光回線のモデムとは？ルーターとの違いは？繋ぎ方やランプの意味も詳しく解説！

インターネット回線の開通工事をしたとき、屋内に配線を引き込みその終わりに機器が接続されたのを見ている方は多いでしょう。ただ、この機器が一体何の役割をしているのか知っている方は少ないかも知れません。

この機器はモデムまたはONUと呼ばれています。ただ、「複数並んでいるけど、どれがモデム（ONU）？」「他の機器は何？」と思う方もおられるでしょう。実は、この機器たちはインターネット接続にはとても重要で欠かせないものです。

今回は、現在ではインターネット回線の主流になっている光回線の「モデム」について解説していきます。また、「モデム」以外で接続に重要な機器についても、役割などを説明するのでぜひご参考ください。

光回線を始めインターネット回線には、「回線・プロバイダ・モデム」の3つが必要です。そのうち、モデムは回線の終わりに接続して回線から送られてくる信号をパソコンなどの機器が理解できるデジタル信号に変換するもので、これがないと回線を機器に接続しても情報を読み取れずインターネットができません。

もともと、「モデム」はアナログ信号をパソコンなどが理解できるデジタル信号に変換する装置を指します。そのため、アナログ信号でなく光ファイバーを通る光信号を使って通信する光通信では、正確にはモデムでなくONUという装置です。光回線が一般家庭でも普及した現在では、設置されるのはONUになっています。

光回線の開設工事をするとき、「光回線はモデムがいらない」と聞いた方がいるかもしれません。モデム不要なのに先に言った「モデムなしではインターネットに接続できない」というのは矛盾しているようですが、これにはインターネット回線の変遷が関係しています。

光回線が登場する前インターネット接続は電話回線でした。電話回線のアナログ信号をデジタル信号に変換するのに、モデムを使っていました。一方、光回線は光ファイバーを通る光信号を使い、デジタル信号への変換用にONUを使います。そのため、アナログ信号変換用の「モデム」が不要というのは本当です。

ただ、モデムもONUも回線を通ってきた信号を電子機器が読み取れるデジタル信号に変換するという役割は同じです。光回線が普及し始めた頃にはすでにADSLなど電話回線を使ったインターネットが多く使われていたため、同じ役割のONUを慣習的に「モデム」と呼んでいます。

ONUは「Optical Network Unit」の略で光回線終端装置とも言われます。光通信ネットワークの終端部分に置かれ、光ファイバーを通る光信号をデジタル信号に変換する装置です。自宅に引き込んだ光回線から送られてくるのは光信号ですが、パソコンなどの電子機器はデジタル信号しか理解できません。そのため、ONUがないとインターネットができないのも同然になります。

モデムはアナログ信号をデジタル信号に変換する装置のため、役割的にはONUと同じです。そのため、光回線が主流になりONUに替わってからも「モデム」と言うこともあります。ONUもモデムもインターネットをするのに不可欠なので、一般的には契約した回線業者から貸し出されます。

ルーターはONUやモデムと全く別物で、複数の端末が同時にインターネットに接続できるための機器です。ルーターはインターネットを自由に使うのに欠かせないIPアドレスを各端末に替わって管理しています。

回線と別に契約しているプロバイダはインターネット世界の住所であり通行証でもあるIPアドレスを所有し、契約するとIPアドレスが1つ貰えます。IPアドレスが与えられて初めてインターネットの世界に接続できますが、ルーターがない状態だとIPアドレスは端末1つに直接あてがわれて別の端末ではインターネットに接続できません。

このような不都合を解決するため、モデム（ONU）と端末の間にルーターを設置しています。ルーターにIPアドレスを一元管理させることで、ルーターに接続された各端末が管理されたIPアドレスを使えるのです。

ホームゲートウェイは、「光電話に対応しているルーター」と言えます。通常のルーターと違い、光回線の光信号をパソコンなどが読み取るデジタル信号だけでなく電話で使うアナログ信号も可能な複数の規格に対応した機器です。そのため、光電話を契約している場合に提供されます。

光回線の新規開設と同時に光電話を契約した場合、多くはONU機能が付いたホームゲートウェイが提供されます。しかし、もともと光回線がある場合にはONUはそのままでONU機能のないホームゲートウェイが提供されるプロバイダもあります。

また、Wi-Fi機能まで搭載しているものもあり、この場合はONUやWi-Fiルーターなど複数の機器を置かなくて済みます。

ここでは今までに解説したモデム・ONU・ルーター・ホームゲートウェイの4つの機器についてそれぞれの特徴を比較してみました。

モデムとONUは役割がほぼ同じで、変換する信号が違うだけと言えます。ルーターは現在ではWi-Fiが付いているのが多く、Wi-Fiで接続するのにも欠かせない機器です。モデム・ONU・ホームゲートウェイが通信業者からのレンタルなのに対して、ルーターは基本的にユーザーが購入します。

光回線のモデム、つまりONUは契約したプロバイダから無償で提供されることが多いです。光回線からONUへの接続は開設工事の際に業者が設定するので、自分で取り付ける必要はほとんどありません。

ONUからパソコンまでの機器への接続は、間にルーター（Wi-Fiルーター含む）かホームゲートウェイかのどれが入るかによって変わってきます。また、接続をするときは機器の電源を全て切っておきましょう。

