古屋兎丸の漫画おすすめ16選！アニメ化・映画化した作品も紹介

エログロナンセンスや、ブラックユーモアのある作風が特徴の古屋兎丸さん。多彩な画風と繊細で正確な描き込みで生み出されるその独特な世界観は、一度読んだら忘れられない鮮烈さがあり、多くの人気を集めています。

また、代表作『ライチ☆光クラブ』・『帝一の國』『女子高生に殺されたい』が続々と実写映画化されるなどさらに注目の漫画家です。

今回の記事では、古屋兎丸の作品のおすすめをご紹介します。実写化された人気作の紹介や選び方・魅力までくわしく紹介しますのでぜひ参考にしてください。

古屋兎丸さんは、東京出身の漫画家です。漫画以外にも、オムニバス映画の脚本・絵コンテ・キャラクターデザインを務めたり、映画『紀子の食卓』『愛のむきだし』に俳優として出演したりと、マルチに活躍しています。

2016年3月、漫画家の仕事場にカメラが密着し「マンガ誕生」の瞬間をドキュメントした漫画家の視点から切り込む『浦沢直樹の漫勉』では、多彩な道具や手法を駆使して漫画を生み出す瞬間が披露されました。生み出された美しい絵は、イラストとして見るだけでも満足度が高く、画力が高い漫画が読みたい人におすすめです。

古屋兎丸作品は、繊細な美しいイラストでハードな展開を描きだす作風が特徴です。デジタルと手書きを併用しており、多彩な道具や手法を駆使し、劇画タッチの作風や鉛筆画など異なるタッチの絵を緻密な描きこみで描き出します。また、少年が多く登場し、思春期の歪さや一瞬のきらめきを秀逸に描き出します。

エログロナンセンスや、ブラックユーモアを盛り込んだ耽美で危うい世界観は、一度読んだら忘れられない鮮烈さがあります。

独特な作風なので読み慣れていない人は映像作品の方が楽しみやすいです。古屋兎丸作品を初めて触れる人には、実写化作品がおすすめです。

古屋兎丸作品は実写化したものがいくつかあります。舞台化から映画化まであるので、自分にあったものをぜひチェックしてください。

1985年公演された東京グランギニョル歌劇『ライチ光クラブ』のストーリーや人物の一部を原作とは変更して描かれた作品、『ライチ☆光クラブ』。2012年、パロディーギャグの約2分半の短編FLASHアニメーションが放送され、同年舞台化、2015年ミュージカル化、2016年映画化もされました。

螢光町の片隅で秘密基地「光クラブ」で、ある目的のために「機械」を作ろうとする、9人の少年の物語です。少年たちの関係性や心理描写が美麗なイラストで描かれます。

2014年舞台化、2017年実写映画化された『帝一の國』は、生徒会長を務めた者には、将来の内閣入りが確約されている海帝高校で生徒会長になることを目標とする赤場帝一の学園物語です。

掲載されていたジャンプスクウェアのテニスの王子様15周年と跡部生誕を記念した跡部ジャック企画で、「できれば描いてください」を「できるだけ描いてください」と勘違いしたことであらゆるコマに跡部様が登場したことも話題です。

2022年舞台化した『アマネギムナジウム』。表情の作り方から顔やつま先の角度、目線の強さを調整するなど「人形感」にこだわった作品となっています。

派遣社員をしながら人形作家をしている宮方天音はある日、画材屋から古い粘土を譲り受け、「ギムナジウム」をテーマにした7体の少年の人形を作り上げ、ある秘密から動き出す物語です。ファンタジーな設定の中にモノづくりをする人間のリアルな感情が描かれます。

『女子高生に殺されたい』は、古屋兎丸の画業20周年記念作品として注目され、2022年に田中圭さん主演で実写映画化もされました。

「女子高生に殺されたい」と願い、高校教師になった主人公の東山春人が、どうやったら「殺されることができるか」を綿密に練っていく斬新なストーリーです。タイトルからも分かる異常さや執念を唯一無二の美しい筆致で描かれるサスペンス風の作品です。

