PC電源ユニットおすすめ17選｜信頼できるメーカーや違いの比較も

電源ユニットとは、パソコンの中でも重要なパーツの1つです。家庭用コンセントの電流をパソコンに適した形に変換する役割を持っています。また、電源ユニットは出力変動を受け止め、安定した電力をパソコンに供給する役割も持っています。

家庭用コンセントから供給される電力は、さまざまな要因で電源出力が変動し不安定になりがちです。影響を受けるとパソコンの電力も不安定になってしまいます。そのため、電源ユニット選びは自作PCを作るなら信頼の高いものを使うのがおすすめです。

今回は、パソコン起動時に欠かせない電源ユニットの選び方・メーカー比較とあわせて、おすすめ製品を詳しくご紹介します。コルセアやサーマルテイクなど、人気メーカーやシリーズでの違いも紹介するので参考にしてください。

電源容量はパソコンへ電力を1度に送れるパワーを表しており、CPUやマザーボードなど各パーツがハイスペックなものほど、必要な電力が大きくなります。自作PCを組むときは、必要な電源容量を計算してそれに合った電源ユニットを購入しましょう。

電源容量を知るためには、まずPCパーツごとの最大消費電力を知るのが必要です。下記に最大消費電力の目安をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

パソコン全体の最大消費電力を計算します。最大消費電力が求められたら0.7で割ります。そして、出た数字が自分のPCに最適な電源容量になります。分かりやすいように目安の計算例を記載しましたので、参考にしてくださいね。

（84W×1.5）+5W×2+50W+25W×1+25W×1+170W×1＝406W（PC全体の最大消費電力）

406W÷0.7＝580W（最適な電源容量）

文章入力や軽い作業をメインにパソコンを使うなら、電源容量は400W前後で十分に足ります。目安として各パーツのワット数はCPUが65W～105W程度・HDD×1で25W程度・SSDで3W・グラフィックボード70～250W程度です。

エントリーパーツだけなら、電源容量はそこまで要らず、Core i3程度なら問題なく動きます。しかし、将来的にパーツを変更する可能がある場合は、もう少し余力のあるワット数のものを選ぶのもおすすめです。

ミドルエンド向けのグラフィックボードやCPUを搭載しているPCなら、500～600Wの電源容量のものを選びましょう。価格を優先して、電源容量が小さめのものを選ぶと、PC自体起動しなくなる恐れがあるので、余裕をもって選びましょう。

動画編集をする方や簡易なゲームをする方におすすめです。ある程度余裕があれば、ゆとりのあるPC環境を整えられます。

ハイエンド向けのグラフィックボードやCPUを搭載しているなら、消費電力が高いので850W以上の電源ユニットを選ぶのがおすすめです。CrossfireやSLIを検討している場合は1000Wのものがベストです。

ゲーミングPCや3Dグラフィックを使った編集作業する方は、かなりの電力を必要とします。850W以下だと必要なコード類に対応していない場合があるので、注意して選びましょう。

フルタワーやミドルタワーは、ハイエンドやミドル向けのPCによく選ばれています。高性能なパーツは消費電力が高いので、電源容量の最大値が大きい「ATX12」規格の電源ユニットを選びましょう。電力にゆとりを持たせてパーツ構成をしたい方にも向いています。

スリムタワーや小型ケースに電源ユニットを搭載したい方は「SFX12」規格の電源ユニットを選びましょう。SFX12はATX12よりも小さいので、ケースに収まりますが間違ってATX12規格を購入するとケースに収まり切れないので間違えないように気を付けましょう。

SFX12は小さいので、専用のプラケットを取り付ければ、フルタワーなど大きいケースにも搭載可能です。

EPS規格はエントリーサーバー向けとなっています。主に高性能・多機能なPCでの化学技術計算やCADなどの3DCG・グラフィックデザインなどに特化した業務用の高性能コンピューターなので、個人で使うPCならATX規格が一般的です。

しかし、最近ではATXとEPS規格が両方備わっている電源が多くなってきています。そのため、ATX規格でも電源容量と補助電源などのコネクタがあれば、複数のCPUを搭載できます。また、複数のグラフィックボードも搭載できますよ。

家庭用コンセントから流れる電力をパソコンに適した電力に変換する際に、電源ユニット自体も電力を消費するため発熱します。この電力消費と発熱が少ないものほど、電力変換率に優れている製品です。

変換効率80％以上のものが「80PLUS認証」と表記され、STANDARDからPLATINUMまで5段階のランクが設定されています。グレードが高くなるほど、電気変換効率だけでなく静音性・省エネ性にも優れた製品になります。一番下のグレードである「STANDARD」でも、電源変換効率は80％を超えているため、リーズナブルに購入したい場合におすすめです。

「80PLUS認証」の各ランクの負荷率と変換率は下記の表にましたので、選ぶ際の参考にしてくださいね。

SATAはDVDドライブ・HDD・SDDなどの接続に欠かせないケーブルです。自分がどれだけSATA電源ケーブルを接続するのか考えて、電源ユニットを選ぶ必要があります。

また、将来的にパーツを増設する可能性を考慮して、2～3本余裕のある電源ユニットを選ぶのをおすすめします。

電源ユニットの電源容量はシングルレーンとマルチレーンの2種類あります。シングルレーンは12Vの電力給電を1レーンにまとめる方式で、各パーツの消費電力を合計して収まるように計算する必要があります。

一方でマルチレーンは、12Vの電力給電を4つの複数レーンで使用するのが特徴です。レーンごとに消費電力を計算し、過電流や過負荷のリスクを下げられて安定性が高くなります。しかし、電力を分割するため電源容量不足になる場合があります。

