志村貴子の漫画おすすめ6選｜口コミは？代表作からアニメ化された作品まで解説！

 出会いや恋愛の形は人それぞれ。志村貴子の漫画は異性間・同性間・兄弟間などさまざまな恋心をリアルに描き、多くの読者に支持されています。

志村貴子の作品の多くはジェンダーに関するもので、登場キャラクターたちの悩みや葛藤、悲しみなど暗い部分が多いと思われるかもしれません。しかし、優しいタッチのイラストで何気ない日常を描いており、一見重くなりそうなテーマもスッと心に入ってきます。

ここでは志村貴子の漫画の魅力やおすすめ作品をご紹介します。口コミやあらすじを参考に、自分の好みに合いそうな作品をみつけましょう。

志村貴子は1973年に神奈川県で生まれ、のちに漫画家・同人作家として活躍します。デビューはコミックビームに『ぼくは、おんなのこ』が掲載されたことがきっかけで、同年『敷居の住人』の連載も開始。

デビュー作の『ぼくは、おんなのこ』は、ある日突然全ての人間の性別が逆転してしまった世界を舞台にした物語です。志村貴子の代表作『放浪息子』に劇中劇としても登場しています。

志村貴子はデビュー作とされる『ぼくは、おんなのこ』掲載前は、1993年に成人向け漫画雑誌に短編作品の『LOVELY』を掲載しています。

2009年には青木俊直・イシデ電・岩岡ヒサエ・谷川史子とともに同人サークル「腹ペコ戦隊はしレンジャー」を結成。2011年にはグループ展「はしレンジャー展」も開催しています。

志村貴子は自身の漫画作品を発表するだけでなく、アニメのキャラクターデザインや小説の装画を担当するなど、活躍の場を広げています。アニメ『アルドノア・ゼロ』や『バッテリー』のキャラクターデザインをし、以下の作品では表紙デザインを担当。

• 青年のための読書クラブ（桜庭一樹著、新潮文庫nex）
• The MANZAI（あさのあつこ著、角川文庫）
• リトルガールズ（錦見映理子著、筑摩書房）

さらにAKB48「センチメンタルトレイン」のミュージックビデオのイラストやゲーム「東京放課後サモナーズ」のキャラクターデザインなどもしています。

志村貴子の漫画はジェンダーの悩みや同性間の恋愛を題材にしたものが多いです。同性同士だからこそ世間や周囲の目が気になってなかなかうまく行動できない、相手の些細な行動に深く悩んでしまう、など登場人物たちの心の機微を丁寧に描写しています。

友人との恋愛だけでなく、兄と弟の間で恋心が芽生えるBLオムニバス作品などもあり、ジェンダーやさまざまな恋心について考えるきっかけに。

志村貴子の漫画はシリアスなテーマでドロドロとした展開のものもありますが、テンポ良くさらっと描かれており、あまり重くならずに読めると評判です。

まるで日常の一部を切り取ったかのような描写で、非日常のストーリーでも自分の日常のようにも感じられます。セリフのない絶妙な間は読者が想像を働かせるきっかけに。

志村貴子のイラストは淡いタッチで描かれ、キャラクターたちの儚い雰囲気のなかには芯の強さも感じられます。画風が好きというファンも多く、イラスト集も人気です。

イラスト集はデビュー作『ぼくは、おんなのこ』から『青い花』までのイラストを年代順に収録しており、見どころ満載。代表作の『放浪息子』と『青い花』の主人公が並んだ表紙のイラストも魅力的です。

志村貴子の代表作は2004年11月から2013年7月かけて『マンガ・エロティクス・エフ』に連載された『青い花』です。鎌倉とその周辺を舞台に、女性同士の恋愛と友情を描いています。

2009年にはテレビアニメも放送され、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編（劇場公開・テレビアニメ・OVA） にも選出。国内にとどまらず、海外向けに英語翻訳版も刊行されています。

志村貴子の代表作であり、人気の高い『青い花』は2009年7月からテレビアニメが放送されています。高校生の女の子同士の恋愛が描かれているため、ジャンルは百合作品に分類されていますが、ストーリーのなかでは異性間の恋愛も。

ひとつの物語のなかで多様な恋愛模様をみることができます。アニメ制作を担当したのは「のだめカンタービレ」や「ハチミツとクローバー」でもタッグを組んだ、カサヰケンイチ監督×J.C.STAFFです。

『コミックビーム』2002年12月号から2013年8月号までに連載された『放浪息子』も志村貴子の代表作のひとつです。「女の子になりたい男の子」である主人公が背が高くてかっこいい女の子に出会ってからの物語を描いています。

アニメは中学生編からを描き、2011年1月から3月までフジテレビで放送されました。原作でもみられた水彩画調のイラストを生かした絵作りで、映像技術賞の奨励賞を受賞しています。

さまざまな恋愛模様を描いたオムニバス漫画『どうにかなる日々』は、アニメ化され2020年10月23日より劇場公開されました。原作が発表された2002年から長い年月を経てアニメ化ということで話題に。

何気ない日常を淡々と描いた作品ですが、そのなかに登場人物の大きな心の変化や心に突き刺さる場面などが散りばめられており、ストーリーに魅了されます。

志村貴子作品が好きな方には以下の漫画家の作品もおすすめです。気になる方はぜひチェックしてみてください。

• ヤマシタトモコ：主にボーイズラブ誌、青年誌で作品を掲載。女心を赤裸々に描いた作品『HER』も人気
• よしながふみ：同人サークル「大沢家政婦協会」の主催者。代表作は『大奥』
• 谷川史子：『ちはやぶるおくのほそみち』でデビューした漫画家・同人作家。代表作は『清々と』

ジェンダーに悩む男女や同性間・異性間の恋愛模様などを描いた志村貴子の作品は、漫画を通してさまざまな価値観や生き方を教えてくれます。決して重くなりすぎず、サラッと読める作品が多いのでこれらのテーマを読んだことがない方もぜひ読んでみてください。また下記の記事も参考にしてみてください！