【安い！】真空管アンプおすすめ19選｜初心者にもおすすめの自作キットも【高音質】

真空管アンプと聞くと、オーディオマニアの嗜好品のようなイメージがあるかもしれません。真空管アンプに興味があるけれど、なかなか手を出せなかった方も多いはず。

しかし近年ではその敷居が低くなり、真空管アンプは以前に比べて親しみやすいツールになってきました。低価格の機種・女性向けのデザイン・自作キットなども登場しているので、初心者でも真空管アンプに触れやすくなってきました。

この記事では、真空管アンプのおすすめメーカー・おすすめの安い真空管アンプ19選をご紹介します。また真空管アンプの特徴・取扱いの注意点・機種の選び方など、基礎知識も解説するので、ぜひ参考にしてください。

真空管アンプとは、1920年代に真空管の音響原理を利用して発明された、世界初のアンプです。初期の音響機器はアンプを搭載していませんでした。真空管アンプの誕生は、通信機・ラジオ・電気蓄音機の発達にも大きな影響を与えたのです。

1950年代以降になると半導体素子を利用したトランジスタアンプが登場し、真空管アンプと比べて安価で取扱いも容易なため、急速に普及が進みました。ただし、音質に関しては評価が分かれました。

当時の評論家から、トランジスタアンプの音が「硬質で鋭い」のに対し、真空管アンプの音は「柔らかく温かみがある」といった意見が挙がったのです。現在オーディオ機器として広く普及しているのはトランジスタアンプですが、真空管アンプにも根強い人気があります。

真空管アンプには、何となくとっつきにくいイメージがあるかもしれません。そこで真空管アンプの特徴を整理するため、メリットとデメリットの双方を解説します。

まず、メリットを紹介します。真空管アンプのメリットは「音質」「見た目」の2つが代表的です。

音質面における真空管アンプの特徴は、ガラス管の内部で音を共鳴させる点です。ガラス管の中で反射を繰り返し、角の取れた音は温かく柔らかい音像となってスピーカーに出力されます。

特にクラシック・ジャズ・R&Bのように、電子的な音よりも生音が重視されるジャンルの音楽とは相性抜群で、レコードと組み合わせれば相乗効果を得られます。

極端な話をすれば、トランジスタアンプで100万円以上かけても得られない高音質を、10万円程度の真空管アンプで実現できる可能性もあるのです。

素材の特性として、ガラス管には透明感があります。このため、真空管アンプはインテリアの面でも空間を圧迫しません。据え置き型でもコンパクトで邪魔にならないものが主流になっており、見た目もスマートでおしゃれです。

特に近年は女性をターゲットにした華やかなデザインのモデルも登場し、空間と調和する機種が多くなってきています。

真空管アンプのデメリットは、取扱いが特殊である点です。まずガラスが割れないようにするため、物がぶつかりやすい箇所には置けません。それでいて放熱できる環境に置く必要があるので、密閉空間も不適切です。

機器の操作にも予備知識が要ります。電源を入れる前にボリュームを最小にしておくことと、起動後は真空管が温まるまで3～5分程度放置すること、そして再生中に電源を強制オフしないことです。これらを無視すると、真空管やスピーカーを痛めてしまいます。

また、真空管は消耗品なので交換が必要です。真空管の内側が黒ずんできたり、真空管の裏側にある塗料（ゲッター）が剥がれてきたりといった兆候に応じて、適宜入れ替えるようにしましょう。

真空管アンプの「真空管」は熱を使って電気信号を増幅させる仕組みです。電子を放出させるためについているヒーターの熱を使います。

真空管はむき出しになっていたり、中に組み込まれていたりします。増福時に放つ淡いオレンジ色の光が美しいため、むき出しになっているものも多いです。

アンプは大別して2種類あり、音域のバランスを調整する「プリアンプ」と、音を増幅させる「メインアンプ」に分かれます。そして両者の機能をセットにしたものが「プリメインアンプ」です。トランジスタアンプの場合、アンプといえばプリメインアンプを指すのが一般的になっています。

一方真空管アンプの場合は、今でもプリアンプ・メインアンプの区別がなされています。目的に合わせて、適切な種類のアンプを選択しましょう。

出力の大きさとはアンプが持つパワーの大きさを示すもので、理屈はトランジスタアンプと同じです。出力が大きいほど、音質を損なわずに余裕をもってボリュームを上げられます。小さい出力の真空管アンプは、音は小さいですが、その分真空管らしい音を楽しめます。大きい出力では、ダイナミックな音を楽しめる分、音の真空管らしさは減るので、好みに合わせて選びましょう。

6畳程度の部屋やワンルームなど、比較的こじんまりした場所で音楽を聴くのであれば、出力が数Wの小さいものを選ぶのがおすすめです。逆に、リビングなどの広い空間やダイナミックなボリュームを楽しみたい場合は、10W以上の大きい出力のアンプを選びましょう。

