内田百閒のおすすめ小説5選｜本人の性格や短編小説まで詳しく紹介

「近代文学作家」や「文豪」と呼ばれる人物が日本には多く存在します。有名な作品は学校の授業や、ドラマ・映画の題材として取り上げられることもあります。しかし、近代文学と呼ばれるジャンルは堅苦しく手が出しにくいという印象が持たれる傾向にあります。

そんな方におすすめしたいのが、夏目漱石の門下生の一人としても有名な小説家・内田百閒です。彼は幻想的な世界を描いた短編集や鉄道小説・随筆などさまざまなジャンルの作品を数多く残しています。

また、自由奔放でユーモアな人柄も百閒の魅力のひとつであり、彼の作品を読めば「とっつきにくい」と思われがちな近代文学の印象が変わること間違いなしです。この記事では内田百閒の魅力や作品の選び方、おすすめ作品などを詳しく解説します。

内田百閒は1989年、岡山県で造り酒屋のひとり息子として生まれました。16歳のときに『吾輩は猫である』を読み、夏目漱石の熱狂的なファンになります。大学卒業後は、ドイツ語の教官を務めながら『百鬼園随筆』『冥途』などを発表しました。

戦後は鉄道旅をテーマにした『阿房列車』シリーズや、百閒の代表作として名高い『サラサーテの盤』を続々と発表しています。その後、1971年に老衰のため東京の自宅で死去しました。

内田百閒は強面で少し気難しそうに見えますが、実はかなりユーモアのある自由な性格だったと言われています。その人柄は彼の作品にもよく反映されており、読んでいて思わずクスッとしてしまうような面白味を感じられるのが魅力です。

随筆集では百閒自身や周りの人間との面白おかしいエピソードを、短編集では幻想的でどこか哀愁の漂う世界を楽しめます。

単行本は、128✕182mmのB6サイズで作られた書籍です。小説が新刊として発売されるときは文庫サイズよりも早く書店に出回るため、作品の熱烈なファンは単行本を好んで買う傾向にあります。

また、単行本は背表紙の部分まで装丁にこだわったものが多く、本棚に並べて眺めを楽しめるのも嬉しいポイントです。自宅で好きな作品をじっくり味わいたい方はぜひお試しください。

文庫本は、148✕105mmのA6サイズです。同じ作品の単行本が刊行された後、より手に取りやすい価格とサイズで販売されます。単行本に比べてサイズが小さいので、通勤・通学や休日のお出かけなど何処へでも持ち運びしやすいのが魅力です。

また、読み終わった本を収納する際にかさばりにくいメリットもあります。

内田百閒の代表作として高い評価を得ているのが、ある日突然妖怪になってしまう「私」の姿を描いた不思議な短編作品『件』です。百閒の作品は他にも、幻想的で掴みどころのない世界を描いたものが多く存在します。

就寝前など、ちょっとした時間に物語の世界へ浸りたい方におすすめです。

内田百閒は「鉄道小説の第一人者」とも評されており、大の鉄道マニアでした。用事がなくても列車の乗ったり、時刻表を熱心に読み込んだりといった熱狂ぶりは、彼が数多く発表した鉄道小説からも感じることができます。

中でも、借金をしてまで鉄道旅に出かける主人公と、主人公が旅先で出会う人間との交流を描いた『阿房列車』シリーズがおすすめです。

夏目漱石への熱烈なファンぶりが感じられるエピソードや、常にお金がなく友人にひたすら借金を繰り返した話など、内田百閒はとにかくユニークなエピソードに事欠きません。百閒がどのような作家だったのかをより詳しく知りたい方には随筆集がおすすめです。

百閒の代表作の一つとして名高い『百鬼園随筆』では、軽やかでお洒落な文章と共に彼の人生を覗き見ることができます。

内田百閒のユーモアあふれる文章は、読者をいつの間にか夢中にさせてしまう魅力があります。これまで近代文学と呼ばれるジャンルにあまり触れたことのなかった方も、ぜひ百閒が紡ぐ言葉の数々を味わってみてはいかがでしょうか。

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