書道用紙おすすめ20選｜紙の種類や選び方を紹介！100均でも購入できる？

子どもから書家の方まで幅広く利用される書道用紙。作者自身の画や文字を感性豊かに表現できる書道用紙は、字の練習から作品として展覧会に応募するものまで、その目的はさまざまです。

また、書き心地や作品の演出を表現できる書道用紙は、サイズやそれぞれの紙に備わっている特徴が異なります。さらに、書道用紙には多くの種類があり、その中から自分の目的にぴったり合った紙を見つけるのはなかなか難しいですよね。

そこでこの記事では、おすすめの書道用紙20選や書道用紙の選び方をご紹介します。併せて100均で購入できる書道用紙や保存方法も解説しますので、ぜひ表現したい作品作りに合う用紙選びの参考にしてください。

書道用紙とは、中国で書道に用いていた用紙を日本で模倣して製紙したものです。画仙紙(がせんし)とも呼ばれる大判のこの用紙は中国では画用として使われており、日本に来て書に用いられて以来、書道用となりました。

書道用紙は、滲み・厚み・製法などにより多様な材質感が見られます。書道用紙の選び方によっても作品の表情を変えるため、さまざまな書道用紙を使って目的や好みに合ったバリエーションを増やすのも楽しみのひとつでしょう。

習字と書道の違いは言葉の定義です。習字は字を習うことを指しており、正しい書き順や美しい字の書き方を習うのが目的です。

一方で、書道は主な対象者は限定されておらず自己表現が最大の目的です。文字が生み出す美しさを追求し、美術および芸術分野に該当します。

全紙は画仙紙の一種で、四尺画仙（よんしゃくがせん）と呼ばれ、最も一般的な大きさの紙です。小画仙（しょうがせん）・四尺物（よんしゃくもの）との呼び名もあります。中国では宣紙（せんし）と呼ばれており、画仙紙は書画を書くために特化した紙です。

半切（はんせつ）は、全紙（四尺画仙）をタテ半分に切った紙です。伝統的に最も使われてきたサイズで、半切に書いた書を掛け軸にしたものは条幅（じょうふく）とも呼ばれます。書き初めとしてもよく用いられ、かな書道よりも漢字書道で使われることが多いです。

半紙とは、飛鳥時代の7世紀後半より、現在の兵庫県多可郡多可町を位置する杉原谷で作られた杉原紙という和紙を半分にした大きさが名前の由来となっています。

一般的な半紙の大きさは、約24.3×33.3cmで機械で漉く大量生産できるものと、職人が伝統的な製法で作り上げる手漉きのものがあります。

書道では、さまざまなサイズの書道用紙が使われます。掛け軸用の縦に細長い紙や展覧会などに展示する紙などがあります。各サイズの詳細は以下の通りです。

• 全紙：約69×136cm
• 半切：約34.5×136cm(全紙を縦半分に切ったサイズ)
• 聯落ち：約53×136cm(全紙を3/4にカットしたサイズ)
• 三枚判：約24.2×100cm(半紙を縦に三枚つなげたサイズ)
• 八ツ切判：約17.5×68cm(全紙を八つに切ったサイズ)
• 半紙：約24.3×33.3cm

現在では聯落ち(れんおち)を使用する頻度が減っており、聯落ちとは紙の幅を指している場合があります。使用するときは、縦横の長さの確認を必ず行いましょう。

和紙とは日本で漉かれた紙のことで、和紙でできた書道用紙を和画仙紙とも呼びます。和紙は丈夫で切れにくいという特徴を持ち、墨で書きやすい書道用紙といえます。細かな表現が求められる仮名文字を書く際などには、滲みにくい和紙の書道用紙を使うのが一般的です。

唐紙は中国で作られ、日本に輸入された紙です。原料は竹・桑・藁などで、墨汁（ぼくじゅう）の吸収がいいため書画用や書道用に使われます。

和紙よりも薄くて切れやすい特徴がありますが、大きな文字や独特の味わいを出したい場合は、比較的かすれや滲みがでやすい唐紙がおすすめ。初級者よりも、文字の多様な表現を求める上級者向きです。

手漉き和紙は、和紙職人が手作業で原料からさまざまな工程を重ねて作り上げます。手漉き和紙は光沢があり濃淡が美しく、滲みやかすれといった表情を表したい時に使用するといいです。

原料に藁が入っている和紙はにじみがよく、雁皮を使っている和紙は筆運びがなめらかになります。職人の熟練の技術が必要とされる手漉き和紙は、清書用におすすめです。

機械漉き和紙は、洋紙の製造技術を使い主原料のパルプで生産します。そのためリーズナブルな価格で購入が可能です。

機械漉き和紙は、紙の表面に墨を吸い込まずに溜める性質をもち、墨本来の色をそのまま出したい場合には機械漉きが向いています。1000枚入りなどのタイプもあり練習用にもおすすめです。

同じ手漉きや機械漉きの書道用紙でも、紙の厚さにより作品の出来が異なる場合があります。厚い紙と薄い紙の違いをチェックしてみましょう。

• 厚い紙…筆の運びが重くなり、擦れやすく力強い字が書ける
• 薄い紙…筆が軽やかに動くため、滑らかな字になり切れ味が鋭い字が書ける

一般的には、厚い紙を用いた場合は、表現豊かで力強い字を書けます。逆に薄い紙を用いた場合は、筆運びが軽く切れ味の良い字を書けるのがポイントです。

100均では、学校や自宅で使用できる書道用品が購入できます。半紙や新年に初めて書く、書初め用紙などもあり、30枚~100枚の枚数から選べ種類も豊富です。

強く筆記しても破れにくい半紙や練習用・清書用もあり、タイプによっては保存に便利なチャック付袋入りもあります。コストパフォーマンスが高く、たくさんの用紙を使って練習したい方におすすめです。

書道用紙は、保管方法によっては紙の質を低下させてしまう場合があります。おすすめの保存方法をご紹介しますので参考にしてください。

• 直射日光が当たらないように新聞紙や和紙で包む
• すのこを置いて通気性をよくする
• 湿度が高過ぎる場所に置かない
• 虫食い予防には衣類用の防虫剤と一緒に保管する

直射日光をはじめ、高温多湿の場所に書道用紙を置いておくとシミができたり耐久性が落ちたりしてしまいます。正しい方法で保管しておくと、いつでもすぐ使用ができます。

書道用紙を使用することなく、手軽に文字の練習ができるのが水書き用紙です。水で書くので手や服、部屋の中汚しません。また、水で墨汁のような字が書くことができ、用紙を乾かせば繰り返し使えます。

また、罫線が半紙に移る練習用に最適な下敷きもおすすめです。書道用紙を折り曲げなくても、下敷きのラインがきっちり写り、バランス良く字が書けるので一つ用意しておくと便利です。

書道で使用する紙にはさまざまな特徴や違いがあります。書道用紙を決めるポイントは、どのような作品作りに使用するのかを明確にすることです。目的が決まればどのタイプの紙を用いれば良いかが定まります。ぜひ記事を参考に、お気に入りの書道用紙を見つけて素敵な作品作りを楽しんでください！