柚木麻子のおすすめ小説15選｜直木賞受賞作家によるリアリティ溢れる描写

柚木麻子さんは、恋や仕事を頑張る女性や女性同士の友情について描かれた作品が多い作家です。コメディタッチのものから『BUTTER』のように実際に起こった事件をベースにしたシリアスなものまで多彩です。

登場人物の見た目の描写や心理描写が秀逸で、とてもわかりやすく雰囲気が伝わって来ます。また小説の中に出てくる料理・スイーツ・お酒なども、あたかも読者の目の前に置いてあるかのように描写されており、食欲が刺激される小説です。柚木麻子さんは「普通の女子の本心」を描く女性作家の第一人者といえます。

ここでは、柚木麻子さんの経歴とプロフィール・作風・人気小説・おすすめ作品についてご紹介します。柚木麻子さんの小説を選ぶ際の参考に、ぜひ最後までお読みください。

柚木麻子さんの経歴やプロフィールをご紹介します。

【経歴・プロフィール】

• 本名：非公開
• 生年月日：1981年8月2日
• 最終学歴：立教大学文学部仏文科
• デビュー：オール讀物新人賞を受賞し、2010年単行本『終点のあの子』（オール讀物新人賞受賞作含む）刊行
• 2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞
• 2016年『ナイルパーチの女子会』で高校生直木賞受賞

柚木麻子さんは既婚で子供さんもいるようです。また10代の頃に半年間人工呼吸器をつける肺の病気をしているので、コロナ感染に細心の注意を払っているようです。

柚木麻子さんの作品は、女性同士の関係性を中心に描いているのが特徴です。女性同士の友情はもちろん、嫉妬や相手と自分を比較して、羨ましがったり見下したりする描写もあります。それは柚木麻子さん自身が中高一貫の女子校に通っていたのも関係しているようです。

自分の仕事や職場での立場・学歴・お互いの容姿などを比較している心理描写は、女性なら共感できる部分が大きいのではないかと思います。同じ有名私立女子校出身だったりすると急に親近感がわくような描写もとてもよく伝わってきます。

柚木麻子さんの映像化された人気作品1つめは『ランチのアッコちゃん』です。2015年に蓮佛美沙子さんと戸田菜穂さん主演でNHKBSプレミアムで放送されました。主人公の派遣社員・澤田三智子は派遣先の上司であるアッコ女史とある事情でランチを交換します。

ランチは毎日外食でお店も決まっているアッコ女史とのランチ交換で、お弁当派の三智子は不思議と仕事も恋も順調に動き始めます。そんなハートウォーミングなお仕事小説です。

柚木麻子さんの映像化された人気作品2つめは『嘆きの美女』です。主演は黒沢かずこさんで、NHKBSプレミアムで放送されました。主人公の耶居子は、ほぼ引きこもりで外見だけでなく性格も悪い女子で、ネットに悪口を書き連ねる毎日です。

そんな耶居子が、美人ばかりがブログを公開しているHP「嘆きの美女」に出会い、その美人たちと同居する羽目に陥ります。こじらせ女子の成長物語です。

柚木麻子さんの映像化された人気作品3つめは『伊藤くんA to E』です。木村文乃さん主演で毎日放送で制作されたドラマです。伊藤くんはイケメンでお金持ちですが、無神経で自意識過剰な男子なのに何故か女性にモテます。

そんな伊藤くんにむらがる女性たちが、傷つきながらも立ち上がる姿を描いた連作短編集です。こちらは、映画化もされています。

柚木麻子さんの映像化された人気作品4つめは『ナイルパーチの女子会』です。2021年にBSテレ東で放送されたドラマです。主演は水川あさみさんでした。商社のOL・志村栄利子と人気主婦ブロガーの丸尾翔子が出会います。しかし近づきすぎる栄利子を翔子が拒否するようになり、物語は思わぬ展開を見せます。

本作は山本周五郎賞と高校生直木賞（高校生が選ぶ直木賞）を受賞した作品です。

柚木麻子さんの作品の中でも、人気のある作品が「アッコちゃんシリーズ」です。上でもご紹介していますが『ランチのアッコちゃん』には、続編の『3時のアッコちゃん』『幹事のアッコちゃん』があります。

会社の3時の休憩に食べるお菓子選び、会社の飲み会の幹事をしたときに選ぶお店を、澤田三智子はアッコ女史に教えられます。続編も三智子とアッコ女史のやりとりに心が温かくなります。

『BUTTER』は、柚木麻子さんの新境地を開いたと言える作品です。本作は誰もが知るある事件を下敷きに書かれた作品だとわかります。美しくも若くもない一人の女がたくさんの男性からお金をむしり取り命まで奪ったあの事件です。

しかし読み進めていくうちに柚木麻子さんの世界観が広がり、事件は忘れてしまいます。長編小説ですが、あっという間に読み進めてしまいます。おすすめの1冊です。

『らんたん』は、『BUTTER』の後に出版された女子大河小説と言われるほどの長編小説です。明治維新の頃の物語で、女子教育に目覚めた一人の女性・河合道さんの生涯を描いた物語です。河合道さんは、柚木麻子さんの出身校である恵泉女学園創始者でもあります。

津田塾を開いた津田梅さん・朝ドラのヒロインでもある村岡花子さん・広岡浅子さん・女性活動家の平塚らいてうさん・市川房江さんなどが登場し、ワクワクする小説です。読み応えのある「史実に基づくフィクション」です。

柚木麻子さんの新刊は2022年4月8日に出版された『ついでにジェントルメン』です。柚木麻子さん独特のユーモアと心に刺さる7つの物語が紡がれています。短編集なので読みやすく、やはり本作も女性なら「わかる、わかる」とうなづける短編集です。

初めて柚木麻子さんの作品を読む方にもおすすめの作品です。

柚木麻子さんの小説は、登場人物の心理描写がとても巧みで読みやすい作品が多いのが特徴です。女性の気持ちを描いた小説がほとんどですが、女性心理を知りたい男性にもおすすめです。コメディから重いテーマの作品まで多彩です。

あなたも柚木麻子さんの巧みな心理描写を味わいましょう！

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