コンプレッサー・エアブラシセットおすすめ8選｜静音タイプは？

プラモデルのコンテストや模型雑誌に登場する作品には、いつもその完成度に驚かされます。完成度の高い作品を作る上級者は塗装が上手いだけでなく、エアブラシを使用している場合が多いです。ただ、エアブラシはエアコンプレッサーを使うので、音がうるさくならないか心配です。

最近は静音性の高いエアコンプレッサーも多く、軽量・小型タイプもあるので初心者でも手が出しやすくなっています。エアコンプレッサーが付属するエアブラシセットもあります。ただ、エアブラシはタミヤやクレオスなど多数のメーカーが販売しているので、自分に合ったものを選ぶのは大変です。

そこで今回は、エアコンプレッサー・エアブラシセットの選び方やおすすめ8選をまとめました。揃えておくと重宝するアイテムもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

エアブラシコンプレッサーセットは、塗料とエアーを吹き出すハンドピースとエアーを供給するコンプレッサーがセットになった商品です。コンプレッサーは、エアーの供給源となる代表的な機器です。

現在は小型軽量なコンプレッサーもあり、静音性の高い充電式のタイプもあります。エアー缶と呼ばれる缶タイプも存在します。コンプレッサーのタイプによって、メリット・デメリットがあるので特性を理解して選びましょう。

ダブルアクションは、2段階の調整が可能なタイプです。ハンドピース上部のボタンでエアーの吹き出し量が調整し、ボタンを押した状態で後ろに引くと、塗料の吹き出し量を調整できます。ボタンの押し具合や引き具合で、塗装量を細かく調整できるので、細かい作業から広い範囲の塗装まで、幅広い対応が可能です。

シングルアクションは、ハンドピース上部のボタンを押すとエアーと塗料が一定の割合で吹き出します。塗料の吹き出し量を増やしたい場合は、ハンドピースの後ろ部分にあるダイアルを回します。

シングルアクションは、広い範囲を塗装する作業に向いています。塗料の吹き出し量の微調整は難しいため、細かい表現には向いていません。ダブルアクションと比較して安価である点もポイントです。

トリガーアクションは、ハンドピース下部にあるトリガーを引いて、エアーと塗料の吹き出し量を調整するタイプです。ダブルアクションやシングルアクションに比べて、長時間の作業で疲れにくい特徴があります。

トリガーの引き具合で、ある程度の塗料の吹き出し量を調整できますが、ダブルアクション程の微調整は難しいです。

エアブラシのノズルの口径ですが、0.2mm・0.3mm・0.5mmの3種類が一般的です。口径が小さいほど塗料の吹き出し量が少なく、大きいほど塗料の吹き出し量が多くなります。口径ごとの用途の目安は以下の通りです。

• 0.2mm：ネイルアート向きで、キャップがクラウン型だと爪に近づけてもキレイにできる
• 0.3mm：細吹きがしやすいので、模型などがキレイ塗装できる
• 0.5mm：素早く塗装できるので、広い範囲を単色で塗るのに便利

0.3mmが、最も汎用性に優れています。0.3mmを選んでおけば、さまざまな用途に使用できて便利です。

一体型は、ハンドピースと塗料カップが一体化したタイプです。一体型は塗料カップが比較的小さいため、取り回しがしやすいです。構造もシンプルなため、掃除もしやすいです。デメリットとして、塗料の色を交換する際、塗料カップの掃除が必要となります。

分離型は、塗料カップがハンドピースとは独立しているタイプです。塗料カップを複数用意すれば、異なる色の塗料を短時間で使い分けて塗装できます。大容量の塗料カップを使用すれば、広範囲の塗装にも対応できます。塗料カップとハンドピースの接続部分に塗料が残りやすく、掃除をする際に手間がかかります。

ドロップ式は、塗料を入れるカップがハンドピース上部や横に付いているタイプです。重力で塗料をハンドピース内部に送るメカニズムで、重力式とも呼ばれています。構造が単純で、メンテナンスはしやすいです。ただし、カップ自体は比較的小さいため、塗料の補充はこまめに行う必要があります。

吸い上げ式は、塗料を入れるカップがハンドピース下部に付いたタイプです。カップがノズルの下に位置しているため、重力式より少しだけ取り回しにくいです。塗料カップは取り外し式が多く、塗料の色の交換が容易に行えます。

また、塗料カップも大きいサイズのものも使用可能なため、大量の塗料の吹き付け作業にも向いています。

先細タイプは、ハンドピースのノズル形状が細くなっているタイプです。吹き出すエアーと塗料を、細くなったノズルが中心に集めるため、特定の部分のみ塗装したい場合や、塗り分けをしたい場合などの細かい作業に向いています。

