セルフカラーにおすすめのサロン用カラー剤7選｜美容室で使われるヘアカラー剤とは？

ドラッグストアでは数多くのヘアカラー剤が販売されていますが、それらは美容室で使われているものとは異なっています。美容室ではサロン用や業務用などが使われ、一般のドラッグストアでの取り扱いはありません。

しかし、Amazonや楽天市場・Yahoo!ショッピングなどではサロン用カラー剤が多く販売され、安く手に入ります。もし、サロン用カラー剤が使えれば、美容院へ通う時間も不要で、しかもお財布に優しいサロン並みの仕上がりになります。

そこで、今回はサロン用カラー剤を使ったセルフカラーができるように、カラー剤の量や選び方から使い方までを紹介します。また、たくさんあるサロン用カラー剤の中から白髪染めなどおすすめの商品を紹介します。

髪の表面はうろこ状のキューティクルに覆われ、その内側にコルテックスと呼ばれるメラニン色素が含まれた部分があります。ヘアカラーはコルテックスに含まれる髪色を脱色し、新しい色を着色します。

着色するにはキューティクルが邪魔です。まずはキューティクルをアルカリの溶液に浸してうろこを開き、薬剤をコルテックスに届かせます。そこで、過酸化水素水をメラニン色素に働かせ髪の色を脱色し、染料で着色していきます。

美容室でのへアカラーとセルフヘアカラーの違いを、「薬剤の違い」と「技術の違い」に分けて紹介します。

健康な髪は弱酸性で、髪表面のキューティクルが閉じた状態です。それを開くために1剤に含まれるアルカリ成分を使います。サロン用にはアルカリ成分に揮発性の高いアンモニアが使われ染色後はほとんど残りません。

一方、市販のものは刺激臭のない揮発しにくい成分が含まれ、染色後も残り髪や頭皮にダメージを与えてしまします。

2剤に含まれる過酸化水素水は髪の脱色や着色に必要な成分で、薬事法で濃度6％以下と定められていています。サロン用の製品には過酸化濃度の異なる2剤が用意され、髪に合わせて使い分けできます。一方、市販の2剤はどのような髪でも効果が表れるように、ほとんどの製品で最大の6％が使われています。

市販のカラー剤は誰でも髪染め効果が出るように染料が多めに含まれています。一方、サロン用は髪質に合わせた必要量のカラー剤で、何十から何百種類の色から選んで髪染めができます。美容師は希望の色を選び、最小限のカラー剤で髪や頭皮のダメージを軽減しながら髪染めを行っています。

当然ながら髪染めのプロである美容師は、長い経験と知識で高い技術を持っています。どんなところが違うのかを知り、セルフカラーでも役立てましょう。

髪の質や元々持っている髪の色合いは、同じ様に見えても人によって微妙に違っています。それによって、違う人で同じカラー剤を使っても着色後の色合いが異なり、その人の希望の色合いでなくなってしまいます。

そこでプロの美容師はその人の髪質を見て、着色した時に希望の色になるようにカラー剤を調合して髪を染めています。

プロの美容師は髪質以外にも、ベースの髪色・カラーリング履歴・現在のダメージなども勘案して施術方法を決めています。たとえば過酸化水素水も髪の根本は6％、毛先は3%にするなど部分で調整しています。

また施術前の髪はよく見ると部分で色が微妙に違っていて、部分ごとわずかに異なる色で調整しているのでバランスのいい髪色に仕上げています。

セルフカラーを上手に使えばきれいな髪染めができます。しかし、セルフカラーに向いてい方と向かない方がいますので、向いていない方は美容院での施術がおすすめです。

前髪だけを染めたり、部分的に色を入れたりしたい方、または伸びてきた髪の根元だけ染めたい方など部分的に染めるにはセルフカラーは適しています。また、髪全体のトーンダウンはできますが、現在より大きくトーンアップするのは難度が高くなり、自分1人でするのはやめた方が得策です。

