オイルランタンの火の消し方・使い方は？｜残ったオイルはどうする？

街の喧騒から離れた空間で非日常的な時間を過ごせるキャンプ。特に暗がりの中でゆったり過ごせる夜は、リラックスがより深まります。そんなキャンプの夜に欠かせないアイテムがランタンです。

近頃では扱いが簡単なLEDランタンが主流となりつつありますが、オイルランタンも魅力的です。炎がゆらめき雰囲気たっぷりのオイルランタンを使ってみたいと思う方も多くいます。初心者にとっては扱い方や消し忘れをしてしまった時などのことを考えて不安を覚える方も多くいるようですが、ガソリンランタンなど上級者向けのものとは違い実は複雑な操作もいらず、意外と簡単に使えます。

この記事では、オイルランタンの仕組みから基本的な使い方・消し方まで初心者にもわかりやすく解説します。オイルランタンのおすすめメーカーや、「芯が焦げるときはどうする？」「室内で使える？」といった疑問についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ランタンには次の4種類があります。

• LEDランタン
• ガスランタン
• ガソリンランタン
• オイルランタン

このうちオイルランタンは、油に火を点けるタイプのランタンです。灯油またはパラフィンオイルを燃料として使います。

LEDやガスに比べると明るさは劣るものの、キャンドルのような温かみのある炎が魅力です。デザインもレトロでおしゃれなものが多いため、雰囲気重視で選ばれる傾向があります。燃料を入れて着火するだけで使えるので、加圧が必要なガソリンランタンよりも扱いは簡単です。

ホヤとは、ランタンの炎を風などから守るカバーのような部位のことです。ランタンの上部にあるリングを持ち上げると、固定が外れてホヤが開けられるので、その下の燃焼部であるバーナーを回して取り外します。

このとき、ホヤの内部が煤で汚れていたら掃除しておきましょう。キッチンペーパーなどで優しく拭きます。汚れがひどい場合は、ホヤを取り外して丸洗いも可能です。ただしホヤはガラス製のため、落下には気を付けてください。

バーナーを取り外したら、挟まっている芯の先をカットして整えます。これは芯の形によって炎の形が変わるためです。両サイドの角を落とすようにカットし、先の丸い三角形のような形にします。

芯に角があるままだと炎にも角が立ち、炎の幅が広くなってホヤに過度の熱が加わってしまう場合があります。逆に角を切り過ぎて芯を鋭角にしてしまうと、炎の先が細くなり、明るさが足りなくなります。

上記2までの手順はキャンプに行く前にやっておき、キャンプ場に付いたらランタンに燃料を入れましょう。ランタンの土台部分に燃料タンクのキャップがあるので回して開け、こぼさないように気を付けながら燃料を入れます。

燃料タンクを満タンにした場合、燃焼時間は20時間程度が一般的です。燃料をあまり入れすぎるとキャンプ中に使いきれません。燃料が残ったら、抜いてからランタンを持ち運ぶようにしましょう。

燃料を入れたらすぐに着火せず、30分以上待って芯に燃料を染み込ませましょう。その前に着火すると、芯が焦げてしまいます。準備ができたらホヤを動かすレバーを下げてホヤを持ち上げ、バーナーを露出させます。

そこにライターなどの火を近づけて着火し、火が点いたらホヤを戻して完了です。なお、火力の調整は芯を上下に動かすレバーを回して行います。芯を出すほど炎は大きくなりますが、やり過ぎると煤が出やすいので加減しましょう。

火力を調整するレバーを回して、芯への酸素の供給を止めて燃焼を終わらせる仕組みです。芯を引っ込めると火が弱まるので、これを消えるまで行います。このとき、芯を引っ込めすぎてバーナーから外れてしまわないように気を付けましょう。タンクの中に落ちた芯を取り出して装着しなおすのは、手間がかかって面倒です。

より原始的な方法として、息を吹きかけて消す方法もあります。着火のときと同じように、ホヤを動かすレバーを下げてホヤを持ち上げ、下にできた隙間に息を吹きかければ消火完了です。

この方法なら芯を引っ込めすぎて落とす心配がありません。もしくは、芯をある程度引っ込めて火を小さくしてから吹き消しましょう。ただし、芯を引っ込めるやり方のほうが確実に消化できます。

