垣谷美雨のおすすめ小説10選｜新刊は？面白い本や似た作家・代表作も

日本アカデミー賞を受賞して話題となった、映画『老後の資金がありません』。原作者は、小説家・垣谷美雨です。垣谷美雨が描く小説は、親近感が湧く身近な題材が多く、小説に苦手意識のある方でも読みやすいのが特徴です。

ドラマ化・映画化されている作品も多数あり、気になっている方も多いはず。しかし、垣谷美雨の小説は20冊以上あるので、何から読めばいいか迷ってしまいますよね。

そこで、この記事では垣谷美雨の小説のおすすめを紹介します。垣谷美雨の小説が人気を博す理由や選び方も解説しますので、お気に入りの本を選ぶ参考にしてください。

垣谷美雨（かきやみう）は、1959年に生まれた兵庫県出身の小説家です。明治大学文学部を卒業後、ソフトウエア会社で勤務されました。小説家デビューは2006年。『竜巻ガール』で小説推理新人賞を受賞しました。

作風は2つの軸で書かれており、老後・子育て・ジェンダーなど現代社会を描いた作品と、タイムスリップしたり心が入れかわるようなSF要素のある作品があります。重いテーマを扱った作品でもどこかライトなテイストで読みやすいのが垣谷美雨の小説です。

魅力はなんといっても、共感性の高いテーマと苦境を打破する登場人物たちです。老後とお金の問題を家族とともに考える『老後の資金がありません』や、娘の結婚を心配する母親を描いた『うちの子が結婚しないので』など、他人事とは思えない内容が目白押し。読者からは「面白い！」「共感できる設定が好き」といった声が寄せられています。

また、トラブルに直面したときに気持ちがいいくらいに開き直るパワフルな女性たちも魅力。力強さをもらえる作品がたくさんあります。

垣谷美雨の代表作は、2021年2月21日発売の著書『うちの父が運転をやめません』です。本作は78歳になっても運転をやめない父を、主人公がなんとかして説得しようと試みる、心温まる家族小説です。

本作は読書メーターが配信するメールマガジン“週間おすすめランキング情報” にて小説部門1位を獲得し、発売からすぐに重版が決定しています。

垣谷美雨の作品の中からお気に入りを見つけるための選び方を紹介します。メディアミックスされた作品やテーマごとの人気作はこちらです。

垣谷美雨の描くさまざまな強い女性たち。彼女たちが打たれても負けずにハッピーエンドを探し続ける作品を紹介します。「共感できる作品が読みたい」「現実社会を楽しく生きるヒントが欲しい」そんな人におすすめの小説が揃っています。

『竜巻ガール』は第27回小説推理新人賞を受賞した作品です。逞しい女性たちの姿を描いた短編集で、ハートフルな彼女たちの活躍に引き込まれます。女性が心に秘める内面や裏側が描かれており「女の怖さ」が存分に味わえます。作品名の「竜巻」のごとく、物語には疾走感があり一気読みする読者も多いです。

58歳の主婦・澄子が、横柄なモラハラ夫と離婚するまでの道のりをリアルに描いた本作。離婚による金銭問題、世間体や親戚との付き合いなどを考えると、なかなか離婚を踏み出せない澄子に共感する読者も多い作品です。家事や育児を手伝わないなんて昔の話…と思うかも知れませんが、まだまだそういった家庭もあるのが事実。ハッピーな離婚を達成するための戦いがはじまります。

旅行代理店で働くキャリアウーマンが、一夜の情事で妊娠するところから物語はスタートします。40歳を目前に「産みたい」気持ちが高まる主人公ですが、年齢とパートナーの不在の壁はそう低いものではありません。日本の子育て事情やマタハラ上司、シングルマザーへの不安などが描かれた話題作です。

定年を迎え、のんびりと過ごす予定だった主人公・郁子が、夫の田舎で市議会議員に立候補するストーリーです。ハラスメント気味のおじいさん方にも負けずに奮闘する郁子に、胸がスカッとします。「一人では何もできないが、一人でも始めなければならない」と書かれた小説帯のとおり、自分発信で頑張る気概をくれる一冊です。

メディア化された作品は、登場人物のキャラが濃くテンポのいいストーリー展開が魅力です。メディアと小説を見比べて、それぞれの良さを比較するのも面白いですよ。

『老後の資金がありません』は、節制しながら穏やかに過ごす普通の主婦が、オレオレ詐欺やリストラなど、次々と襲い掛かる問題に奮闘するエンタメ小説です。老後の過ごし方は誰しも不安に思うもの。そんな中で、お金の大切さと、お金以外の大切なものの存在を教えてくれる内容になっています。

