電子ピアノのおすすめ15選！買ってはいけない電子ピアノ｜初心者向け・上級者向けも

音楽教室だけでは練習できる時間が限られているので、自宅でピアノを弾きたい・家にピアノを置きたいとお考えの方は少なくありません。しかし、多くの場合は予算・スペースといった制約に阻まれるもの。そんな問題を解決できるのが電子ピアノです。

打楽器は近所迷惑になりがちですが、電子ピアノであれば簡単に騒音対策できるため、マンションでの使用にも適しています。安価でコンパクトな電子ピアノは、初心者から上級者向けまで幅広い製品が存在するので、商品選びで迷う方も多いですよね。

そこで本記事では、電子ピアノの選び方について解説した上で、おすすめ商品15選をご紹介します。買ってはいけない電子キーボードに関する情報もまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

電子ピアノは、アコースティックピアノを模して設計された電子楽器です。基本的な鍵盤・音階の要領はピアノと同じで、打鍵をトリガーとして電子音を生み出し、内蔵のスピーカー経由で出力します。

アコースティックピアノと比べてコンパクトなだけでなく、卓上タイプ・折りたたみ式のスタイルもあり設置・撤去が簡単。電子機器ならではの機能性を活かし、目的に合わせて録音・ヘッドホン接続・スマホ連携といった柔軟な使い方も可能です。

電子ピアノがアコースティックピアノと異なる点をまとめると、下記の通りです。

≪主なメリット≫

• 価格がリーズナブル
• コンパクトでスタイルも豊富
• 設置・撤去が楽
• 騒音対策が容易（ヘッドホン接続・ボリューム調節など）
• 機能が豊富（録音・音色変更・Bluetooth接続など）

≪主なデメリット≫

• 動作に電源が必要
• 本物のピアノに近い音色の機種ほど高額

電子キーボードと電子ピアノはよく似た外観ですが、本質的には別の楽器です。電子ピアノはアコースティックピアノに近い音を出力するコンセプトで設計されているのに対し、電子キーボードの音色はピアノ主体ではありません。

また電子キーボードにはタッチの加減による強弱の概念が存在しないため、鍵盤に触れただけで発音します。以上の理由により、両者の使用感は大きく異なります。

初心者・子供には5万円未満の電子ピアノが適しています。安い機種なら1万円台で見つかるほか、探し方次第で88鍵盤タイプも購入可能です。ただし製造コストの都合上、鍵盤の素材はプラスチック製が多いため、本格的なタッチを追及する方には不向きです。

5～10万円の電子ピアノは大人の初心者におすすめです。仮に初心者でも、大人としては子ども向けの廉価機種は避けたいところです。一方で、最初から高級モデルを買うのは気が引けるもの。木製鍵盤の機種も選べる5～10万円の電子ピアノは、上記のようなジレンマを解決するのにぴったりです。

電子ピアノも10～20万円クラスともなると、木製鍵盤・スタンド・ペダル付きの本格仕様がスタンダードです。アコースティックピアノと比べればコンパクトながら、本物に近いスタイルの機種を選べます。また同時発音数は64音以上が大半で、音色のバリエーションも廉価機種と比べて豊富です。

中・上級者には20万円以上の電子ピアノがぴったりです。スタンド・ペダル付きのスタイルに加えて、鍵盤の仕様もグランドピアノさながらのハイブリッドタイプの機種を選べます。また同時発音数も128音～無制限までと豪華な上、モデリング音源搭載・Bluetooth接続といったオプション機能も豊富です。

プラスチック鍵盤は手軽さ・低予算を最優先する方に適したタイプです。エレクトーンのようにわずかな力で簡単に弾けるため、主として初心者・子供に適しています。注意点としては打鍵の力による音の強弱をコントロールしにくく、繊細な演奏表現には不向きです。

木製鍵盤はアコースティックピアノと同様、鍵盤に木材を採用したタイプです。木製鍵盤ならではの重み・質感は共通のため、適切な打鍵力を養うのにおすすめ。コンクール・発表会などアコースティックピアノを演奏する機会に向けて自宅で練習したい方にも適しています。

ハイブリッド鍵盤は木材と樹脂を組み合わせた最新の鍵盤タイプです。グランドピアノ・アップライトピアノの構造を再現する思想で設計されているため、本物のタッチを追及する上級者に適しています。

ちなみに呼称はメーカーによって異なり、「グランドタッチ鍵盤」「グランド・フィール・アクション」などいくつかに分かれますが、概要は同じと考えて構いません。

スタンダードの電子ピアノはアップライトピアノのスタイルをコンパクトに落とし込んだタイプです。一般的にアップライトピアノの横幅が150cm程度であるのに対し、スタンダードの電子ピアノはおおよそ140cm程度。日本の住宅事情に合わせつつ、本格的な演奏を楽しめるスタイルです。

卓上ピアノは脚が付いておらず、テーブルに置いて使えるスタイルです。テーブルの高さによらず扱えるため、ローテーブルやこたつと組み合わせてもOK。88鍵盤でも横幅130cm程度で収まるため、スタンダードタイプよりコンパクトな機種をお探しの方にもおすすめです。

ペダル付きはスタンダードタイプをベースに、ペダルも備えたスタイルです。電子ピアノのペダルは後付け・外付けも可能ですが、ケーブルが増えて煩雑になりがち。見た目も美しくありません。