LANケーブルを使う有線接続の場合は次の通りです。

1. ONUの「UNI」ポートにLANケーブルの片方を差し込み、もう片方をルーターの「WAN」ポートに差し込む
2. ルーターの「LAN」ポートから各機器のLANポートへLANケーブルで接続
3. ONUとルーターの電源を入れる

ルーターがWi-Fiルーターの場合は次の通りです。

1. ONUの「UNI」ポートにLANケーブルの片方を差し込み、もう片方をルーターの「WAN」ポートに差し込む。
2. Wi-Fiルーター本体の裏面などに記載されているSSIDと暗号化キーを事前に確認しておき、パソコンなどのWi-Fi設定画面からWi-Fiの一覧を表示させ、調べたSSIDと同じ名称のWi-Fiを選択
3. 選択して開いた入力画面に暗号化キーを入力するとWi-Fiの接続完了
4. ONUとWi-Fiルーターの電源を入れる

Wi-Fi接続の作業はWi-Fiルーターや接続する端末の仕様によって自動化できるものも多いです。

ONU機能が付いているホームゲートウェイの接続方法は次の通りです。

1. 光回線の終端をホームゲートウェイに接続（開設工事のときに終了している場合が多い）
2. 電話機とホームゲートウェイの電話機ポートを、電話機ケーブル（モジュラーケーブル）で接続
3. ホームゲートウェイのLANポートから各機器にLANケーブルで接続

4. 全ての機器の電源を入れる

ONU機能がない場合は次の通りです。

1. ONUの「UNI」ポートにLANケーブルの片方を差し込み、もう片方をホームゲートウェイの「WAN」ポートに差し込む。
2. 電話機とホームゲートウェイの電話機ポートを電話機ケーブル（モジュラーケーブル）で接続
3. ホームゲートウェイのLANポートから各機器にLANケーブルで接続
4. 全ての機器の電源を入れる

Wi-Fiを使用する場合、3ではLANケーブルの一方をWi-Fi親機のWANポートに接続してWi-Fiの設定に従ってWi-Fiを接続します。

ONUには次のようなランプが4つ付いており、ONUが正常の場合には普通緑色に点灯しています。

• 認証（AUH）ランプ

• UNIランプ

• 光回線ランプ

• 電源ランプ

このランプが消えているとき、または色が違うときはONUに何らかのトラブルが発生してるので対処が必要です。

認証（AUH）ランプが消えているときは、ONU自体にエラーが発生している可能性が高いです。この場合、一旦電源を抜き10秒ほどしてから電源を入れてONUを再起動するのが有効です。一時的な不具合なら再起動で改善されます。

もし再起動を繰り返してもランプが消灯したままなら、利用しているサービス事業者に連絡してONUを交換してもらいましょう。

UNIランプはルーターやパソコンなどの機器がONUに接続されているかを示しています。

UNIランプが消灯している場合、ONUとルーター・パソコンなどの機器との接続が途切れている可能性が高いです。各機器の接続を確認し、ケーブルが抜けていないかを確認しましょう。繋がっているように見えても接触不良や断線の可能性もあるので、何度か差し直してランプが点灯するかも確認します。なお、緑点滅はデータを送受信している最中を示しているので故障ではありません。

光回線ランプはONUに光ケーブルが接続できているかを示しています。こちらはランプ点灯の際、緑色だけでなく橙色になるときがあります。

光回線ランプが消灯している場合、光ケーブルとONUが繋がっていない可能性があります。また、橙点灯が続いているときもONUの故障が考えられるので、消灯と橙点灯が続く場合はサービス事業者に連絡しましょう。なお、ONUを動かすファームウェアを最新版に更新しているときには橙点滅になります。これは完了次第緑点灯に戻るので心配ありません。

電源ランプは文字通りONUの電源が入っているかどうかを示しています。また、ONUが故障しているかも分かります。

電源ランプが消灯している場合、ONUの電源プラグがきちんとコンセントに差し込まれているか確認します。赤点灯になっているときはONU自体が故障しているので、サービス事業者に連絡して交換してもらいましょう。

ここではモデムについてよくある疑問をまとめてみました。ONUがないとインターネットができないのも同然なので、分からないことがある場合は早めに解決しておきましょう。

• モデムは自分で購入できる？
• 光回線のモデム（ONU）の交換時期は？

基本的にモデム（光回線ではONU）は販売されておらず、契約したサービス事業者からレンタルします。多くの業者では、モデム（ONU）は無料です。そのため、故障の場合ユーザーの加湿でない限り無償で交換してくれます。

一方、ルーターは基本的にユーザーが各自で用意が必要です。家電量販店や通販サイトで多く販売されていますが、1人暮らしなど使う場所の面積が狭く接続機器も少ないなら7,000～8,000円ぐらいで構いません。しかし、場所が広い・接続台数が多いなどの条件があるなら、性能がよい1万数千円のものをおすすめします。

また、契約によってはONUと一緒にルーターもレンタルできます。ルーターの性能がよく分からないなら、レンタルするのもいいでしょう。

光回線のモデム（ONU）も機械である以上寿命があります。ONUの耐用年数は家電類と同じく7～10年です。ただ、ONUは基本的にレンタルなので故障しない限りそのまま使い続けても心配ありません。

ONUの交換時期と思われる症状として、次のことが挙げられます。

• インターネットが接続しにくい
• 通信速度が極端に落ちた
• ランプなど機器の動きがおかしい

ユーザーの過失でない寿命による故障の場合は、契約しているサービス事業者に連絡すると無償で取り替えてくれます。

今回は、光回線に使われるONUを中心にモデムのことを解説しました。光回線普及のおかげで、インターネットは本来の意味でのモデム経由の接続から性能が段違いに良くなっています。各機器の役割などを理解して、より快適なインターネットができるようにしましょう。