そのため、たくさんの電量を必要とするハイエンドグラフィックボードを搭載する方は、シングルレーンタイプのものがおすすめです。マルチレーンはCPUのみの基本構成をする方に向いています。

上記以外にもペリフェラルコネクタ・FDD・4ピンコネクタなどがあります。少し前まで使われていたコネクタで、HDDや光学ドライブなどに電力を供給するためのものです。現在ではあまり使われていないので、気にしなくても問題ありません。

コンデンサは、電気を蓄えたり放出する電子パーツです。電源ユニットにはコンデンサがたくさん使われています。コンデンサのおかげで、家庭用コンセントからPCに適切な電力の形に変形させる際に電圧を一定にできます。

電源ユニットに使われているコンデンサにも種類がありますが、中でも電解コンデンサがおすすめです。使用温度の上限が85℃のものと105℃のものがありますが、105℃のものが高温環境に強く長寿命です。

そのため、電源ユニットを選ぶ際は105℃コンデンサが採用されている製品を選びましょう。また、海外製のものよりもに日本製の方が壊れにくいのでおすすめです。

電源ユニットの奥行きは製品によって違います。幅や高さは規格で決まっていますが、少しの奥行きの違いでメンテナンス性が変わってきます。奥行きが小さいコンパクトタイプなら、PCケース内のスペースに余裕があるのでメンテナンス性に優れています。

一方で、奥行きがあるタイプは、ケース内に余裕がなくなるのでメンテナンス性は落ちます。しかし、大きなサイズの冷却ファンが搭載されていたり、エアフローが優れているのがメリットです。メンテナンス性を重視するのかエアフローを重視するのか考えて選びましょう。

PCケース内の配線をすっきりとまとめたいなら、必要なコードだけ挿して使える「プラグイン対応」の電源ユニットをおすすめします。プラグイン対応製品は電源の裏側に必要なコードを挿せるようになっているのが特徴です。

ケース内の配線をまとめるのって結構難しいですよね。そのため、配線をすっきりさせたい方はチェックしてください。また、PCケースが小さめのスリムタワーや小型ケースを利用している方にも向いてます。

ATX電源ユニットには冷却ファンが基本的に搭載されています。ファンは120ｍｍのものが多いですが、より大きなファンを搭載している製品も中にはあります。ファンサイズが大きいと冷却性に優れているので、搭載しているファンの大きさをチェックしておきましょう。

製品の中には「流体軸受け」ファンを採用しているものがあります。流体軸受けとは、モーターの回転軸を油や空気などによって受ける方式です。

摩擦が少なく回転がより滑らかなのが特徴です。通常のファンよりも静かに冷却できるので、静音性を重視したい方は、ぜひ流体軸受けファンをチェックしてください。

コルセアは多くのユーザーから高く評価されている人気のメーカーです。中でもゲーミングPCを自作する方に支持されています。高性能な電源ユニットを多く販売しており、電力容量も幅広く展開しているのが特徴です。

カスタマイズ性にも優れており、電源ユニットの他にもケースやキーボードなどPCパーツが一通り揃います。

シーソニックは、オウルテックといった名前で売られている場合が多い電源ユニットで有名のメーカーです。PC電源としての歴史が長くあり、信頼性が高いのが特徴です。また、高性能な製品がたくさん揃っています。

サポート体制が整っており、保証期間が長いので高価ですが初めて購入する方にもおすすめのメーカーです。使われているパーツは日本製なのも人気の1つです。

アンテックもコルセアと同様に高く評価されているメーカーです。日本製のコンデンサを使うなどパーツにこだわりが強いメーカーで、性能性に優れています。冷却ファンとファンノイズにも気を配っており、世界初のPWMファンを採用したメーカーでもあります。

サポートが手厚く、3～5年間の保証が受けれるのも特徴です。リーズナブルな価格で購入できるので、初めての方にもおすすめのメーカーです。

玄人志向は最近、注目されているPCパーツメーカーです。サポートは手厚くないですが、リーズナブルな価格で販売しているのが特徴です。初めての方や予算を抑えながらPCを組みたい方におすすめのメーカーになります。

昔からあるメーカーですが、昔の製品は人気がありませんでした。最近は性能面が改善されて配線がしやすくなっています。

サーマルテイクは1999年に誕生した台湾のメーカーです。PCパーツや周辺機器の開発・販売などを行っており、多くの国で愛用されています。RGBに対応した電源ユニットを取り扱っており、さまざまな構成に対応できる優れものです。

各メーカーの違いは下記のとおりです。コルセアやサーマルテイクなど、メーカーによって異なる特徴を持っています。どのメーカーにしようか悩んでいる方は、それぞれの特徴を把握して決めましょう。

【メーカーの特徴を比較】

電源ユニットは、パソコンが動くか動かないかの重要なパーツです。コストを抑えたいがために、激安なものを選んで後悔しないようにしましょう。電源ユニットは、高ければ高いほど高性能なものが多く、ハイスペックパソコンなどを自作する場合はしっかり選ぶ必要があります。

安い電源ユニットと、高い電源ユニットはどう違いがでるのかも知っておきましょう。高性能な電源ユニットは価格も高くなりますが、電気代が抑えられたり静音性が高かったり熱を持ちにくいため安定しやすいなどのメリットがあります。また他のパーツに影響を与える心配もなく、長寿命でクラッシュもしづらくなるのが特徴です。

電源ユニットは、PCを起動させる心臓部ともいえる大事なパーツです。また、既存のパソコンの電源ユニットを交換するだけで、PC作業を快適にできます。選ぶのが難しいパーツですが、今回の記事を参考にして、ぜひ電源ユニットを見直してみましょう。