の小説にはメディアミックス作品も多くあります。代表作である『三毛猫ホームズシリーズ』も何度かドラマ化されています。映画化されている作品といえば『セーラー服と機関銃』が有名です。ホラー小説にはゲーム化もされているものもあります。原作小説と映画・ドラマなどを見比べてみるのも楽しみ方の一つです。

赤川次郎の作品は多くの文学賞を受賞しています。文学賞を受賞した作品はそれだけ専門家からの評価が高いので、質の高い作品を読みたい方におすすめです。第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞したデビュー作『幽霊列車』、角川文学賞を受賞した『悪魔に捧げるレクイエム』、吉川英治文学賞を受賞した『東京零年』などがあります。

作品の長さで分類すると、長編と短編の大きく2つに分かれます。赤川次郎の作品には長編と短編の両方があります。赤川次郎の書く文章は読みやすいので長編でもスラスラと読めますが、それでも空き時間でさらっと読みたい方には短編がおすすめです。『赤川次郎ショートショートシリーズ』は赤川次郎の究極の短編集です。

赤川次郎の作品には子どもから大人まで幅広い年齢層の読者が楽しめる作品があります。今回は赤川次郎が最も得意とするミステリー作品の中で、世代別のおすすめをご紹介します。

赤川次郎作品の文体は非常に読みやすく子どもでも読めるものが多いですが、中でもライトなテーマで面白く読めるものを選ぶのがおすすめです。赤川次郎の代表作である『三毛猫ホームズシリーズ』などは児童文庫レーベルの角川つばさ文庫からも出版されており、子ども向け作品として推奨されています。

中学生・高校生になったら少しレベルアップして、推理要素が強めのミステリーに挑戦してみましょう。物語の世界に入り込んで自分自身でも推理しながら読み進めると、より楽しめるはずです。赤川次郎のミステリーには10代が主人公の作品も多いので、中学生・高校生でも親しみやすいストーリーになっています。

大人向けの作品には、ダークなテーマを題材にした作品やホラー作品があります。ホラー作品にはミステリーにホラー要素が加わったものから本格的なものまであり、どの程度の刺激を求めるかによって作品を選んでみてください。ホラーだけでなく社会風刺的なテーマを持った作品もおすすめです。

商品紹介サイトなどであらすじをチェックし、自分の読みたい内容かチェックするのもおすすめです。実際に読んだ人の感想や、「こんな人におすすめ」と紹介している場合もあるので作品を選ぶ際には参考にしてみましょう。

赤川次郎は2022年にも多くの新作を発表しています。そのほとんどがシリーズものの最新作です。『幽霊シリーズ』や『三姉妹シリーズ』、直近では『吸血鬼シリーズ』の最新作『吸血鬼ドックへご案内』が発売されました。2022年7月には2000年に発刊された『とりあえずの殺人』新装版の発売も予定されており、今後も赤川次郎の新作には期待が高まります。

『赤川次郎ミステリー 夜想曲 ~本に招かれた殺人~』は、赤川次郎の本格ミステリーがゲームで楽しめる作品です。赤川次郎が原作・監修をつとめており、山奥の洋館「野々宮図書館」に集められている本から巻き起こる事件が、小説を読むように展開されます。選択肢次第で結末が変わり、多様なエンディングが楽しめるサウンドノベルゲームです。

赤川次郎の小説について特徴・魅力・作品数・選び方などをご紹介しました。あまり小説を読まない方でも聞き覚えのある作品が多く、赤川次郎の小説は実に名作揃いです。さまざまなジャンルの作品・シリーズもの・メディアミックス作品などがありますが、この記事を参考に自分にぴったりの一冊を見つけてみてください。