レーシックに年齢制限があるのはなぜ？40代・50代以上でもできる？【老眼・白内障との関連も紹介】

レーシック手術に18~60歳くらいまでと年齢制限があるのは、2つ理由があります。まず、18歳未満の未成年者はまだ近視が進行中の恐れがあるためです。その状態でレーシックを受けると、術後にも近視が進んで視力低下してしまいます。

60歳くらいまでと上限が大まかに定められているのは、40代・50代以上になると老眼・白内障になる可能性が上がるためです。通常のレーシックでは老眼や白内障治療はできません。

そのため、年齢が高くなるほど検査で適応になることに加え、老眼・白内障になった場合のことも考えて手術を検討しなければいけません。

レーシック手術を受けるのに最適な年齢は20~30代です。20代~30代になると視力が安定し、また、老眼などのリスクもあまり考慮する必要がありません。老眼が始まるまでの20~30年裸眼で生活できると考えると、メリットは大きいでしょう。

ただし、年齢が最適であっても必ずレーシックが適応できるとは限りません。次の項目でのレーシックが適応できる条件も踏まえて、手術方法を医師と検討しましょう。

レーシック手術ができる条件は年齢だけではありません。ここでは、手術ができる人の条件をまとめました。実際に手術できる・手術できないは検査をしなければわからないため、検査予約前にぜひ参考にしてみてください。

まずは、角膜の厚みが十分にあることがポイントです。レーシック手術は、目の表面にある角膜を削って形を調整し、近視・乱視・遠視を治療する手術です。そのため、角膜の厚みが薄いと手術が受けられない可能性があります。

また、角膜の形状がいびつな場合や不正乱視がある場合も不適応になる場合があります。これらは、術前検査と診察で判断ができます。

白内障・緑内障・網膜疾患・円錐角膜など、眼疾患がある人は適応検査で手術不可となります。

目に病気を抱えてたままレーシックを受けると、術後の経過が良くなかったり病気を悪化させてしまう危険性があるためです。まずは治療を行い、医師から許可を得てからレーシックなどの視力矯正手術を検討しましょう。

重度の糖尿病・膠原病・全身性血管炎・重度のアトピーなどを患っている方は、レーシック手術が受けられない可能性があります。また、精神系・ホルモン系の薬を服薬している場合も、適応から外れるケースがあります。

重度な病気を患っている、傷の治りに影響のある薬を飲んでいる場合や、自分が当てはまるか分からない時には適用検査時に医師に相談しましょう。

妊娠や授乳中の人は、レーシック手術が受けられません。目の屈折値が不安定で、正しく検査ができないことが理由です。

また、手術中と術後にステロイド点眼薬の使用をしなくてはいけないため、授乳期間を終えてからレーシックなどの視力矯正手術を検討しましょう。

「レーシックすると老眼・白内障リスクが上がるのでは？」

「術後10年・20年後が心配」

といった不安のある方も多いのではないでしょうか？

しかし、実は老眼も白内障も加齢が原因であり、レーシックの有無との関連はありません。ここでは、老眼・白内障とレーシックの関係性を解説します。40代・50代以上でレーシック検討中の方はぜひ参考にしてください。

白内障の症状がある場合、レーシックをしても視力の回復が見込めず検査でNGとなります。まずは白内障の手術をしてから、その後に近視・乱視治療(タッチアップ)をする方法をとるのは可能です。

また、白内障手術の際に多焦点眼内レンズを入れることでも視力矯正・老眼治療ができます。

通常のレーシック手術は近視・乱視・遠視の治療はできますが、老眼の治療はできません。老眼を改善したい方は 、「モノビジョンレーシック」や「遠近両用レーシック」で老眼治療をしているクリニックでの治療を検討しましょう。

また、フェイキックIOL手術のひとつであるIPCL(老眼用ICL)で老眼による視力低下を改善する方法もあります。いずれも通常のレーシック・通常のICLとは見え方の質や費用が異なるため、一度クリニックに相談してみるのがおすすめです。

老眼は加齢が原因ですので、レーシックを受けた後に老眼になる可能性は十分にあります。また、視力戻りや白内障などで視力が再び低下する可能性があることも念頭に置いておきましょう。

