坂木司の小説おすすめ20選！人気作品から最新作まで紹介！

次々と新刊が出版され、書店には所狭しと立ち並ぶ推理小説。何を読めばいいか悩む方も多いですよね。「ミステリーに興味があるけど読むのは少し怖い」「ドロドロした推理小説を読むのに疲れた…」そんな方は、坂木司さんの小説がおすすめです。

坂木司さんの小説は、生活のなかに潜む謎を解く日常ミステリー。ユニークで可愛らしい登場人物たちが、主人公に相談したり、友人と絆を紡ぎながら謎に立ち向かっていきます。読んだ後に、幸せな気持ちになれたり、穏やかな感情になれる作品が多いのが特徴です。

今回は、そんな坂木司さんの小説のおすすめ20選を紹介します。謎に包まれた作者のプロフィールや小説の選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

坂木司さんは、1969年に生まれた東京都出身の小説家です。性別不明の覆面作家としてプロフィールの多くは謎に包まれています。ペンネームの「坂木司」は小説の登場人物の名前から名づけられました。

幼少期から絵本や本が好きで、物語の世界に没頭して日々を過ごしていたそうです。2002年にひきこもりの青年を主人公とした『青空の卵』でデビューしたのち、日常生活を切り取ったミステリー作品を中心に名作を送り出しています。

数々の人気作品を執筆する坂木司さん。その人気には理由があります。こちらでは坂木司さんの小説の魅力を紹介します。

坂木司さんの小説は、「怖くない、人が死なないミステリー」作品が多いのが特徴です。異世界の設定はなく、日常にひそむ手がかりを探しながら事件を解決していく作風。強烈なミステリーが苦手な方でも非常に読みやすくなっています。

登場するのは、和菓子屋で働く女の子や元ホストクラブで配達員の男性、歯科クリニックでアルバイトをする女性など、身近に感じる人物ばかり。どのキャラクターも、心の機微や背景が丁寧に描かれ、読むたびに愛おしくなります。それぞれ悩みを抱えながらも成長していく様に心が温まりますよ。

小説に登場する食べ物やお菓子は、見た目・味わい・食感・風味が細やかに書かれていて、どれもとても美味しそう。「ポテトのクリームグラタン」や「うどんすき風の鍋焼きうどん」「手作りパンケーキ」など、読者が作ってみたくなるような魅力的な料理にあふれています。

幼いころから美味しいものが出てくる絵本が好きだったそうで、食事への愛着は、お菓子のエッセイを出版するほどです。

坂木司さんの小説を何から読めばいいか迷っている方に向けて、選び方のポイントを紹介します。「メディアミックス」「シリーズ」「エッセイ」など、自身の好みに応じて読み始めてみてください。

映像化されたメディアミックス作品は、読みやすいストーリー展開と個性豊かなキャラクターたちが特徴です。小説とあわせてメディアを鑑賞すると、面白さは倍増です。

元ヤンでホストの父親のもとに家出をしてきた息子が訪れる親子の物語です。初めはぎこちない父と子のやりとりですが、真剣に向き合ううちに互いに心が通い合う様子は、胸が熱くなります。ホスト店のオーナーや転職先の宅配便の同僚など、仲間との絆も見逃せません。

• 監督：岡本浩一
• キャスト：AKIRA（EXILE）、林遼威、綾野剛ほか

神戸を舞台に、トランスジェンダーのみきが活躍する痛快ストーリーです。田舎から上京しファッション業界で奮闘する姿や、モヤっとする日常を吹き飛ばすセリフはとても気持ちがいいものです。みきの理想の『女子的生活』の中から、「女性らしさ、男性らしさ」とはなにかと考えさせられる作品です。

