【最高傑作】司馬遼太郎作品おすすめ20選｜必読の代表作も紹介【読みやすい本は？】

時代小説家として人気の司馬遼太郎の魅力は、ストーリーテラーとしてだけでなく史観の提唱者としての才能も持ち合わせているところです。また、有名人だけでなく、世に埋もれた人にもスポットを当てたストーリー性が注目されています。

司馬遼太郎というと日本の歴史小説が多いイメージですが、ファンの間では中国など海外の作品も人気があります。多くの司馬遼太郎作品はドラマ化されており、テレビを通してたくさんの人が作品に触れている点も彼を有名にした理由です。

そこで今回は司馬遼太郎作品の選び方や、代表作・最高傑作などのおすすめ作品20選をご紹介。初心者が読みやすい本も解説します。必読の作品ばかりなので、購入を迷われてる方はぜひ参考にしてみてください。この記事の最後に司馬遼太郎記念館も紹介しています。こちらも確認して、ぜひ訪れてみましょう。

司馬遼太郎さんの本名は福田定一といい、司馬遼太郎は「司馬遷に遥かに及ばざる日本の者（なので太郎）」から来ています。中国前漢時代の歴史家が「司馬遷」であり、中国好きな彼だからこそ、このペンネームができたと思われます。

軍事教育を受けた司馬遼太郎さんは、中国や韓国人と接しているうちに親しみを感じ、中国史だけでなくロシア文学など色んな本を読んだそうです。小学生のころは馬賊などにも憧れを抱いていたため、小さいころから中国に興味があったと言われています。

また、忍者をモデルにした小説を多く執筆していることから「忍者作家」とも呼ばれ、平成8年に亡くなりましたが、死因は大動脈破裂です。私生活においては、二度結婚をし、最初の妻とは離婚、先妻との間に息子がいる事実が判明しています。

司馬遼太郎作品の中には、戦国三部作と呼ばれる『国盗り物語』『新史太閤記』『関ケ原』があります。誰もが知っている英雄を描いた作品であり、外国が舞台となった作品として海外時代劇が好きな人にとっては興味深いものです。

また『項羽と劉邦』も隠された名作であり、司馬遼太郎作品をはじめて読むのであれば、おすすめです。有名な歴史の英雄たちが、どのように苦しき時代を生き延びたのか、頭の中でイメージしながら思い描けます。

世に埋もれていた人物が、司馬遼太郎作品の中で脚光を浴びることもあります。司馬遼太郎作品は数が多く、そういった人物が主人公になった作品もいわずと知れて多く登場しているわけです。

たとえば、『菜の花の沖』『峠、坂の上の雲』『尻喰らえ孫市』などが挙げられます。逆にいえば、司馬遼太郎が作家として誕生していなければ、脚光を浴びることがなく、多くの人に知られることがなかった人物だけに読みがいがあります。

司馬遼太郎作品の中には、1ミリも信念を曲げずに戦った敗者が主人公の作品も数多くあります。悔いの中にある達成感・達成感の中にある悔いを、現代の読者たちが追体験できるのが魅力的です。

敗者が主人公の司馬遼太郎の代表的な作品としては『燃えよ剣』『翔ぶが如く』『世に棲む日日』『夏草の賦』『花神』が挙げられます。最後の最後まで自分の信念を貫き通した気高き者を、司馬遼太郎目線で描かれていておすすめです。

司馬遼太郎といえば、戦国・幕末を描いた作品のイメージが強いですが、平安時代や室町時代を舞台とした小説もあります。義経や空海を描いた物語や、足利義政の御台所日野富子や応仁の乱にスポットを当てた『妖怪』などです。

司馬遼太郎作品の主人公はほとんどが実在の人物ですが、『妖怪』の主人公は架空の人物であり、かなり異色です。解説本もでており、コアなファンの間で支持されています。

「戦国時代」を鮮明に描いた司馬遼太郎作品は、数多くあります。基本は、学校の歴史の教科書に出てくるような有名な登場人物が出てきますが、教科書では描かれていない一人一人の魅力を垣間見れます。