映画は2021年に公開され、アップテンポなストーリーと、天海祐希さん・松重豊さん・新川優愛さんらの豪華キャストが注目を集めました。

少子高齢化をストップすべく、日本政府は「抽選見合い結婚法」を制定。結婚相手が抽選で決まってしまうハチャメチャな設定が面白い小説です。人との出会いを通じて主人公が成長する様子や、親と子の距離感・確執は、読み応えがあります。

ドラマは、野村周平さん主演で2018年10月に放送されました。「人はなぜ結婚するのか？」「家族とは？」を考えさせる社会派ドラマです。

社会問題をユーモラスに書いた『あなたの人生、片づけます』。社内不倫や男やもめとなった老人など、登場人物たちの部屋も人生も心も整理していくヒューマンストーリーです。主人公のサバサバした物言いは、スッキリとした気持ちになります。

『あなたの人生、片づけます』は、オーディオドラマ（NHK）で放送されました。西田敏行さん・竹下景子さんらが出演し全3回にわたり放送されました。

SF小説のような「もしも」の設定を楽しみたい方におすすめの小説を紹介します。シリアスな展開の中に、思わず笑ってしまう要素が含まれているハートウォーミングな作品たちです。

患者の心の声が聞こえる、不思議な聴診器を拾った女医・ルミ子。真面目で不器用な彼女が患者のために何ができるか考え、選択していきます。「もしも」の世界を通じて、自分を見つめなおしたり一歩踏み出すきっかけとなるような小説です。垣谷美雨さんの他の小説よりも切なくしんみりするシーンがあるのが特徴的です。

「人生をもう一度やり直せるとしたら…」そんな想像をした経験のある方も多いですよね。『リセット』は、人生を嘆く3人の40代女性が、高校時代にタイムスリップする物語です。読者を本当にタイムスリップしたかのように思わせるリアルな描写で、自分と照らし合わせながら読めるのが魅力です。2012年に鈴木保奈美さん主演でドラマ化もされました。

パート主婦である妻が、夫の不倫相手と思われる女性の身体と入れ替わってしまう本作。奇想天外な設定ですが、垣谷美雨さんの言葉選びや行間使いによって違和感のない仕上がりになっています。読了後には、後味のいい気分にさせてくれるファンタジー＆コメディ作品です。

2013年にTBSにてドラマ化され、川口春奈さんと鈴木砂羽さんの入れ替わり演技が話題を呼びました。

小説を選ぶ際、単行本か文庫本かで選ぶのも選択肢のひとつです。そもそも文庫本とは、すでに発売されている単行本を多くの人に手に取ってもらいやすいように小さくし、安い値段で売り出した書籍です。手のひらサイズで持ち運びしやすく、電車などの移動時間にも読めるメリットがあります。

• 『姑の遺品整理は、迷惑です』
• 『四十歳、未婚出産』
• 『希望病棟』

【垣谷美雨の単行本の人気作】

• 『あきらめません！』
• 『もう別れてもいいですか』
• 『代理母、はじめました』

2023年6月6日に発売した垣谷美雨の最新刊『懲役病棟』は、『後悔病棟』『希望病棟』の続編にあたるシリーズの第三弾です。神田川病院に勤務する金髪の女医・太田香織と看護師・松坂マリ江は、さまざまな人生を抱える女子刑務所を訪問します。

女子刑務所内で手にした不思議な聴診器を通して、受刑者たちの切実な声を目の当たりにした主人公は、驚くべき行動に出ます。読後感はすっきりし、リアルさも増して引き込まれるストーリーです。

垣谷美雨の小説が気に入った方は、作風の似た作家の小説を読んでみたいと思いますよね。垣谷美雨と似た内容を描く作家は、加納朋子です。アラフォー・アラフィフ世代の女性が現実と立ち向かう姿を投影した小説を書いています。

中でも『7人の敵がいる』は、テレビドラマ化された人気作。出版社に勤務するワーママが初めてのPTAや学童といった小学校の壁とぶつかっていくハートフルストーリーとなっています。

垣谷美雨の小説は、「明日からも頑張ろう」「きっと何とかなる」と思わせてくれる作品ばかり。ちょっと未来が不安に感じた時でも、前向きな気持ちにさせてくれます。タフで勝気な女性、優しいけど頼りない男性、放っておきたいけど心配な娘…そんな憎めない登場人物たちと一緒に壁を乗り越えていきましょう。

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