ペダル付きタイプなら標準装備で見た目にもスマートな上、音質・相性などの心配も不要です。なお、中級者以上はペダル3つタイプを選びましょう。

ピアノ本来の鍵盤数は88鍵ですが、初級～中級レベルの楽曲だと88鍵すべてを使いこなす必要性はありません。そのため、最初は61鍵の電子ピアノからスタートするのも有効な選択肢です。

61鍵の利点としては、横幅の張り出しが少ない分コンパクトに扱えます。また最近は88鍵との価格差が縮まっているとはいえ、やはり61鍵の機種の方が低額です。

88鍵はアコースティックピアノと同じ鍵盤数を網羅したタイプで、上級者・ピアノの先生など高度な楽曲を演奏する方に適しています。61鍵の機種と比べて横幅を取るものの、卓上タイプも存在します。また折りたたみタイプもあるため、目的や環境に合った商品を選びましょう。

一般的な電子ピアノの音色はサンプリング音源と呼ばれ、アコースティックピアノの音声データを録音・サンプリングする要領で生成されています。一方、モデリング音源搭載タイプはデジタル技術を利用し、電子データ上での演算に基づいてピアノの音色を再現する仕組みです。

モデリング音源搭載タイプならアコースティックピアノの発音原理をシミュレートし、より豊かな響きや立体感を表現できます。ただし搭載機種は相応に高額です。

音色切り替え機能は、電子ピアノの鍵盤をタッチした際に生じる音色を変更する機能です。オルガンのほか、ギター・フルート・パーカッションといった鍵盤楽器とは異なる楽器の音も再現できます。

高額な商品ほど各楽器の原音に近いリアルな音色を出しやすいため、ピアノ以外の音色も楽しみたい方はぜひチェックしましょう。

録音機能は、電子ピアノ上で演奏された内容を音声データとして記録する機能です。演奏内容を客観的に把握できるため、セルフチェックに役立ちます。なお音声データの記録媒体はUSBメモリが一般的ですが、機種によってはスマホ連携を利用してDropboxへのクラウド保存も可能です。

Bluetooth接続できる電子ピアノなら、スマホ連動機能を活かしてストレージ内の音源を再生できます。たとえば、ピアノの先生が弾いた曲を手本として再現したり、専用アプリ経由で本体内蔵の曲を演奏させたりといった操作も可能です。

保存した音楽ファイルを再生する、音楽自動再生機能が付いた電子ピアノの中には、曲に合わせて鍵盤が光るモデルもあります。譜面だけでは演奏するのが難しい方でも楽に弾けるようになるので、演奏経験の少ない初心者や子供におすすめです。

なお、Bluetoothの動作にはバージョンの新旧が関係するため、手持ちのスマホのバージョンとの相性も確認するようにしましょう。

ヘッドホン端子付きの電子ピアノなら、手持ちのヘッドホンを接続して演奏可能です。接続中は本体スピーカーからの音声出力がシャットアウトされ、ヘッドホンからの出力に切り替わります。

周囲への音漏れがほとんど生じないため、集合住宅での演奏もOK。夜間・早朝に練習したい場合にもぴったりです。

同時発音数は、呼称の通り一度に奏でられる音の数です。音切れをなくしたい場合や連弾を想定する場合は、少なくとも同時発音数が64音以上の機種を選びましょう。

ちなみに電子ピアノの歴史を辿ると、16・32・64音といったように性能の向上に伴って同時発音数も大きくなっています。2015年までは256音が最大数でしたが、ローランド社が同時発音数無制限の機種を発売。電子ピアノの可能性を大きく広げました。

スピーカーの数は音声出力のチャンネル数です。電子ピアノに備わったスピーカーの数が多いほど音の表現も多様になるほか、音像も立体的に表れます。市販品を選ぶ際の目安としては、スピーカーの数が4機以上の機種を選ぶのがおすすめです。

キーボードスタンドは、卓上ピアノのように脚の付いていないタイプのオプション用パーツです。本体にスタンドが付属しない機種の場合は、購入する電子ピアノの機種に対応したスタンドを選ぶ必要があります。

キーボードスタンドを利用するメリットとしては脚の角度を簡単に変えられるため、スタンド全体の高さ調節も容易です。

防音マットは、主として床に伝わる音を軽減するためのアイテムです。集合住宅では必須で、騒音トラブルを避けるためにも近隣への配慮は欠かせません。特にペダル付きの電子ピアノを演奏する際には効果大。ペダルを踏み込む音が緩和されます。

買ってはいけない電子ピアノとは、一言で表せば希望や条件に合致しない商品です。いい電子ピアノを見つけるためには、価格・サイズ・鍵盤数・機能・ペダルの有無といった商品の仕様と、予算・置き場所・演奏技術といったユーザー側の条件がうまく噛み合う必要があります。

希望や条件がミスマッチの場合、どんなにいい商品を選んでも不都合が生じるもの。就職活動のように構える必要はないものの、商品購入の事前に簡単な自己分析を済ませておきましょう。

電子ピアノの特筆すべき魅力は、何と言っても間口の広さです。アコースティックピアノと比べて敷居が低く初心者でも気軽に扱えるほか、機種によっては上級者が自宅で練習する場合にも十分対応できます。本記事を参考に、ぜひ自宅で気軽に弾ける電子ピアノを満喫してください。