時代の中の勇者といわれる男性像に憧れる女性も多いですが、自分もこうなりたいと願う男性ファンも多いです。展開の1つ1つの内容がとても濃く、熱い戦いの男たちの物語についつい読みふけってしまいます。

司馬遼太郎は、平和が維持されていた江戸後期の小説も書いていますが、決して教科書などには登場しないマニアックな人物に焦点が当てられています。『菜の花の沖』では豪商高田屋嘉兵衛を、『北斗の人』では北辰一刀流の流祖千葉周作を描いています。

司馬遼太郎の歴史観や日本人観を交えながら男の一生が描かれており、主人公の魅力的なキャラクターは読者の心を掴んで離しません。ぜひ一読されることをおすすめします。

司馬遼太郎作品の中には、幕末時代を描いた作品も多く、はじめて読む人におすすめです。その時代の国民の生活などを知れ、当時の思想や生活水準など、歴史の教科書では学べない濃い内容を習得できます。

どんな常識やルールで幕末時代の世の中が回っていたのかなど、日本の歴史に興味がある人にとっては生きた教科書となってくれます。今と違った昔の生活はどんなものだったのか、自分の目で読みこんでみてください。

幕末の物語を堪能したあとは、近代化という目標に向かって、人々が懸命に生きた時代が見られる作品を楽しみましょう。幕末の動乱を乗り越え、時代を切り開いていく明治以降の近代日本の発展や事件を描いた小説の代表作は以下の通りです。

西郷隆盛と大久保利通を軸に西南戦争を描いた『翔ぶが如く』・愛媛松山出身の軍人である秋山兄弟と歌人正岡子規の3人が中心に織りなす青春群像劇『坂の上の雲』・軍神と称えられた乃木希典の『殉死』の3作品です。

司馬遼太郎作品は、昭和時代からのものが多く、時代によって雰囲気がガラッと異なります。たとえば、昔の作品は個性あふれる表現がされていますが、最近の作品はより分かりやすく描かれてるのが特徴です。

中学生や司馬遼太郎作品初心者であれば、分かりやすい最近の作品を選んでみてください。どの作品が古くてどの作品が新しいのか分からないときは、出版日に少し着目してみると、司馬遼太郎さんの文章の雰囲気の違いに気づけるかもしれません。

司馬遼太郎作品は、長編ものもあれば短編ものもあります。自分が読めるページ数で選ぶと、失敗が少ないため、選び方に困ったときは長編小説・短編小説などページ数にこだわってみましょう。

読書にかける時間が長く、とにかくドップリと司馬遼太郎作品に浸りたいのであれば、長編小説がおすすめです。本に親しみがあり、とくに歴史ものに興味がある人にとっては、どんどん読み進められます。

もともと司馬遼太郎作品はページ数が多い傾向がありますが、とても分かりやすく描かれているため、とくに問題がなくスイスイ読める作品です。はじめての人でも本に慣れ親しんでいる人であればあまり気にする必要がありません。

もともとあまり本を読まない人が、司馬遼太郎の長編小説を読むと飽きてしまうかもしれません。そのため、これから司馬遼太郎作品を読みたいと思っている中学生・高校生や初心者は、最初はページ数が少ないほうが読みやすいです。

本の厚みなどでだいたいページ数は把握できますが、より分かりやすく見るには本にページ数が書かれているため、購入する前にチェックしてください。通勤・通学途中の電車やバスの中でサクッと気軽に読めます。

司馬遼太郎作品をページ数や表紙だけではなかなか選べない場合は、口コミなどを参考にしましょう。中でも代表作やベストセラーは人気が高く『燃えよ剣』『竜馬がゆく』はチェックしておくことをおすすめします。

