PPPoE(IPv4)からIPoE(IPv6)の切り替え方法は？確認方法も！

インターネットの接続方式であるIPv4。最近は高速なIPv6（IPoE）方式での提供が一般的となりましたが、はっきりいってどういう意味かよくわからない・切り替えが必要なのかもわからない…との方が多くはないでしょうか。

IPv6通信は確かに高速ですが、中には「使えるのに利用していない方」もいます。無線ルーターに設定が必要と言われると、難しいと思ってしまいますよね。しかし、落ち着いて何の設定が必要なのか理解すれば、そう難しい作業は必要ありません。

この記事では、IPv6（IPvE）通信への切り替え方・無線ルーターの設定・IPv6通信のよくある質問について解説します。IPv6対応のおすすめ光回線も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

無線ルーター設定時に、サポートの人にやってもらった、らくらく乗り換え設定を使ったので、「ルーターの設定画面に入ることの意味がわからない…」という人もいますよね。実は無線ルーターは、Wi-Fiで繋がっているパソコンやスマートフォンから直接設定画面に入れます。

やり方は簡単で、スマートフォンのブラウザのURL打ち込み欄に、無線ルーターのIPアドレスを打ち込むだけ。肝心のIPアドレスは機種・メーカーごとに違いますが、実はスマートフォンで調べられます。

• iPhone・Android共通
  
  設定に入る
  ↓
  
  Wi-Fiに入る
  ↓
  
  接続中のWi-Fiの情報を確認する
  （ルーター・ホームゲートウェイなど表示あり。192.168.xx.x.などの数字）

ちなみに、PCやタブレットでも接続中のWi-Fiとルーターの情報は必ず表示されます。どのデバイスからでも調べられますよ。

• 一部例…
  
  バッファロールーターの場合
  192.168.11.1
  192.168.0.1
  192.168.12.1
  
  エレコムのルーターの場合
  192.168.2.1

ここからは、今接続している回線がPPPoE(IPv4)なのか、IPoE(IPv6)なのか確認する方法について解説します。

今インターネットに接続しているパソコンの表示で、接続状況を確認することもできます。「Wi-Fiの設定画面」を開いて、以下のようなIPアドレスが出てくるかで判別できます。

• IPv4につながっている状況…
  
  「1XX.XX.XXX.X」のような、1〜3桁の数字の組み合わせの表示しか出てこない。（IPv6と併用で出てくる場合もあるので、これのみかどうかを確認）

• IPv6につながっている状況…
  
  「XXXX:XXXX:XXXX:2b00:b5af:a1fb:5804:75fb」のようなアドレスが出てくる。
  
  

PCやスマートフォンのWi-Fi設定・インターネット接続設定から確認できます。

まず一つ目がこの、IPv6にせっかく切り替えたのに通信独度が遅いという問題。なぜ速度が出ないのか、原因が多岐にわたるため順に見て行きましょう。

まず考えられる原因は、無線ルーターやONUなど回線設備の環境が古い点です。無線ルーターは故障がわかりにくい電化製品ですが、実は5年程度で寿命を迎えるという話さえあります。また、数年前の速度上限の低いルーターを使用している場合も、当然速度が出ません。

また、光回線終端装置（ONU）をご利用中の場合、こちらの故障も考えられます。ONUはフレッツ光からの貸し出し品で、光コラボ事業者もNTTから借りる形で利用していますが、開通時に新品が送られてくることはまれで、多くが中古品です。

レンタル品のため中古でも不便はないものの、古いものでは15年経過した端末も出てくる時期です。点灯表示の異常や異音がした場合は、光回線事業者に問い合わせてください。

IPv6通信への切り替えは、回線やルーター側の問題とばかり思ってしまいそうですが、実はPC側でIPv6通信が無効になっている場合もあります。

• Windowsでの設定
  
  [設定]→[コントロールパネル]→[ネットワークとインターネット]を開く
  
  その後、[ネットワークの状態とタスクの表示]→[状態→][ネットワークと共有センター]を開く
  
  [アダプターの設定の変更]→[イーサネット]→[プロパティ]
  
  [ユーザー アカウント制御]→「はい」
  
  タブ[ネットワーク]→[インターネット プロトコル バージョン 6 (TCP/IPv6)]: チェックを付ける
  
  「IPv6 アドレスを自動的に取得する(O)」にチェック
  「DNS サーバーのアドレスを自動的に取得する(B)」にチェック
  
  