古屋兎丸作品は、多くの美少年が登場します。美少年に注目した作品を紹介します。

『ぼくらの☆ひかりクラブ』は、螢光町の片隅にある秘密基地「ひかりクラブ」と少年たちの物語で、タミヤが設立した「ひかりクラブ」がどのようにして現在のような状態へ変貌したのかが描かれます。少年達の葛藤や対立、思春期特有の屈折した感情を印象的に描き出されます。

『ライチ☆光クラブ』の前日譚として描かれた作品で『ライチ☆光クラブ』を未読でも楽しめますが、先に『ライチ光☆クラブ』を読むことをおすすめします。

『インノサン少年十字軍』は、13世紀のヨーロッパで実際にあった「少年十字軍」運動を題材にした作品です。聖都エルサレムを目指し行軍する少年達を待つ過酷な試練と悲劇的な運命が描かれます。

無邪気で純真無垢であるが故の残酷で美しい少年達の運命。史実から分かる通り辛い結末に向かい、胸が苦しくなるような描写が続きますが、残酷さと美しさを併せ持つ描写で読者を物語に引き込みます。

自慰依存・友人依存・緘黙症といった一味違う設定の少年たちが繰り広げるシュールコメディです。全1巻に綺麗にまとめられている作品です。ハードな展開や痛々しい描写がないので、古屋兎丸作品の中で読みやすい作品の1つです。

不思議で変わった作品に見えますが、高校生のリアルな日常をのぞき見しているような気持ちになれます。明るくてちょっと切ない青春物語となっているので、肩の力を抜いて読める作品です。

古屋兎丸の最新作『ルナティックサーカス』は、サーカスは娯楽の王様と言われた昭和を舞台に日本一と謳われる人気サーカス団「ルナティックサーカス」での物語です。

美しい天才少年の栄光と挫折、友情と愛憎が描かれ、ミステリー要素も含まれつつ、王道のスポ根要素も楽しめる作品です。空中ブランコ乗りの天才フライヤーとして絶大な人気を誇る龍之介をはじめとした魅力的なキャラクターが登場し、衝撃的な展開で話題の青春群像劇です。

古屋兎丸作品はまだまだたくさんあります。こちらでは厳選して3作品紹介します。

太宰治の「人間失格」を現代社会に舞台を変え、古屋兎丸が漫画化した作品です。古屋兎丸という漫画家が、「人間失格」という名前の日記をサイト上で見つける、というところから物語がはじまります。

陰鬱な雰囲気が漂っている作品ですが、美しい絵と構図で、葉蔵の心の動きや破滅してゆく様子が表現されています。原作の主人公は大庭葉蔵ですが、古屋兎丸という漫画家を主人公として描かれる本作は、古屋兎丸らしい衝撃的な結末が描かれます。

見えない壁に囲まれた「庭」を　幻想・快楽・目覚め・葛藤・科学・後悔・破滅の7つのテーマで描き出した短編集です。圧倒的画力で個性的な作品が収録されています。

未完のまま連載を終えた超問題作「エミちゃん」が、114枚の描き下ろしで、全ページ袋とじで収録されています。性的描写やグロテスクな描写が含まれる作品です。

『幻想ピカソ』は学園漫画にファンタジー要素を盛り込んだ作品です。古屋にとって初の少年漫画で、古屋兎丸作品の中でも読みやすい作品です。

絵を描くことが好きな少年、葉村ヒカリは事故に遭い、奇跡的に一命を取りとめますが、「人助け」をしなければ死んでしまう体になり、与えられた不思議な力を使って人助けをしていくファンタジー作品です。

圧倒的画力で独特の世界観を描き出す古屋兎丸作品。初見では手に取りにくいと思うかもしれませんが、どれも非常に魅力的です。実写化作品もあるので、この記事を参考にして自分にあった古屋兎丸作品を見つけてみましょう。

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