田亀源五郎漫画おすすめ5選｜【ゲイ漫画】海外でも活躍！『銀の華』など

ゲイをテーマにした漫画を読みたいけれど、どの漫画家の作品が適しているかわからない、と迷った経験はありませんか。田亀源五郎は日本のゲイ文化が性表現蔑視により淘汰されないよう活動している漫画家で、漫画としても面白いゲイ作品の作者として有名です。

田亀源五郎は、ハードな表現を含む作品が評価されているだけでなく、2014年から一般誌で掲載された現代日本でのゲイとゲイではない人々の関係・しがらみを描いた作品でも話題となっています。自分の興味に合わせて作品選びができるのが魅力です。

こちらの記事では、田亀源五郎のアーティストとしての経歴・作風や、おすすめの漫画の選び方を紹介します。日本におけるゲイ・アートの巨匠の作品を読んで、ゲイ文化への理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

田亀源五郎とは、多摩美術大学在学中から自身がゲイであると公言している漫画家で、ゲイ・エロティック・アーティストとして世界でも活躍しています。パリ・ベルリン・ニューヨークなどで個展を開き、ヨーロッパでは単行本が発売され、美術館の企画展などにもたびたび招聘されている人物です。

漫画だけでなく、イラストや小説を発表する作家として、さまざまな分野で活躍しています。

田亀源五郎の作品は、漫画・イラスト・小説のいずれもゲイがテーマのエロティックな要素を含んだ作風が特徴的です。特に漫画では、デフォルメ要素を交えつつも体が大きく筋肉質な男性とハードなSM要素が描かれているため、ゲイ文化から遠い方へも強い印象を与えています。

Amazonなどでも試し読みができる漫画があるため、作風に関心のある方はチェックしてみましょう。

田亀源五郎の原点として有名な『男女郎苦界草紙 銀の華』は、明治39年を舞台として、借金をなくす代償に男女郎となった銀次郎が受ける責め地獄を描いた作品です。主人公が肉体的・精神的に何度も痛めつけられていく姿と人間ドラマが色濃く描かれており、上・中・下巻合計で900ページに渡る長編作品となっています。

ハードな描写に抵抗がなければ『PRIDE』がおすすめです。尊大な態度を取る主人公が柴崎教授と出会い、葛藤しながらも教授を主人としてSMの関係を築いていくストーリーとなっています。あらゆるハードなSM描写が描かれた作品で、SMとはいったい何なのか・何を得るためにハードな責めを受けるのか、といったテーマを取り上げているのが特徴的です。

ハードな描写を読むのは避けたいが、同性愛と世の中の偏見について描いた作品が読みたい、といった方にはほのぼのとした作風の『弟の夫』がおすすめです。初めて会うゲイの男性に戸惑う主人公と、主人公の亡くなった双子の弟と結婚していた男性・主人公の娘の3人暮らしを描いた作品となっています。フラットな視点で同性愛について考えられるようになる作品です。

カミングアウトをテーマにした『僕らの色彩』もおすすめです。『弟の夫』と同じく一般誌向けに作られた漫画で、ゲイを自覚しつつもカミングアウトができない悩みを抱えた主人公・主人公に片思いしている少女がゲイ男性である喫茶店のマスターと出会う、といったストーリーになっています。心の揺れ動きが丁寧に描かれ、青春ドラマを感じる作品です。

田亀源五郎の小説もチェックしましょう。田亀源五郎は1986年から小説の執筆も行っていて、1993年からは「城戸呉八（きどごはち）」、1995年からは「鬼頭大吾（きとうだいご）」と名義を変えて小説を執筆しています。また、「絵物語とショート作品」として、絵と文どちらも田亀源五郎が制作している作品もあるのが特徴的です。

田亀源五郎の漫画でゲイ文化について知ってみましょう。田亀源五郎の作品を選ぶ時には、ハードな描写の有無をチェックしたり、原点の作品『男女郎苦界草紙 銀の華』をチョイスしたりするのがおすすめです。田亀源五郎の漫画を読んで、ゲイ・アートへの見識を深めましょう。