• Macでの設定
  
  [システム環境設定]→「ネットワーク]をクリック
  
  IPv6で使用したいネットワークサービスを選択。
  
  [詳細]→、[TCP/IP]を選択。
  
  [IPv6の設定]→自動（手入力の場合は手打ちする）
  
  

基本的にIPv6アドレスは自動取得できますが、中には「手動のみ」といった設定になっている場合もあります。一度確認してくださいね。

築30年以上の集合住宅に多い問題として、配線設備自体が古くて速度が出ない場合もあります。そもそも集合住宅における光回線の仕組みですが、物件に近い電線の光ファイバーを、一度建物内の設備まで引き込み、その後各部屋へ分配します。この各部屋へ分配する回線が「電話線」だと、速度が出ません。

電話回線で分配しているマンションを、フレッツ光では「VDSLプラン」と呼んでおり、多少月額料金が安いです。それもそもはず、物件に入ってきた回線を住民分け合う・その上電話線の最大速度100Mbpsのため、速度は非常に遅いです。

IPv6通信に変更して多少なりとも速度が改善する場合もあります。しかし、劇的な変化になる可能性は低いです。

• VDSLプラン（電話線）で速くする方法は？
  
  物件の設備なので個人の力では限界がある
  大家さんの許可があれば、自分用に戸建用プランが引き込める
  ホームルーター（速度面でおすすめはドコモのhome5G）にする　など…

ここからはそもそも「IPv4とIPv6」「PPPoEとIPoE」の概要・違いについて解説します。ここがわからずもやもやしている方は、ぜひここで理解していってくださいね。

二つの違いを解説する前に、そもそもこの「IPv4」「IPv6」が一体何を差すのかがわからないと、理解するのが大変です。これらは、

Internet（インターネット）
protocol（プロトコル）
version（バージョン）
4

の頭文字で、IPv4と略されたものです。インターネットプロトコルバージョンとは、簡単に訳すと「インターネットのルール」になります。なんのことだかわかりませんよね。でも、「198.XX.XXX.XX」といった数字には見覚えがありませんか？

これはIPアドレスといって、インターネット上での住所のこと。その家ごとに割り振られる数字で、人と重複することはありません。今はIPv6のため、「XXXX::XXXX:XXX:30cd:a16e」のように、桁が増えました。インターネットプロコトルとは、このような「通信の決まりごと」という意味です。

そして、この住所と組み合わせて使うインターネットのルールに「認証」があります。プロバイダから割り振られたユーザーIDパスワードでその認証をしますが、その認証こそが、PPPoE方式・IPoE方式といって、これから解説する内容です。

PPPoEは昔からある接続・認証方式で、「PPPでイーサネットに接続する」という意味です。このPPPとは電話回線時代の通信で、イメージ的には大昔のもの。これからの時代仕組みを覚える必要はないため詳細は省略しますが、問題は「なぜ遅いのか」ですよね。

PPPoEはインターネットプロバイダに接続する度に、ユーザーIDとパスワードで認証が必要です。毎回その認証をしていると、モデム（ONU）にトラフィックが溜まり負荷となります。モデム自体は処理速度はそこまで速くないため、負荷がかかる分処理能力も下がり通信が遅くなります。

要するに、IPv4（PPPoE）とは、プロトコル自体がver4と旧式で、認証方式も付加がかかるもの、となります。

IPv4のPPPoEが旧式で負荷もかかる方式なことは、上記解説でなんとなくわかっていただけましたか？それを踏まえた上で、IPv6のIPoE方式とは？を解説します。

まず、IPoE方式は通信速度がぐっと速くなりました。理由は、PPPoEの電話線時代の方式とは違い、もともとインターネットに接続するのを前提としている方式のため。ユーザーIDとパスワードで毎回認証のような手間はなく、回線で自動認証するため負荷がかかりません。

ただし、IPv6通信はIPv6に対応したWEBページしか見れないため、中には閲覧できないページが発生してしまいます。そこで生み出されたのが「IPv4 over IPv6」という接続方式。これは、IPv4接続をIPv6と誤認させることで、毎回のIPパスワード認証をパスして接続します。従来のようにページの閲覧が可能で、ほとんどのプロバイダが対応しています。

ここまでIPv6とIPv4通信・PPPoEとIPoE接続の違いや切り替え方法について解説してきました。インターネットの設定は難しくてわかりにくいと思ってしまいがちですが、落ち着いて行えば意外と簡単だった…ということも少なくはありません。まずはご利用のルーターの設定の確認をしてみてくださいね。