アイラウイスキーのおすすめ7選｜蒸留所の特徴や合うおつまみも解説！

スコットランドの西側に位置するアイラ島で造られるアイラウイスキー。独特のピート香が好き嫌いをはっきりと分けることもありますが、その風味に一度ハマるとクセになるおいしさです。潮の香りにも似たその香りは、アイラ島の土地がピートを豊富に含んでいるからこそ生まれました。

アイラウイスキーはスコッチウイスキーのひとつではありますが、あまり馴染みがないかもしれません。しかし根強いファンは多く、また初心者から上級者までさまざまに楽しめるウイスキーでもあるのです。

本記事では、プレゼントにもおすすめの正統派アイラウイスキーから、毎日気軽に楽しめるブレンデッドウイスキーまで12商品を紹介します。選び方のポイントや相性抜群のつまみなども解説するので、参考にしてお気に入りを見つけてください。

アイラウイスキーは個性的な香りが魅力のモルトウイスキーです。蒸留所のあるアイラ島の土地は、ピートと呼ばれる泥炭を含む湿原が覆っています。このピートは海藻やコケ・海水などの成分を含んでいるため、ピート香と呼ばれる独特な強い磯の香りがするのです。

アイラウイスキーを製造する際に、このピートに火をつけて原料のモルトを乾燥させます。それにより、アイラウイスキーはスモーキーな香りとともに独特のピート香が漂うものになりました。薬のにおい・磯くさいなどと表現されるピート香こそが、ウイスキー愛好家を掴んで離さない特徴です。

強いピート香が特徴のアイラウイスキーは、好き嫌いが大きく分かれるため選ぶのが難しいと言われています。ここでは、味や香り・蒸留所ごとの特徴など、好みのアイラウイスキーを選ぶためのポイントをチェックしましょう。

アイラウイスキーを象徴するピート香は、ライトなものからとても強く香る銘柄までさまざまなものがあります。ピート香の強さはフェノール値（ppm）という数値で表され、数値が低いほど香りが柔らかくマイルドな風味です。

初心者や軽い香りが好みならフェノール値2〜5ppm程度のアイテムがおすすめです。逆に、むせる程の強いピート香を楽しみたい方には、150ppmを超える銘柄もあります。他にも、バニラやフルーティな香り・わずかな塩気など、多様な味わいも選ぶ際のポイントです。

現在アイラ島には9つの蒸留所があります。アイラウイスキーのピート香の強さは蒸留所が位置する地域でも異なり、島の南端が最も香りが強く、北上するほど香りが控えめになるとも言われています。ここでは、代表的な5つの蒸留所の特徴を紹介します。

ラフロイグ蒸留所はアイラウイスキーで最も有名な蒸留所です。9カ所ある蒸留所の中で最も南に位置し、水質や環境を保全した独自のピート採掘場を所有しています。ラフロイグの特徴は海藻を燻したようなスモーキーなピート香が強いのが特徴。他の蒸留所よりも蒸留液を長時間かけて採取するため、より潮っぽい香りとオイリーな舌触りを感じます。

ブレンデッド原酒の製造でも知られるカリラ蒸留所は、いくつもの個性豊かなウイスキーが造られることでも注目されています。海水を使用してウイスキーを冷却する独自製法で造るアイラウイスキーは、やや辛口のシャープな味わいが特徴です。ノンピートのウイスキーもラインナップしており、香りや味わいを試し飲みするのに適しています。

ブルックラディ（ブルイックラディ）は、アイラ島中心部からやや西側に位置する蒸留所です。1881年の設立当時からの設備を代々受け継ぎ、コンピューターを一切使用しない製法を守っています。ブルックラディが造るアイラウイスキーは爽やかな甘さと酸味が特徴で、銘柄によってはフローラルな香りが楽しめるものも。ピート香はやや弱めです。

南部にあるラガヴーリン蒸留所が造るアイラウイスキーは、最もスモーキーで重厚な味わいがあると言われます。強いピート香と塩味を感じる個性的な風味を生かしたブレンデッドウイスキーの製造でも知られ、ホワイトホースは日本でも高い人気の銘柄のひとつ。深いコクやチョコレートのような甘いアロマなど、重く強いクセを堪能したい方におすすめです。

ワードナッホー蒸留所は2018年創業のため、法律によりシングルモルトが販売されるのは2021年の秋以降です。アイラ島で唯一ワームタブ方式の屋外冷却装置を保有しているため、造られるウイスキーはフルボディの重厚な味わいが予想されます。アードナッホー湖の柔らかな水を使用し、伝統的なピート香が生きるアイラウイスキー作りを目指す新しい蒸留所です。

ウイスキーにはシングルモルトとブレンデッドの2種類があります。シングルモルトはひとつの蒸留所の原酒で造られたウイスキーで、それぞれの個性的な香りや味わいを感じられるのが魅力です。一方ブレンデッドは複数のシングルモルトや他の穀物で造られたウイスキーをブレンドしています。

ブレンデッドはアイラウイスキーには分類されないものの、安い価格で軽い香りと複雑な味わいが楽しめるのがメリット。この記事の後半では、おすすめのブレンデッドウイスキーも紹介します。

アイラに限らず、ウイスキーにはオフィシャルとボトラーズという分類があります。オフィシャルとは、蒸留所がウイスキーの製造・熟成・ボトリングまでを一貫して行っているものです。これに対して、メーカーが樽ごと購入して独自に熟成・ボトリングするのがボトラーズになります。

蒸留所オリジナルの味わいならオフィシャル、希少性やさまざまな熟成年数などを試すならボトラーズがおすすめです。

アイラモルトのピート香が最も引き立つ飲み方はストレートです。ひと口ごとにチェイサーを挟みながら飲むことで、さらに広がる香りを堪能できます。ロックは氷が溶けるにつれオイリーさが和らぎ、優しい味への変化が楽しい飲み方です。

細かく砕いた氷を使用したロックミストは真夏の夜に最適で、清涼感のあるミントを添えるるのがおすすめです。ハイボールなら濃い目がベストで、香味が際立ちます。常温の水を加えるトワイスアップは、アルコールや香味の角が取れて飲みやすいため初心者に最適です。

アイラウイスキー独特の味と香りを楽しむなら、つまみ選びにもこだわってみましょう。アイラウイスキーが造られるアイラ島は海に囲まれたロケーションで、潮風の香りが漂うつまみが最適です。特におすすめなのは生の魚介類、中でも牡蠣とは最高の相性といえます。

さらに、スモーキーな燻製類や、渋みのある皮付きナッツももおいしいです。また、アイラモルトの香りをまろやかにする生チョコレートとも相性が良く、ブルックラディとロイズのコラボ商品が販売されたこともあります。

強い個性を放つアイラウイスキーを紹介しました。アイラウイスキーは第一印象は強烈でも、味わうほどに離れがたい香りが魅力です。懐かしい海辺のようでもあり、キャンプの焚き火のような優しさもあり、日頃のさまざまなことを忘れてリラックスするためのアイテムとして最高の相棒になります。ストレートやハイボールなど飲み方も工夫して、好みのアイラウイスキーを見つけてください。