ここからは、ランタンの主な燃料であるパラフィンオイル・灯油の2種類について解説します。両者の違いやそれぞれの特徴を理解し、使用してください。

パラフィンオイルは、引火点が95℃以上と揮発性が低く、初心者や石油燃料が苦手な方でも扱いやすいのが特徴です。ろうそくのろうを原料としており、すすが出にくく、においもごくわずかです。ただ、1Lあたり1,000円以上と高価であり、灯油に比べると明るさが劣ります。

灯油は白灯油・ケロシンとも呼ばれ、ストーブなどに使われているなじみある燃料です。引火点は40℃以上で、ガソリンよりも揮発性が低いのが特徴です。1Lあたりおよそ100円と安価ですが、石油独特のにおいがあり、すすが出やすく、またガソリンスタンドでなければ購入できません。

キャンプ用品の総合ブランドとして有名なキャプテンスタッグ。テントから食器まであらゆるアイテムを幅広く扱っています。リーズナブルな価格ながらしっかりとした造りで、コスパに優れた製品が人気を集めています。

キャプテンスタッグのオイルランタンもお手頃価格で、初めてでも手を出しやすいです。小サイズから中・大サイズまであるので、スタイルに合わせて選べます。ブロンズの色合いとアンティーク風のデザインもおしゃれです。

カメヤマは大阪にある国内最大手のろうそくメーカーで、世界的にも有名です。バースデーキャンドルや冠婚葬祭用のろうそくなどを取り扱っています。ランタンや虫よけキャンドルといったアウトドア用品も展開しています。

カメヤマのオイルランタンは、老舗のろうそくメーカーが出しています。シンプルなつくりのため手入れがしやすく、価格も抑えられています。買い替えや消耗品の購入がしやすいところも、大手メーカーならではの心強いポイントです。

コールマンはアメリカのアウトドアブランドです。特にランタンが有名で、キャンプ用のランタンの定番として挙げられるほどです。ガソリンランタンをはじめ、ガスランタン・LEDランタンなど豊富なラインナップを揃えています。

コールマンのワンマントルランタンは、1914年に発売されたモデルを受け継いだ、レトロで高級感のあるデザインが魅力です。明るさもパワフルで、ワンランク上の灯りを楽しめます。

オイルランタンの芯にオイルが染み込んでいない状態で火を点けると、芯は焦げてしまいます。芯が焦げてしまう原因は、主に次の4つです。

• 芯を外に出し過ぎている
• オイルの量が足りない
• 芯が短くて燃料に届いていない
• 燃料を入れてすぐに火を点ける

初心者に最もありがちなのが4つ目です。着火方法の項でも触れたように、燃料を入れたら芯にオイルが十分染み込むまで待つ必要があります。早く火を点けてみたい気持ちはわかりますが、ここはこらえましょう。

室内でのオイルランタンの使用は危険です。LEDランタンと違って本物の火を点けるため、ランタンを倒したときなどに火事の恐れがあるからです。また、室内のような換気が不十分な場所で火を使うと、一酸化炭素中毒の危険もあります。

どうしても使いたい場合は、次の4つに気を付けましょう。

• 窓などを開けて空気が通る状態にする、またはこまめに換気をする
• 使用はなるべく短時間にする
• 倒れないよう安定した場所にランタンを置く
• 一酸化炭素チェッカーを用意する

オイルランタンを使用した後に残ったオイルは、抜き取る必要があります。ランタンによっては燃料が完全に密閉できていない場合があり、隙間からオイル漏れした際に爆発や火災の可能性があるためです。ランタンから直接容器に戻すか、しっかりとスポイトや注射器などで抜き取ってください。

芯の交換方法については以下のとおりです。

1. ランタンの上部を引っ張り、ホヤを倒す
2. 芯・バーナー部分を取り外す
3. 火力調整ハンドルを回してバーナーから古い芯を取り出す
4. 新しい芯の先端を台形にカットし、点灯しやすくしたものを1センチ程度出してバーナーに取り付ける
5. 芯の下側をタンクに入れてバーナーに取り付ける

芯であればどれでもはまるということはなく、それぞれ適合サイズがあるため、事前の確認が必要です。また、交換時期の目安はオイルに浸かる芯の部分が短くなり、タンクの底に芯がつかなくなったタイミングです。

オイルランタンはLEDランタンにはない温かみのある光で、リラックスできる雰囲気を演出できます。使い方・消し方もすぐに覚えられるので、ぜひキャンプに取り入れてみてください。ただし、火の取り扱いには十分注意しましょう。