下記の方はセルフカラーでなく、美容院でのカラーリングがおすすめです。

• 初めてカラーリングされる方（失敗が許されない）
• 髪が肩より長い方（塗りムラが出やすい）
• 髪の毛の傷みがひどい方（ケアを優先したヘアカラーがおすすめ）
• カラートリートメントやヘアマニキュアをしている方（きれいに染まらない可能性がある）

セルフカラーで失敗して美容院で修正してもらうとかえって余分な手間と出費がかかります。

カラー剤を選ぶ時には色はもちろん、その色の明るさも選ぶ必要があります。学生であれば許される色やトーンも職場では適さない場合もあります。TPOに合わせたカラー選びをしましょう。

色選びで最も大切なのは、仕上がりのイメージです。その際に髪色だけでなく、髪型や顔も含めてイメージしてみましょう。自分の顔写真から髪の色を変えてイメージできるヘアカラーアプリなどを参考にするのも一つの方法です。また好みのファッションやライフスタイルも考えながら、似合うカラーを選んでみてください。

ハイトーンほどトーンの数値は大きく、日本人の黒髪は4～5トーンが普通です。多くの人が見ても違和感がないのは6～7トーンで、職種や職場の雰囲気などによっても異なりますが社会人で多く見られるのは8～9トーンです。

ただし、同じトーンでも髪の細い方や柔らかい方は明るく見ます。また、暖色系より寒色系の色の方が明るく見えます。

カラー剤には有効期限があり、いつまでも保存できるものではありません。その期間は製品によって異なり、一度開封すると劣化は急速です。ですので、1回分だけの購入がおすすめです。ただし、途中で不足して少量で施術するのはムラの出る原因になるので、少し余らせる程度が適量です。

白髪染めなどの部分染めであれば小容量のものを選びましょう。

ヘアカラーでは髪へのダメージが気になります。髪へのダメージの主な原因は髪の脱色（ブリーチ）で、脱色する限りは大なり小なり髪へのダメージは避けられません。寒色系カラーはしっかりとしたブリーチが必要でダメージは大きいです。中にはウエラのイルミナカラーのようにブリーチなしで透け感の出る製品もあります。

カラー剤の他に下記のものを用意しましょう。

• カラー剤を塗るためのハケ（プロ用でも安価に購入できます）
• 1剤と2剤を入れるカップ（お家にあるもので代用できます）
• ビニール手袋（カラー剤が手につくのを防ぎます）
• ヘアカラー用クロス（カラー剤が皮膚や服に付くのを防ぎます）
• はかり（1剤･2剤を計量します）
• 油性クリーム（顔周りの皮膚の染色を防ぎます）

他にも、耳キャップなどがあると施術しやすいです。

【サロン用ヘアカラーを使って自宅で染める手順】

1. 1剤と2剤を1：1で混ぜる。（目安／男性のショート：各30g、肩くらいのショート：各50～60g）
2. 皮膚と髪の境目に油性クリームを塗る。（皮膚が染まるのを防止）
3. カラー剤を塗る。（染まりにくい順がおすすめ／襟足→後頭部→サイド→頭頂部→前髪）
4. カラー剤が残ったら全体に塗る。
5. 手で全体に揉み込む（染めムラを防止）
6. コーミングする。（櫛で髪全体をとく、オールバックにする要領）
7. 30分放置
8. 乳化させる（少し髪を濡らし2～3分揉み込む、省略されがちですが重要ポイントです）
9. シャンプーする。（薬剤をしっかり落とすために最低2回）

セルフカラーなど慣れないと薬剤が飛び散り、服や床を汚してしまうケースがよくあります。また、汚さないように気を付けているとカラーリングがおろそかになるので、事前に汚れてもいいように対策をしておきましょう。

服の汚れ防止にはヘアカラー用クロスが重宝します。床は施術する周辺にシートを敷いておくのがおすすめです。

ヘアカラーでアレルギー反応を起こす方もいます。そのため、施術48時間前に必ずパッチテストを実施しましょう。以前は異常が出なくても、何回目かで初めて異常が出る場合もあります。