広口タイプは、ハンドピースのノズル形状が広くなっているタイプです。塗料とエアが広範囲に吹きつけられます。そのため、細かい作業ではなく、広い範囲にすばやく塗装したい場合や、均等に塗料を吹きつけたい場合に適しています。

クラウンタイプは、ハンドピースのノズル形状がクラウン(王冠)のように加工されているタイプです。広口タイプの改良型に位置するタイプで、ノズルから噴出されるエアーを整流させる効果があります。

広口タイプは塗料がノズルに溜まった状態で噴出し、塗料の飛沫が飛んでしまう場合があります。クラウン型は、塗料の飛沫が飛ぶのを防止します。

コンプレッサーはエアブラシ用以外にも使用するので、送り出す空気の圧力を調整できるタイプがほとんどです。エアブラシ用として使用する場合、ノズル口径によって空気圧力を調整します。

汎用的な0.3mmのノズル口径の場合、0.05MPa〜0.1MPaぐらいに調整するといいです。また、ガンプラやプラモデルのトップコートに使用する場合は、0.08Mpa程度あれば対応できます。

口径の大きなノズルを使用する場合、圧力を強くする必要があります。コンプレッサーを購入する際は、空気圧力も考慮しましょう。

コンプレッサーは、連続で使用可能な時間に制限がある場合があります。人によって作業時間は異なりますが、目安として約1時間程は連続使用できるタイプがおすすめです。連続使用時間に制限のないコンプレッサーもありますが、購入する際には、連続使用時間も考慮しましょう。

コンプレッサーは使用する際、作動音がします。エアブラシ用として使用する場合、主に住宅内での使用が想定されます。夜間帯などに作業する場合、作動音が騒音にならないように配慮が必要です。

静音タイプのコンプレッサーは、45～48デシベルが目安となります。60デシベル以上になると、掃除機と同じくらいの騒音となります。コンプレッサーの購入を検討する際は、作動音も考慮してください。

エアブラシは、メーカー・ブランドの特徴がはっきりしています。自分に合ったエアブラシを選ぶなら、メーカーの特徴に注目するのもおすすめです。メーカーごとの特徴は以下の通りです。

• タミヤ：プラスチック塗装やホビー制作に最適、バリエーション豊富で塗料とセットで揃えられる(エアブラシセットも販売)
• GSIクレオス：種類が豊富で初心者から上級者まで自分に合ったものを見つけやすい
• エアテックス：小口径で小回りの利くものが多く、アートやデザインに使いやすい
• アネスト岩田：業務用やハイスペックなものが多い

ここまでエアブラシ用のコンプレッサーを購入するためのポイントをご紹介してきました。中には、すでに別の用途でコンプレッサーをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。別用途のコンプレッサーでもエアブラシ用として使用可能ですので、接続例をご紹介します。

1. フィルター付きレギュレーター、内ネジ取り付け用プラグ、異径中間ニップルソケットを用意する
2. コンプレッサー → フィルター付きレギュレーター → 内ネジ取り付け用プラグ → 異径中間ニップルソケット → エアブラシ用エアーホース の順番で接続する

これで、別用途のコンプレッサーをエアブラシ用のコンプレッサーとして使用可能です。(詳しくはインターネット等で調べてみてください。)

一般的なコンプレッサーの寿命は、約5～10年程といわれています。コンプレッサーの使用頻度によって、寿命は変化します。寿命を延ばすには連続使用時間を超えないようにし、定期的なメンテナンスを行いましょう。コンプレッサーを使用する際は、製品ごとの制限事項に十分気を付けけてください。

エアブラシを使用する際、他にも用意しておいたほうがいいアイテムがあります。ここではその一部をピックアップしてご紹介します。

• 塗装ブース　　　　：　空気中に舞う塗料の粒子を吸引して拡散を防ぐ
• スタンド　　　　　： 　自立が難しいハンドピースから手を放す際に便利
• マスキングテープ　：　エアブラシでも難しい塗り分けの際に便利
• 持ち手　　　　　　：　すべてが塗装対象となる際、塗れない箇所を最小にできる
• 防毒マスク　　　　：　空気中に舞う塗料の粒子を吸い込むのを防止
• メンテナンスセット：　使用後のエアブラシの掃除時間を短縮できる

今回、エアブラシコンプレッサーセットを選ぶ際のポイントとおすすめの商品をご紹介しました。エアブラシは、手塗りよりもはるかに効率がよく、完成度もぐっと高くなるおすすめのアイテムです。ぜひこの機会に手に入れて、塗装の上級者の仲間入りをしましょう。