『燃えよ剣』は、反骨精神をもった新選組の土方歳三を描いた最高傑作です。とても冷静沈着で生き様がほかの人とは大きく異なる点が魅力的であり、歴史が好きな人の間でも絶大な人気がある人物としても知られています。

幕末時代の物語で、主人公である公の新撰組副長・土方歳三はもともと喧嘩が強く、厳しい生活の中で反骨精神から新撰組に入ることを決意するところから物語が始まり、弱くもろい素人集団の新撰組を一気に剣豪集団に導いた姿はとてもかっこいいです。

幕末に大活躍した英雄といえば坂本竜馬であり、不器用ながらもまっすぐな関心と優しさが人気の彼を描いた『竜馬がゆく』は必読です。司馬遼太郎作品のなかでも欠かせない作品であり、武勇伝というよりも彼の人柄や恋愛観などが垣間見れて面白いです。

本を読み進めていくうちに、今も昔も変わらない風習の中で、坂本竜馬がどれだけ偉人であったのかが分かります。勉学に置いては塾を追い出されるほどできない人物が、なぜあれほどまでに人を魅了させるのかがキーポイントです。必読必至の作品です。

司馬遼太郎さんの全作品を一気に読みたいのであれば『司馬遼太郎全集』でセット購入するのがおすすめです。全集をセットで購入することで、毎回買う手間が省け、いつでも好きなときに読めます。

もちろん、司馬遼太郎さんの作品すべてがセットになっているため、巻数も多く、値段もグッとあがってしまいますが、本当に司馬遼太郎さんのファンで、いつか全作品を読みたいと思っている人は大人買いをしてみてはいかがでしょうか。

基本的に司馬遼太郎作品を読む順番はありません。どの順番から読んでも楽しむことができます。自分の読みたい内容から読んでいくのがおすすめです。

しかし、どうしても迷ってしまう場合は、本屋さんで表紙を目にして気に入ったものを手に取ってみるのもおすすめです。

作品の内容については、ネットなどで概要欄を閲覧できるため、内容とともに気に入った表紙で選んでみてください。もちろん、表紙だけで選んでしまうと内容で挫折してしまうこともあるため、内容・表紙でチェックしてみましょう。

司馬遼太郎作品を読むと、彼の思想や考えにも興味が湧いてきます。そういった著者の思考やセンスが垣間見られる内容のエッセイや紀行文も多く発表されています。

『街道をゆく』は『週刊朝日』の連載として、1971年から司馬遼太郎が亡くなる1996年まで25年にわたり続きました。国内の街道のみならず台湾・モンゴル・オランダなど、海外にまで及ぶ大紀行です。42巻の『三浦半島記』では、武家政権が生まれた鎌倉時代の歴史をたどります。

歴史小説をいくつか読んだあとに読むと、作品はもちろん、司馬遼太郎という人物の理解も深まります。著作数の多い司馬作品ですが、多くの作品を読もうと思っている方は、ぜひ一読してみてください。

もっと深く司馬遼太郎さんについて知りたい人は「司馬遼太郎記念館」に行くのがおすすめです。司馬遼太郎記念館は、2001年11月に東大阪市の住宅街に開館し、司馬遼太郎さんの自宅と隣接地に建つコンクリート打ちっぱなしの建物として注目されています。

地下1階・地上2階・緩やかな曲線を描くシンプル構造で、雑木林風の庭から司馬遼太郎さんの書斎を間近で見られるのが魅力的です。「感じる」「考える」記念館として、約2万冊の蔵書から司馬遼太郎さんの精神を感じ取れる空間となっています。

今回、司馬遼太郎さんの魅力や思想、さらにおすすめ20選や本の選び方、そして司馬遼太郎記念館について紹介しましたが、いかがでしたか。中学生や初心者の人も、戦国時代や幕末作品から司馬遼太郎の世界観をぜひ、体感してみましょう。