方法は1剤と2剤を混ぜ、綿棒などで腕の内側の柔らかな部分に10円硬貨大に薄く塗り、自然乾燥させます。塗って30分後と48時間後の2回の観察で発疹・発赤・かゆみ・水疱・刺激などの異常がなければ大丈夫です。パッチテスト中の入浴やシャワーは控えましょう。

市販の白髪染めは、髪にダメージがかかりやすいのでおすすめできません。きれいに染まっている用に見えても、実は髪の毛はボロボロになっています。もし、自宅で白髪染めをしたい場合はプロが使うようなカラー剤を購入しましょう。業務用のカラー剤を買うときの注意点は、普通のカラー剤と違い1剤・2剤両方用意する必要がある点です。

【量の目安】

• ショート：50～60g
• セミロング：80g（1本分）

【選び方】

• カラーチャートを見ながら、自分の髪色に合わせた色を選ぶ
• カラー剤に書いてある数字は、数字が大きい方が染まりにくい
• しっかり染めたい方は、7以下を選ぶ
• 明るくしたい方や髪の毛が太めの方は、オキシ配合6％
• 暗くしたい方や髪の毛が細い方・ダメージが気になる方は3％

【使い方】

1. 1剤と2剤を1：1で混ぜる
2. 毛先にカラー剤をつける
3. 根元にカラー剤をつける
4. 頭全体にラップを巻いて30分放置
5. お湯を手につけながらカラー剤を揉み込む
6. カラー剤を洗い流す

リタッチ期間ですが、カラーは頭皮に負担がかかります。そのため、リタッチの間隔は最低1ヶ月はあけましょう。

高級アルコール系や石鹸系の高い洗浄力を持つシャンプーはカラー落ちの原因となりますので、洗浄力が穏やかで、保湿力にも優れているアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。特に、ヘアカラー後は髪のキューティクルが開いたままの状態で、色抜けしやすいので、キューティクルを引き締める効果もあるヘアカラー用のシャンプーがおすすめです。

シャンプーでは髪同士が擦れ合ってキューティクルを傷めないようにしましょう。そのためにはシャンプー前に目の荒い櫛で髪のほつれを取り除き、シャンプーは手のひらでよく泡立ててから頭に付ける習慣付けが大切です。また、髪をとく際には毛先から順番にとくと髪の擦れ合いを防げます。

シャンプー後も髪が擦れ合わないように心がけましょう。特にタオルドライでは髪同士に加えてタオルとの摩擦も生じキューティクルを傷めます。タオルドライで頭をタオルで包み込みゴシゴシ擦るのは厳禁です。タオルで髪を挟むようにして、上から押さえたり軽く叩いたりするのがおすすめです。

お風呂上がりから5分以内にドライヤーで髪を乾かすようにしましょう。濡れたままの髪はヘアトラブルの原因になるばかりでなく、フケ・かゆみ・抜け毛などの原因にもなります。ドライヤーで乾かす際には最後まで熱を加えるのでなく、完全に乾く直前でドライヤーを止めて予熱で乾燥させるのがおすすめです。

ミルボンの「オルディーブ アディクシー」は、高彩度の青色がベースとなっているカラー剤です。日本人特有の赤みがかったどんなタイプのブラウンでも薄くするため、暗さや硬さなどを感じさせない透き通るような仕上がりになります。

オルディーブ アディクシーの中でも、「スモーキートパーズ」と「パープルガーネット」は黄味まで薄くするタイプなので、さらに高明度の仕上がりになるのが特徴です。

サロン用カラーでのセルフカラーは市販カラー剤よりも細かな調整ができ、髪のダメージの軽減が図れます。しかも時間もかからずリーズナブルに施術できるのが魅力です。慣れてしまえばそれほど難しくありませんので、お好みのサロン用カラー剤でおしゃれライフを楽しみましょう。