家庭で使える放射線測定器おすすめ13選｜種類や使用時の注意点を解説

仕事を除いて日常生活の中で、放射線測定器を使用したり見たりすることはほとんどありません。放射線測定器という言葉はテレビで聞く程度で、原発の事故で存在自体を知った人もいるでしょう。放射線測定器は放射線を測定するためのものです。

放射線測定器の使用自体に特別な資格は必要なく、初心者でも簡単に測定できます。また、家電量販店やインターネットで販売されているため、簡単に購入可能です。調べると放射線測定器はいくつか種類やメーカーがあるので購入する機種を絞り込めないこともあります。

ここでは放射線測定器の選び方・原理・おすすめ商品をご紹介します。購入を検討している人は参考にしてください。

放射線測定器はその名の通り、放射線量を測定する機械です。放射線には種類があり、測定器によって測定できる放射線が異なります。放射線の種類はベータ線・アルファ線・ガンマ線などがあり、放射線測定器はガンマ線を測定することが目的です。特殊な測定器のため、日常生活の中で放射線測定器を常に持つような状況はありません。何かをきっかけに必要になったときは、体への影響を避けるために正しく使用しましょう。

測定したい放射線の種類が測定できなければ、知りたい情報を知れないため困ります。そのため、放射線測定器の種類とそれぞれの原理を知って、必要な放射線測定器を選ぶことが大切です。

放射線測定器の中でメジャーな機種はガイガーミュラー計数管（電離箱）で、ベータ線は検出できますが、ガンマ線の検出には向いていません。ガイガーミュラー計数管の中にハロゲンガスが入っており、放射線が入ると反応して電流が流れます。

電気信号に変換して放射線の量として測定する仕組みです。ただし、電流の強さと放射線のエネルギーは比例していないため、放射線のエネルギー量は把握できません。

シンチレーション検出器はガンマ線を検出できます。検出器の内部に放射線によって発光するシンチレーターという物質が入っていて、放射線があたると発光しエネルギーを増幅させて電流に変換し計測する仕組みです。

メリットは入ってきた放射線のエネルギーを把握できる点です。使用するシンチレーターの種類によって検出できる放射線の種類が異なります。そのため、測定したい放射線の種類にあった測定器を選びましょう。

半導体検出器とはGe（ゲルマニウム）半導体やSi（シリコン）半導体など、半導体を使用していることが特徴です。通常、半導体は電気を通しませんが、放射線が入ることで電気を通すようになり、放射線を電気信号に変換することで検出します。また、他の測定器とは違いエネルギーの分解能力が高いため、何から放射線が発生しているかを測定可能です。サイズが大きく高価な測定器で、食品の検査に使用されています。

測定したい放射線の種類で測定器を選ぶこと以外にも、いくつか選び方があります。1番大切なことは、測定できる放射線の種類と測定したい放射線の種類が合っていることですが、ここでは、検出方式や精度など他に注目すべきポイントをご紹介します。

前述したように、検出方式はアルファ線とベータ線を検出する「ガイガーミュラー計数管タイプ」と、ガンマ線を検出する「シンチレーション検出器」、食品検査で使用される「半導体検出器」の3種類です。それぞれにメリットとデメリットがありますが、検出方式によってはガンマ線が検出できないタイプもあるため注意しましょう。

一般家庭用におすすめの放射線測定器は2種類あります。1つ目は空間の放射線量を測定する「空間線量計」です。自宅周辺の放射線量が知りたい場合に使用します。サイズが大きい測定器ですが、需要の高まりによって小さいサイズも販売されています。

2つ目は、身につけて被ばく量を測る「個人線量計」です。放射線を浴びる職業向けに作られた測定器で、許容量以上の放射線を浴びていないか管理します。身につけられるサイズなので、持ち運んで使用する際は便利です。

検出器の精度が上がるとサイズが大きくなりますが、測定器の大きさはあくまで目安の1つです。電気信号に変換するタイプは、変換機能も精度を左右します。また、価格が高いからと言って精度が高いとも言えません。そのため、精度の高さはメーカーのホームページを参照しつつ、口コミの情報も含めて総合的に判断しましょう。

測定器のメーカーは複数あります。ここでは、有名メーカーで製品が入手しやすい「エステー」と「FRC（エフ・アール・シー）」の特徴をご紹介します。目的に合い、使いやすい放射線測定器を購入しましょう。

消臭剤・防臭剤・除湿剤などを製造販売しているエステーは、家庭用放射線測定器「エアカウンターS」を販売しています。サイズは体温計ぐらいで、片手で測定できるため誰でも使用可能です。特徴は気になる空間のガンマ線を測定できる点です。放射線を検知すると音で知らせ、シンプルな液晶画面で数値が読みやすいです。予測測定は2分間で、10秒ごとに測定値を更新するためリアルタイムの数値を知れます。

ドライブレコーダー・防犯カメラ・トランシーバーなどを製造販売しているメーカーです。放射線測定器は2種類のモデルがあり、どちらも操作は簡単な上に素早くガンマ線とベータ線を高感度で測定します。警報の設定は安全・注意・警告・危険の4段階で知らせてくれ、体に影響がでるほど危険なときはレベルの強度に合わせてカラーLEDでの警報表示とレベルに合わせた警報音が鳴ります。何か作業をしていても音でレベルを把握できるため、すぐに避難が可能です。

どの放射線測定器も使い方は簡単ですが、正しい使い方と注意点はあります。特殊な測定器を正しく使えるように、使い方の確認と注意点をご紹介します。

測定するために、最低限の専門用語は理解することが大切です。CPMとはカウントパーミニッツのことで、1分間に測定した放射線量を示します。シーベルトは、1時間当たりの被ばく量を表す単位です。

シーベルトは毎時・毎秒・毎年を示すため、単位をよく確認しましょう。一般的によく見るのはマイクロミリシーベルトやミリシーベルトです。例えば、2,000ミリシーベルトになると20人に1人が死亡すると言われています。

放射線が測定されるということは、放射線崩壊という現象が発生しています。ランダムに発生するため、同じ場所でも毎回同じ数値が出るわけではありません。そのため、同じ場所で複数回測定し平均値を算出する必要があります。また、測定するときは測定器を地面から100cm離しましょう。

放射線測定器で測定できる放射線の種類は異なるため、購入する際は測定できる放射線を確認してください。どの放射線測定器も簡単に操作でき、一般家庭でも使用できます。放射線測定器を正しく使用して、放射線量・起こりうる影響・対応方法などを正しく判断しましょう。