帚木蓬生の小説おすすめ11選｜新刊も紹介！映画化された『閉鎖病棟』など

心温まる小説を読んでみたいけれど、どの作家の作品が適しているかわからない、と作品選びで迷った経験はありませんか。帚木蓬生の小説は心に残る作品でおすすめです。コロナ禍での家族と医療従事者について書いた新刊も話題となっています。

帚木蓬生は精神科医としてクリニックを開いている作家でもあり、数々の受賞作を生み出しているのが特徴的です。医師としての視点を生かした作品も多くあり、生き方や人の在り方について書いた小説を読みたい方にも適します。

こちらの記事では、帚木蓬生の作家としての特徴やおすすめの小説の選び方について解説します。おすすめ小説の具体例と口コミのほかにも、映画化された『閉鎖病棟—それぞれの朝—』についても紹介するので、ぜひご覧ください。

帚木蓬生は聖教新聞にてネガティブ・ケイパビリティの大切さを説いた作家としても知られています。ネガティブ・ケイパビリティとは、コロナ禍の「白か黒かでは割り切れない」経験が多く生まれる社会で、「中ぶらりんの状態を持ちこたえる能力」を指す言葉です。

物事に対して性急に理由を求めず、懐疑の中で耐える能力が重要といった言葉は、精神科医として抑うつ状態・不眠に悩む方々を見てきた帚木蓬生ならではの意見となっています。

帚木蓬生はコロナ禍での家族と医療従事者を描いた新刊『花散る里の病棟』が話題になっている作家でもあります。福岡県を舞台に、近現代日本の100年に及ぶ医療の現場や、医療に携わる医師一家をテーマとした作品です。コロナ禍の第三波について書かれた場面では、エッセンシャルワーカーに対する差別や戦場のような状態の集中治療室などが描かれています。

史実とフィクションを織り交ぜた構成が特徴的な『ヒトラーの防具』・『聖灰の暗号』は、歴史的な出来事に興味がある方にもおすすめな小説です。『ヒトラーの防具』では、ドイツ人と日本人の両方の血を引く主人公が登場します。戦争へと突き進んでいく世界の中でも、人間らしさを失わない強さを持った人々について描かれているのが魅力です。

医師としての視点を活かした『臓器農場』・『安楽病棟』は、前者では医療現場の倫理について、後者ではあたたかな視点で不思議な病気を抱えた人々について描いているのが特徴的です。どちらも医師としての経験が活きた作品ですが、作風が大きく異なるため、読み比べて楽しむのもおすすめとなります。命や人生について取り上げた、心に残る作品です。

山本周五郎賞に輝いた『閉鎖病棟』は、精神科病棟で起きた殺人事件をテーマとした小説です。犯行に及んだ人物の背景だけでなく、重い過去を抱えながらも明るく生きようとする精神科の患者についても丁寧に描かれた作品となっています。患者視点で展開していくストーリー構成も特徴的で、やさしさがあふれる語り口の物語を読みたい方におすすめです。

柴田錬三郎賞に選定された『逃亡』は、戦時中香港で憲兵として従事していた守田軍曹が命がけで帰国を行うものの、帰国後に戦犯として烙印を押される、といったストーリー展開の小説です。ノンフィクション要素も含んだ作品となっていて、スリルのある展開も楽しめます。戦争や、国家と個人について考えさせられる小説を読みたい方におすすめです。

映画化作品『閉鎖病棟—それぞれの朝—』もチェックしましょう。笑福亭鶴瓶・綾野剛・小松菜奈が出演している映画で、「その優しさを、あなたは咎めますか？」のキャッチコピーが印象的な作品です。生きづらさを抱えた人々や、人と人のつながりで立ち上がっていく姿について丁寧に描かれていて、シリアスかつあたたかい作風は映画の中でも健在となっています。

帚木蓬生のおすすめ小説を読んで心に残る読書体験をしましょう。帚木蓬生の小説は、作品のテーマや受賞作をチェックして選ぶのがおすすめです。帚木蓬生の小説を読書の時間に取り入れて、胸を打つ物語を堪能しましょう。

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