山形のおすすめ日本酒10選｜フルーティーで初心者でも飲みやすい！

日本が世界に誇るお酒といえば日本酒ですよね。近年、日本酒は世界各国で注目を浴びています。全国各地で生産されている日本酒ですが、出羽桜や十四代など名だたる人気銘柄揃いなのが山形県。

上質な日本酒造りに欠かせない豊かな米どころと美しくて豊富な水源が揃う山形県は、日本随一の日本酒どころとなっています。そんな山形の日本酒は飲みやすいものが多く、実は日本酒初心者にもおすすめです。

ここでは、日本酒の選び方をはじめ、山形の酒米の特徴・人気の酒蔵や銘柄・味わい別おすすめの山形の銘柄や入手困難な銘酒についてもご紹介します。また、山形に行ったらぜひ訪れたい日本酒専門店もご紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。

なかなか日本酒にチャレンジしにくいという日本酒初心者におすすめなのが、山形県の日本酒です。高級な銘柄も多い山形の日本酒は吟醸酒が多く、吟醸王国とも呼ばれており、口当たりが良くて透明感のあるさっぱりとした飲み口で飲みやすいのが特徴。

また、吟醸酒ならではのフルーティーで華やかな香りの銘柄が多いのも山形の日本酒の魅力です。今も伝統的な製法で手間暇かけて丁寧に日本酒造りをしている酒蔵が多く、リーズナブルなものから高級なものまで幅広い銘柄が揃っています。

日本酒を飲み慣れている人は山形ならではの酒米で選んでみてはいかがでしょうか。酒米とは、日本酒の原料となるお米のことです。酒米は、日本酒の繊細な香りや味わいを左右する重要な役割を担っています。同じ銘柄でも使用する酒米によって違った味や香りを楽しめますよ。山形オリジナル米も含め、山形の酒米の特徴をご紹介します。

山形のオリジナル米である「出羽燦々」はキレのある飲み口が好みの人におすすめです。山形の日本酒の中でも出羽燦々を100％使用した純米吟醸酒、かつ精米歩合55％は以下、加えて山形酵母と山形のオリジナル麹菌である「オリーゼ山形」を使用している日本酒には、「DEWA33」と明記された称号シールが貼られています。山形産にこだわった日本酒を飲んでみたい人は、称号シールを目印に探してみてくださいね。

出羽燦々の後に誕生した「出羽の里」は「出羽桜」や「上喜元」など山形を代表する人気銘柄の多くに使用されている酒米です。コストパフォーマンスに優れているのが特徴で、精米歩合70％で日本酒ならではの旨味やコクを出すことができます。高品質な山形の日本酒をリーズナブルに楽しみたい人は、出羽の里を使用した日本酒がおすすめです。

「雪女神」は山形県産100％で山田錦などに負けない世界に誇れる高級な日本酒を造るために開発された酒米です。大吟醸と純米大吟醸のみに使用が許可されています。雪女神100％使用、さらに山形酵母の使用しており精米歩合は50％以下の大吟醸または純米大吟醸にのみ「雪女神」の商標名を使用できます。

山形県産のブランド米でおいしい食用米としても知られる「つや姫」で造られた日本酒は、名前の通り艶のある香りと柔らかく優しい口当たり、そして上品な甘みが特徴です。つや姫ならではの、独特な美しい米の甘味を感じられます。つや姫を使用した銘柄には出羽桜や秀鳳などがあり、マイルドな日本酒が好みの人におすすめです。

「酒未来」はまさに日本酒造りのために開発された酒米です。日本酒造りに適している美山錦と山田錦系統の米を掛け合わせて誕生した山形の風土や水に適した酒米で、精米歩合をあげやすく高級酒にも向いています。華やかな香りと芳醇な味わいが特徴で、吟醸酒が好きな人におすすめです。

日本酒初心者の場合はまずは好みの味わいで選ぶのがおすすめです。すっきりと飲める辛口が好きか、味わいに余韻が残る甘口が好きか、味の好みで選んでみてください。また、味の感じ方は個人差があるため、実際に飲んで確かめるのが一番です。

フルーティーな香りや余韻の残る後味が好みの人には甘口の日本酒がおすすめです。甘口の日本酒を探す時は、日本酒に含まれる糖度の指標である「日本酒度」がマイナスのものを目安にすると選びやすくなります。

ただし、甘口と感じる要因は糖度だけでなく香りなど他の要素も含まれるため、マイナスだからといってすべて甘いと感じるわけではありません。プラスでも香り次第で甘く感じるものもあるため、まずは実際に飲んでみてください。山形の甘口の日本酒には、出羽桜の「純米大吟　醸亀の尾」や初孫の「本醸酒　伝承生もと」などがあります。

キレのあるすっきりとした飲み口が好きな人には辛口がおすすめです。一般的に日本酒度がプラスのものを辛口と呼びますが、香りや後味は日本酒によって異なります。また、一口に辛口といってもドライな辛口や重めの辛口など味わいはさまざまです。

