茶筅のおすすめ10選｜初心者でもわかる選び方を解説

近年、お家時間を有効に使いたい・ホッと一息つきたいと考える人の間で、お茶が注目を集めています。お茶なら深い味わいはもちろん、ゆったりとした時間も楽しめます。

ただ、お茶を点てるのに必要な茶筅には流派によって種類が違ったり、穂の数が製品によって異なったりして、どれを選べばいいのか、わからなくなってしまいますよね。

そこで本記事では、おすすめの茶筅を紹介するとともに、お茶の種類や流派別の茶筅の選び方・茶筅のお手入れ方法も解説しています。これからお茶を始める方でもわかるようにまとめたので、ぜひ参考にしてください。

ここでは茶筅に関する基礎知識を解説します。茶筅とは、茶道で抹茶を点てる(抹茶とお湯を混ぜること)のに用いられる道具です。多くは竹でできており、使えば穂先がすり減ったり折れたりすることもある消耗品です。

実は、そんな茶筅のほとんどが奈良県生駒市高山町で作られています。室町時代にこの地域一帯を支配していた大和鷹山城主の次男である鷹山民部丞入道宗砌によって茶筅が開発され、そこから脈々と、この高山の地で技術が受け継がれてきました。

ただ、茶筅は流派によって種類が異なります。趣味としてライトに楽しむことが主たる目的なら気にする必要はありませんが、茶道を本格的に志すならこうした部分にも、こだわるようにしてください。

茶筅は百貨店や茶道専門店などで買うのが一般的です。ただ最近では、大型店舗に限りますが、ホームセンター・イオン・ニトリ・ダイソーなどでも茶筅を販売していることがあります。また、ふるさと納税の返礼品とされている例もあります。

中には「無印良品で茶筅は売っているの？」との声もみられますが、残念ながら販売はしていません。安い茶筅がほしい人はAmazonなどのECサイトを探してみるようにしましょう。

初めて茶筅を買う人・茶筅選びに慣れていない人の中には、格安の中国製のものを選ぼうとする人もいますが、これ、実は注意が必要なんです。というのも、中国製の茶筅は日本製の茶筅に比べると品質が低い場合が多く、買って後悔してしまうことがあるからです。

最悪の例だと、届いた製品に傷がついていた・漂白剤で強引に竹を白くした製品だったなどのケースが報告されています。こうしたケースには該当しない場合でも、保存環境や保存期間がわからないことが多く、やはり購入は控えるのが無難です。

また、言語的な齟齬によりイメージとは異なる製品が届いてしまうケースもあります。その最たる例が「百」です。この漢字は数字の100を意味せず、完全・多いなどの意味で使われます(数字の100を言いたいときは「一百」と書く)。こうした言語的知識のない状態で製品を購入してしまうと、理想と異なる製品が届いてしまうこともあるので注意しましょう。

茶筅の穂先の数にはいくつか種類があり、使用する用途に合わせて適切な数のものを選ぶ必要があります。なお、ここでいう本立はあくまでも目安の数字であり、たとえば、「70本立」と書いてあるからといって必ずしも穂先の数が正確に70本であるとは限りません。

初心者の方は手になじみやすく、お茶を点てやすいの80本立や100本立の茶筅を使うのがおすすめです。以下に、主な茶筅の種類と穂の数を紹介します。

茶筅の竹の種類・形状は基礎知識の部分でも触れた通り、流派にあったものを選ぶ必要があります。たとえば、裏千家・石州流などの場合は白竹の茶筅を、表千家の場合は煤竹のものを用います。

また、形状に関しても武者小路千家では、穂先がまっすぐ伸びたものを使うなど、流派によって変わります。ただし、趣味の範囲でお茶を楽しむ場合は自分が使いやすいものを選んで問題ありません。

下編み・上編みとは茶筅を作る工程の1つで、削り出された穂を糸で結びつけていく作業のことを言います。そして、この上編みには一般的に黒い糸が使用されています。

ただ近年、茶筅の手作り体験などでは、個性的でおしゃれな茶筅を作るために、色糸で上編みをする人が増えています。自分だけの茶筅がほしい・おしゃれな茶筅で友人とお茶を楽しみたいと考えている方はぜひ上編みの糸にもこだわってみてください。

「練習用の茶筅がほしい」「簡単な趣味としてお茶を点てたい」と考えているなら、樹脂製の茶筅がおすすめです。樹脂製茶筅なら、穂先が折れる心配がなく、分解して洗ったり食洗器で洗浄したりできるので、扱いが非常に楽ちんです。

また、竹のように色や匂いが移ることがないので、牛乳やお酒を混ぜるなどの用途にも使えます。よって、幅広い用途で使いたい方や、ライトな用途で長く使いたい方は樹脂製の茶筅も検討してみてください。

真数穂(しんのかずほ)とは、一般的な穂先が大きくカールしている茶筅と異なり、穂全体がゆるやかな卵形にカールしているものを指します。穂の数は数穂と呼ばれる茶筅と同様に70本前後です。

薄茶・濃茶のどちらにも使え、ふんわりと濃密な泡が点てられます。また、穂全体に弾力がありしなやかに曲がるので、穂が折れにくく、他の茶筅に比べると長持ちする傾向にあります。

同じ真数穂でも、白竹・煤竹などさまざまな種類のものが売られているので、流派や好みに合わせて選びましょう。

茶筅はいきなり使い始めるまえに、使い始めの処理を行います。ここではその方法を解説します。まずは用意するものです。

• 水
• お湯
• ボウル(茶碗やたらいも可)
• 購入した茶筅

続いて使い始めの手順です。

1. 購入した茶筅を箱から慎重に取り出す
2. その間に水をボウルやたらいに張る
3. 水の張ったボウルに穂をつけ、軽く洗う
4. お湯をボウルか茶碗に入れる
5. お湯に穂をつけ、お湯になじませる(この工程を茶筅通しともいう)
6. 実際に使い始める前に、茶碗で再度茶筅通しを行う

お湯にさらすことで穂先のカールが緩やかになり、お茶が点てやすくなります。なお、茶筅を水にさらすとき、蛇口から出た水を直接当てるなどの行為は禁物です。穂が使う前に折れないように、作業は慎重に行うようにしましょう。

茶筅は少しでも長く使えるよう、お手入れを丁寧に行うことが大切です。茶筅のお手入れの手順は以下の通りです。

1. ボウルや茶碗にお湯を張り、穂先についた抹茶・よごれをすすぐ
2. 抹茶がお湯だけでは落ちない場合、手で慎重に汚れをとる
3. 穂先の形を整える
4. 風通しのいいところで乾燥させる(直射日光に当てないようにする)

茶筅はそのまま置いておくと、次第にすぼまってきます。穂先がすぼまると茶筅に湿気がこもりやすくなったり、お茶が点てにくくなったりしまいます。これを防止するために、茶筅の使用後は茶筅休めと呼ばれる陶器に挿すようにしましょう。

日常に茶道を取り入れれば、忙しい社会人の方でも心落ち着く時間を簡単に設けられます。使用用途に合った茶筅を選んで、素敵なお茶ライフをお過ごしください。

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