発熱量が大きく、電気を食う割に出力が少ないのは真空管アンプの大きなデメリットです。したがって、単純に出力の大きさのみを追及するのはおすすめできません。

ここでは真空管の「管の種類と形状」について説明します。真空管の管の種類は、整流管・プリ管・パワー管の3つに大別されます。

整流管は現在ほぼ使われていません。プリ管は電圧を増幅させる役割で、プリアンプの真空管として使われるのが主です。パワー管はプリ管で増幅された音楽信号をさらに増幅させ、スピーカーを駆動させます。

管の形状はMT管・GT管・ST管の3種類です。現在の真空管アンプで使われている形状は、小型で種類も豊富なMT管がほとんどです。管の種類と形状は既製品を買うだけなら特に大事ではありませんが、自作キットの購入を考えている方は正しく理解しておきましょう。

真空管アンプは、搭載されている管の本数によって、「シングルアンプ」と「プッシュプルアンプ」の二種類に分かれます。

シングルアンプは真空管がひとつのタイプで、出力は小さいですが繊細でピュアな音が楽しめます。シングルアンプに出力音圧レベルの高いスピーカーを組み合わせれば、繊細な音質はそのままに、ダイナミックさが加わるのでおすすめです。

プッシュプルアンプは左右にふたつ真空管が搭載されているタイプで、出力が大きいためダイナミックで迫力ある音が楽しめます。

ハイレゾとは「ハイレゾリューションオーディオ (High-Resolution Audio)」の略称です。「解像度の高い音声」を表し、一般的な音声よりも鮮明な音質で表現できるのが特徴です。ただしハイレゾは大量の音データを処理するため、一定の要件が求められます。

アンプの場合は再生時に40kHzを超える広帯域再生能力が必要。真空管アンプは構造上、再生帯域を広げにくいためハイレゾ対応機種は多くありません。

また、近年はBluetoothに対応している真空管アンプも登場しています。Bluetooth対応の真空管アンプなら、普段スマホで聴いている音楽をコードレスで楽しめます。中でもBluetooth 5.0の「aptX」に対応しているものを選べば、高音質で再生可能です。

真空管アンプは値段が高い、と感じる場合は自作するのも有効な選択肢です。近年では取扱説明書で手順を確認出来たり、メーカーHPで画像付きのマニュアルを参照できたりするので、自作のハードルは下がってきています。

真空管アンプにおける自作キットの相場は、2～3万円の間が目安です。国産メーカーのエントリーモデルが6～7万円程度なので、半額以下で済ませられます。

初心者がアンプを購入する際は、エントリーモデルもおすすめです。真空管アンプは基本的に高価ですが、エントリーモデルなら数千円で入手できます。初めての購入で金額を抑えたいなら、エントリーモデルも考慮してみましょう。

中国産の商品を「中華～」「中華製」と呼ぶスラングがありますよね。「中国産だから安い」「安物買いの銭失い」といったニュアンスで、性能に当たりはずれの多い中国製家電を中心に広まった表現です。実は、いわゆる中華製でも真空管アンプは比較的品質が良く、安価でコスパのいい商品が少なくありません。

耐久面では電源がやや弱いといった意見もありますが、自分で半田づけできる程度のスキルを持った方なら対応できるはず。場合によっては、日本製の高級モデルを買うよりお値打ちの可能性もあります。

トライオードは1994年創業の国産メーカーです。高出力・低コストが利点のトランジスタアンプが主流になっていく中、昔ながらの真空管アンプを主軸とした果敢な企業姿勢によってオーディオファンからの熱烈な支持を集めました。

10万円前後のリーズナブルな価格設定で、マニア以外のファン層も獲得し、真空管アンプ業界内では代表的なポジションを確立しています。

ラックスマンは1925年に設立された、日本の老舗メーカーです。大正後期という時代背景で、ちょうどラジオ放送が開始された時期でした。創業の経緯は、大阪の絵画・額縁商「錦水堂」の一角に、ラジオ部を創設したのがきっかけです。

やがてラジオ受信機を陳列するだけでなく製造を手がけるようになり、さらにはオーディオ機器全般を取扱う大企業に発展を遂げました。

CAVは1993年に中国で創業した企業です。CAVジャパンは2006年に設立された日本法人で、中国本土とのパイプを活かし、コストパフォーマンスの高い機材を安定的に仕入れています。事業の中心は音響機器や映像機器の製造販売です。

2011年に大型真空管アンプ「T-50」でオーディオマニアの話題をさらうと、立て続けにコンパクトな姉妹モデル「T-5」を発表し、T-5は現在もロングセラーが続いています。

真空管アンプの自作キットはパーツの品質が良く、完成すれば大変お値打ちです。しかし、電子工作の知見が全くない初心者にはおすすめできません。知見の有無を判断するポイントとしては基本的な回路やオームの法則に関する知識と、半田付け・配線の技術が必要です。

自作キットには説明書が付いてくるのが一般的ですが、あくまで手順が記されているだけの場合もしばしば。ただ「安上がりでお得」といった理由で手を出すと、かえって無駄遣いになってしまう可能性もあります。

真空管アンプには、トランジスタアンプにない魅力があります。真空管アンプの優しく温かい音質は、楽曲にいっそうの魅力を与えてくれます。本記事の情報とおすすめ商品を参考に、お値打ちの真空管アンプで優雅なリラックスタイムを過ごしてください。