里中満智子の漫画おすすめ10選｜ギリシャ神話や歴史漫画を紹介

歴史・伝記・神話といった題材を得意とする漫画家の里中満智子さん。細かな線で描かれた繊細で美しい画面は、その時代の景色・風俗も緻密に描写されています。実際の歴史についても随分と綿密な下調べをしたうえで、史実に基づいて描かれています。

研究者の間でも意見の割れるところや、詳細が明らかになっていない要素については、独自の目線で大胆な仮説も交えながら描かれている部分もあります。これは、歴史を知っている人・勉強中の人・あまり知らないけど漫画として楽しみたい人、いずれにとっても楽しめる魅力的な要素です。

今回の記事では、そんな里中満智子の漫画の選び方をご紹介します。また、おすすめのタイトルをご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

里中満智子さんは1948年大阪で生まれました。16歳という年齢で『ピアの肖像』で第1回講談社新人漫画賞で1位入賞を果たしました。そのまま現役女子高生でありながら漫画家としてデビューしました。大学受験が近づいた際には漫画の一時休業をすすめられたものの、学校と違い仕事は一生と考え、高校を中退して漫画家として活躍していきました。

漫画家としても活躍している里中満智子さんですが、現在なお漫画以外にも活躍の場を広く持っています。一例には、文部省（当時）などでさまざまな活動を精力的に行っています。2006年にはそんな功績を称え、全作品及び文化活動に対して、日本漫画家協会賞文部科学大臣賞が贈られました。

また、作品としてはデビュー作の他に『あした輝く、姫が行く!』が講談社出版文化賞、『狩人の星座』が第6回講談社漫画賞をそれぞれ作品として受賞しています。

強く賢く生きた女帝、持統天皇の生涯を描ききった大長編作品です。彼女がまだ幼いころ、鸕野讃良皇女（うののさららのひめみこ）、通称「讃良（さらら）」と呼ばれていた5歳のころから始まります。さまざまな権力争いの陰謀渦巻く時代を生きた人々を描いており、歴史で耳にした人物も大勢登場するので、歴史の流れをつかみたいと考える人にもおすすめの作品です。

なお、その少し後の時代を描いた『女帝の手記―孝謙・称徳天皇物語』は、本作の続編としても読める作品です。

里中満智子さんによる日本神話を題材にした作品です。日本の始まりの物語として知られる『古事記』。もともとは非常に長い物語ですが、それが全2巻で非常にテンポよく読み進められるので、古事記を題材にした漫画の中でもおすすめの作品です。

内容は非常に濃密で、里中さん自身の考察などもちりばめられている点も興味深いです。人間味あふれる日本の神々の姿が、美しい絵柄で楽しめます。

現在伝わっているギリシャ神話は、さまざまな作家たちがギリシャの各地に存在する伝説や神話を自由に作品にしたもののために、全体を通すとつじつまの合わない部分も多く存在します。

本作は、そんな数々の有名な説を採用しながら、ひとつの物語として里中満智子版ギリシャ神話として組み立てたものです。人間味あふれる神々による飽きさせないストーリー展開は、全6巻のボリュームでありながらテンポよく読み進められる作品です。

今回は、里中満智子さんの漫画を紹介しましたが、気になる作品は見つかったでしょうか。緻密に書き込まれた美しい画面で、圧倒的な知識量に裏打ちされた物語を楽しめる作品が揃っています。この記事を参考に、ぜひ自分に合った里中満智子さんの漫画を見つけてください。

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