レーシックは角膜を削るため、一度削ってしまうと再び角膜を厚くはできません。レーシックの回数制限は原則1回、角膜の厚みが十分な場合でも2回までです。  レーシック手術後でもできる近視・老眼治療はICL手術です。    

IPCL(老眼用ICL)は、近視・遠視・乱視に加えて老眼の矯正も可能な眼内コンタクトレンズです。白内障手術の時に用いられる、多焦点眼内レンズの構造を応用して設計しています。

白内障手術の場合は水晶体を取り除きレンズを入れますが、IPCL(老眼用ICL)はフェイキックIOLのひとつなので、水晶体を残したままレンズを挿入します。

多焦点眼内レンズは、白内障手術の時に使われる眼内コンタクトレンズのひとつです。濁った水晶体を取り除き、代わりに目の中にレンズをいれます。近くにも遠くにも焦点が合うように設計されています。

国内では2008年から先進医療の対象になり、2020年4月より「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」手術費用の一部が保険適用となりました。

老眼や白内障などについても念頭に入れると、40代・50代の方は特にレーシック・ICL含めていろいろな選択肢を検討するのがおすすめです。そこで、ここではレーシック・ICL手術のメリットデメリットをわかりやすくまとめました。

レーシックは視力矯正手術の中でも費用が比較的安く、日帰りで手軽に手術が可能なのが大きなメリットです。メガネ・コンタクトなしで裸眼で生活したい、術後すぐに仕事に復帰したいといった方には向いています。

ただし、レーシックは角膜を削る手術です。術後は目の状態を元には戻せません。ドライアイやハローグレアなど一時的な後遺症リスクもあるため、事前に医師とよく話をしておきましょう。

ICLは、目の中にコンタクトを埋め込む手術方法のため、将来的に白内障治療が必要になったらレンズを取り出して通常通り手術できます。万が一のリスクに備えられるのがメリットです。また、後遺症の可能性もレーシックより少ないと言われています。

ただし、レーシックに比べて費用相場が40~70万円とかなり高額な傾向です。手術は適応するかどうかに加え、無理のない予算で行いましょう。

ここではレーシック手術ができる全国展開のあるクリニックや、眼科医療において著名な医師・眼科専門医の在籍するクリニックを10院紹介します。それぞれのクリニックの特徴や手術費用を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

レーシック手術は日帰りで手術可能ですが、デスクワークや屋内での作業であっても術後2~3日は控えましょう。事前に数日休みを取り、翌日の定期検診などで医師と相談しながら再開時期を検討しましょう。

レーシック手術は残念ながら保険・高額医療費制度の対象にはなりません。費用をできる限り抑えたい方は医療費控除や民間の生命保険の給付金条件を確認してみましょう。

レーシック後、ごく稀にドライアイやハロー・グレアが発生する可能性があります。どちらの症状もほとんどが一過性の症状です。また、約5%の確率で近視戻りが起きたり、近視・遠視が新たに進行する場合もあります。

レーシックは、角膜を削って手術を行います。一度削った角膜の厚みは戻りません。そのため、レーシック手術は原則1回のみです。角膜の厚みが十分にある場合に限り、2回まで行えます。    

老眼用ICL・多焦点眼内レンズの最も大きなデメリットは、手術費用の高額さです。費用相場は60万円程度といわれていますので、レーシックよりも高額です。

また、夜に光を見たときにギラギラしたりまぶしさを感じる現象、ハローグレアが発症する可能性もあります。

レーシック手術前の検査には、眼圧測定・角膜形状解析・角膜内皮検査・角膜厚測定・眼底検査などがあります。内容・時間はクリニックによって違いがありますが、それぞれの項目を約2~3時間程度で検査します。

レーシック手術は回復が早く、術後翌日の検査時には1.0~1.5程度に回復する場合が多いです。ICLも数日以内には1.0以上に回復します。術後は定期検診で経過観察をしながら、視力が完全に安定するのを待ちましょう。

▼こちらの記事もあわせてチェック！▼