タイトル「原田宗典の小説おすすめ10選｜『十七歳だった！』などおすすめエッセイも紹介」

繊細でシリアスな純文学からクスッと笑えてほっこり心温まるエッセイまで、幅広いジャンルの作品を数々執筆している人気作家・原田宗典。一時はスランプで鬱病を発症したり薬物に手を染め逮捕されたりもして作家人生が危ぶまれましたが、10年の歳月を経て復活しました。

原田宗典は1990年代に出版したエッセイが続々ヒットを飛ばし、エッセイを読んで小説を読んでみたいと思った方も多いと思います。でも、作品が多くどれから読めばいいか迷ってしまいますよね。

今回は、原田宗典のおすすめ小説をご紹介します。原田宗典の人物像や作風・おすすめ作品やエッセイについても触れていきます。ぜひ最後までご覧ください。

高校時代に執筆した短編が学研コース文学賞に入選し、指定校推薦で早稲田大学第一文学部に入学。卒業後は就職しコピーライターをしながら小説を執筆、すばる文学賞の佳作入選を経てフリーランスになり本格的に作家活動を開始します。

不運に見舞われても「ヘン運に恵まれていて、ヘンさ値が高いから」とエッセイのネタにするポジティブさがあり、読者を楽しませてくれています。実妹は直木賞候補にもなった作家の原田マハで、兄妹揃って文学への才能に溢れています。

原田宗典は日常の中にある出来事を面白く描くのに長けていて、短編やエッセイではクスっと笑えてハッピーな気持ちになれる作品が多くあります。長編では、原田宗典の繊細さや心の奥にある本質的な部分など別の一面が表れています。

原田宗典の小説は論理的でなく読みづらいという意見もありますが、悩みもがく人間そのものを描き人間らしさが感じられます。

まず手始めにサクッと作品を読んでみたい場合は、気軽に読める短編がおすすめです。特に「旅の短編集」は見開き1ページのショートストーリーの連続なので、読書時間があまり取れない時でもさらっと読めます。

旅先で初めて見る光景や出会う人に対して感じる特別感を、本を開くたびに味わわせてくれます。たった1ページの物語の中で、読者がその地に連れて行ってもらえたように感じさせる原田宗典の技量が光る作品です。短編の中でも特に読みやすいので、入門編としておすすめです。

原田宗典の長編は、オチや救いを求める読者にはモヤっとする作品が多めで好みが分かれます。短編やエッセイは切れ味良くサクサク読めるのに、長編は同じ作者が書いていると思えないほど異質に感じます。

そんな中、スルメ男と一瞬見間違ってしまう「スメル男」は原田宗典の妄想力・独創性で描かれたシュールな世界観と持ち前のユーモアが入り混じり、一気に読めてしまう作品です。まずは「スメル男」を入口として、そこから原田宗典の長編小説を攻めていくと入りやすいと思います。

原田宗典は人間の複雑に揺れ動く心の移り変わりを丁寧に描いていて、読者も一緒に迷ったり考えたりしていくうち作品にのめり込んでしまいます。人一倍ポジティブなようで、とても繊細でナイーブな面を合わせ持つ原田宗典の人柄が感じられ、作品を通して作者も愛おしくなります。

「優しくって少し ばか」は、主人公を通して男性が普段は表に出さない心の言葉が多数登場します。表向きは強がって見栄を張っているけれど、内面では弱気で優柔不断などこか憎めない主人公を通して、男性のかわいらしい一面が覗ける作品です。

作者が日常の中にある何気ない出来事に敏感に反応し、妄想を膨らませおかしな方向へと考えが飛躍していく様を描いたユーモラスな作品です。

バカバカしくてくだらないような内容でも、クセになって読み進めてしまう巧みな筆致に舌を巻きます。何も考えず軽い気持ちで楽しく読めるので、疲れた時の気分転換におすすめです。

思春期によくあるちょっとエッチでおバカな妄想や、勉強が嫌で不良になったのに不良の先輩からいろいろ学ぶエピソード、床屋や銭湯でのトホホ体験が詰まったエッセイ集です。

どうしてこうも原田宗典にはハプニングが付きまとうのか？ネタの宝庫とでも言うべき作者の笑えるピンチ脱出劇は抱腹絶倒です。

原田宗典のエッセイには名言が多く、それもまた魅力です。十七歳だった！では「ショーペンハウエル著作集を探しているんだが……ないなあ。仕方ない、ついでだからこの『若妻欲情うっふんマンボ』という汚らわしい本でも買って帰るか。」という名言が生まれています。

どうしてそうなる？と思うけれども、なぜかクスッと笑って納得してしまいます。

原田宗典は大人向けの絵本も出しています。大人が読んでも胸に刺さり、他者との関わりに悩む思春期の子供たちにも生きるヒントになる作品です。

醜い姿で誰からも疎まれ死にたいと願い続ける花が、自分が醜い姿で長く生き続けている意味を知った時に衝撃の結末が待ち受けています。

原田宗典の作品はどれも人間味に溢れ、作品にも作者の人柄にも引き込まれます。原田宗典の作品を読んでほっこり和みたい方は、ぜひこの記事の作品紹介や選び方を参考に気になる作品を選んでみてください。

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