• 脚本家：坂口理子
• キャスト：志尊淳、玉井詩織、町田啓太ほか

長く楽しめるシリーズ作品は、おうち時間をゆっくり過ごす日に読むのに最適です。好きな登場人物のその後の活躍や成長を何度も読めるのはシリーズもののメリットです。

デビュー作である『青空の卵』をはじめとした『ひきこもり探偵シリーズ』は、坂木司さんの代表作ともいえる作品です。サラリーマンである坂木司とひきこもりの親友・鳥井真一が、何気ない生活に隠れた謎を解き明かしていくストーリー。テンポのいい謎解きと、人情味溢れる登場人物が魅力的です。

【ひきこもり探偵シリーズ】

• 青空の卵
• 仔羊の巣
• 動物園の鳥

デパ地下の和菓子店「みつ屋」を舞台にした、ほんわかミステリー3部作。読む順番は、『和菓子のアン』『アンと青春』『アンと愛情』の順に読むのがおすすめです。未来への不安・コンプレックスなど、誰しもが抱えるデリケートな悩みや不安にも触れた青春ミステリーとなっています。

【和菓子のアンシリーズ】

• 和菓子のアン
• アンと青春
• アンと愛情

ホリデーシリーズは、ホストとして働く主人公・沖田大和のもとに、小学5年生の自称息子・進がやってくるところから始まります。不器用で憎めない大和としっかり者の進のやりとりは微笑ましく、最後は胸が熱くなりホロリと涙がこぼれます。『ホリデー・イン』はサイドストーリー（SS）短編集として、その他のキャラクターの物語や心情が楽しめます。

【ホリデーシリーズ】

• ワーキング・ホリデー
• ウィンター・ホリデー
• ホリデー・イン

坂木司ワールドに魅了された方は、エッセイや小説集もおすすめです。おやつに対する愛を、思うがままに綴ったエッセイや、気軽に読める小説集で、さらに魅力を深堀りしてください。

『おやつが好き お土産つき』は、甘いものからしょっぱいものまで作者が愛する食べ物の魅力がふんだんに描かれたエッセイです。まるで口の中に食感が再現されるような書きぶりで、馴染みのあるスイーツも、ご褒美に食べたいデパ地下菓子も、お菓子の魅力がふんだんに伝わってきます。読んだらきっとおやつが食べたくなりますよ。

5篇からなる小説集『鶏小説集』。コンビニのチキンや鶏ハムなど家庭でも口にする機会の多い鶏肉を通じて、親子関係や友情などを描いた作品です。日常生活に疲れたり、憂鬱な気持ちを感じる登場人物たちが、少しずつ前向きになっていく姿に元気をもらえます。

坂木司さんの小説集には『肉小説集』もあり、こちらもお肉を題材としたストーリー。「美味しくない」にもフォーカスを当てた作品で、ユーモアに富んでいます。

バリエーション豊かな坂木司さんの小説には、まだまだ魅力的な作品がたくさんあります。優しく、心がじんわり温かくなる謎解きを堪能してください。

急遽家業を継いだ大学四年生の新井和也（カズ）。クリーニング業を営む中で、お客さんから預かった衣類から謎解きが繰り広げられるストーリーです。お客さんとのやりとりから成長していくカズの姿や、友人との関係は、読んでいて応援したくなります。

クリーニングの知識や技術も細やかに描かれており、普段は知らないクリーニング店の舞台裏が垣間見られるのも面白いポイントです。収録されている『続編 ゴルフ帰り同盟』では、少しだけ大人になった登場人物たちと再会できます。

坂木司さんの作品のファンになったら、新作が気になりますよね。新作は『ショートケーキ』で、2022年4月8日に発売されています。

ショートケーキをめぐる物語が描かれた本作は、ケーキ屋さんとして売る立場の男性、女の子のお客さん、思い出のケーキを語る母など、さまざまな角度からストーリーが展開されていきます。和菓子シリーズと同様、垂涎ものの作品となっています。

坂木司さんの小説に出てくる登場人物たちは、気持ちのいい人ばかりで読んでいて温かい気持ちにさせてくれます。謎を解きながら、こんなにも人の成長や優しさを感じられるミステリーはなかなかありません。読了後に、元気をもらえる坂木司さんの世界観をぜひ味わってください。

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