金原ひとみのおすすめ小説8選｜生い立ちから映画化した作品まで紹介

2004年に、デビュー作である「蛇にピアス」で第130回芥川賞を受賞した金原ひとみ。綿矢りさとのW受賞が大きな話題を呼びました。

金原ひとみは東京都出身で、父は児童文学研究家、母方の祖父母はともに歌人です。文学一家に育った金原ひとみですが、小学4年生で不登校になり、中学・高校にはほとんど通っていません。12歳の頃から小説を書き始め、20歳の時に周囲の勧めを受けて小説家としてデビューしました。以上が金原ひとみの簡単な生い立ちです。

この記事では、金原ひとみの小説の特徴や魅力について深掘りします。記事の後半では皆さんに読んでほしい小説を8選ご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

金原ひとみの小説の特徴のひとつに、狂気にあふれたストーリー展開が多い点が挙げられます。他の小説家とは一味も二味も違った、「金原ひとみならではの狂気」を堪能できます。

また、過激な性描写や暴力の描写、歪んだ性愛をテーマにしたものが多いです。全体的にアンダーグラウンドな香りが漂う作品です。

『蛇にピアス』は、金原ひとみの処女作です。2003年にすばる文学賞を、2004年に芥川賞を受賞した作品です。吉高由里子主演で映画化もされました。

スプリッドタンなどの「人体改造」に憧れて、虚無感を抱きながら生きる一人の少女の物語です。頭をガンと殴られるような衝撃を受ける冒頭部分が印象的な作品です。

『アッシュベイビー』は、2004年に発表された金原ひとみの2作目です。ペドフェリア(幼児・小児性愛)やサディズム(加虐性愛)などの過激な内容のため、金原ひとみの作品の中でも好き嫌いが激しい作品かと思います。

この作品からは「生への渇望」と「愛し愛される関係へのおぞましいまでの執着」を読み取れます。

2006年に出版された『軽薄』は、ドロドロとした恋愛を描いた作品です。主人公は夫と息子と平穏に暮らす女性ですが、元恋人に背中を刺された過去があります。そんな家族関係に19歳の甥が加わったある日から均衡が崩れ、主人公と甥はアブノーマルな不倫関係に堕ちていきます。

果たして甥の目的は何なのか、甥が隠している過去とはどのようなものなのか。最後まで目が離せない作品です。

金原ひとみに興味を持った方は、芥川賞を同時受賞した綿矢りさの作品もぜひ一緒に読んでみてください。

綿矢りさは、17歳の時に『インストール』で作家デビュー。19歳で発表した「蹴りたい背中」が高い評価を受け、芥川賞を受賞しました。他著に『勝手にふるえてろ』『かわいそうだね？』などがあります。

小説にはそれぞれ小説家のカラーが出ますが、金原ひとみの世界観は唯一無二のものです。アンダーグラウンドな世界で描かれる歪んだ愛欲の物語。その中には生への執着を見つけられます。この記事を参考に、金原ひとみの小説をぜひ読んでみてくださいね。

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