山形の辛口の日本酒には、初孫の「純米大吟醸　悪斬」や上喜元の「純米吟醸　五百万石　完全醗酵超辛」などがあります。自分がすっきりしていて飲みやすいと感じる日本酒を選んでくださいね。

山形には50か所以上の酒蔵があり、一口に「山形の日本酒」といっても地域や酒蔵によって味わいは異なります。そこで、大きくエリアを分けて地域別に人気の酒蔵と銘柄をご紹介します。

自然豊かな山形県の中でも米どころとして有名な庄内平野や豊富な雪解け水を有し、日本酒に最適な環境が整っているのが庄内地域です。酒蔵の数だけでなくお酒にちなんだ祭も多く、山形随一の日本酒どころとして知られています。

山形を代表する人気の銘柄「初孫」を製造しているのが「東北銘醸」です。東北銘醸は全国的にも少ない昔ながらの「生酛（きもと）造り」で日本酒造りを行っており、長い時間をかけて丁寧に造られた日本酒はコクがあり力強い味わいだと好評です。

数々のコンテストで受賞歴があり、お酒の町酒田で造られた「初孫」はすっきりとした後味と深みのある味わいで多くのファンを魅了しています。

山形の人気銘柄「楯野川」を製造している酒田市の「楯の川酒造」は、高い醸造技術が国内外から高く評価されている酒蔵です。純米大吟醸酒のみを扱う酒蔵ですが、精米歩合のラインナップが幅広く、さまざまな味わいを楽しむことができます。

また、こだわりの自社精米は仕入れから等級付けまで自社で一貫しておこなわれており、ブレのない品質の高さが楯の川酒造の魅力です。

山形の中心地に近い村山地域には、「十四代」で知られる「高木酒造」など名だたる酒蔵も多く、山形の日本酒造りを支えています。

多くの日本酒ファンから支持を集めている「出羽桜」は言わずと知れた山形を代表する銘柄です。この出羽桜を製造しているのが「出羽桜酒造」です。

自社の精米場を所有しており、そこで造られる出羽桜は華やかな香りと雑味のないふくよかな味わいで飲みやすく、多くの日本酒好きを虜にしています。精米歩合を50％まで丁寧に磨き上げた大吟醸酒は、山形を代表する銘酒として愛されています。

蔵王連峰の麓に蔵を構える「秀鳳酒造場」は「秀鳳」を製造している酒蔵です。蔵王から流れるミネラル豊富な雪解け水で仕込んだ「秀鳳」は、日本酒品評会での受賞歴もある知る人ぞ知る山形の銘酒です。

山形の日本酒らしいフルーティーな香りと果実を感じる甘味が秀鳳の持ち味です。秀鳳酒造場は、山形県産米だけでなく酵母も山形県産を積極的に採用するなど、山形独自の酒蔵にも取り組んでいる酒蔵です。

日本三大急流のひとつである最上川の源である我妻連峰の裾野に広がっている米沢盆地を中心とした地域が「置賜(おきたま)地域」です。山々に囲まれた自然豊かな地域で、日本酒のみならずワイン造りも行われています。

「小嶋総本店」は「東光」で知られる置賜地域を代表する酒蔵です。安土桃山時代に創業された小嶋総本店は、禁酒令が出されていた時代でも酒造りを許可されていたという深い歴史があります。

我妻山から流れ出た雪解け水が地下水となり湧き出た水は、ミネラルを含んだ上品な口当たりで「東光」の柔らかくて繊細な舌触りをつくり出しています。

「新藤酒造店」は米沢市にある我流を貫く職人気質な酒蔵です。酒蔵見学なども一切行っておらず、外部の人が見学することはできません。新藤酒造店独自の基準を満たした地酒専門店にしか日本酒を供給していないため手に入りにくい銘柄が多く、強いこだわりを持って酒造りを行っています。

「新藤酒造店」の代表銘柄には、特徴的な名前の「九郎座衛門」や我妻山の伏流水と酒造好適米を100％使用して造られた無濾過の「雪国慕情」などがあります。

山形の入手困難な日本酒といえば、高級酒として知られる高木酒造の「十四代」です。中でも人気なのが、美山錦を使用した華やかで上品な香りと味わいが特徴の「本丸・秘伝多摩返し」。お祝い事の際にも喜ばれる最高級の日本酒です。

また、高木酒造のオリジナル酒米を使用した「十四代　純米吟醸　龍の落とし子」もスッキリとしたフルーティーな味わいから人気です。評価の高い十四代ですが、手を出しにくい価格からも入手困難な日本酒とされています。

せっかく吟醸大国である山形県を訪れたなら、地元の日本酒専門店にも足を運んではいかがでしょうか。温泉後に飲む日本酒探しにもぴったりなおすすめの山形の日本酒専門店をご紹介します。

豊かな自然に抱かれた山形県には、日本酒造りに最適な環境が整っています。そんな山形で造られたフルーティーで透明感のある日本酒は、日常生活にちょっとした至福の時間をもたらしてくれます。日本酒初心者の人も飲みやすい山形の日本酒からチャレンジしてみてくださいね。