香月日輪の小説おすすめ11選｜どんな人？『僕とおじいちゃんの魔法の塔』など

香月日輪の本は、ちょっぴり怖くて不思議世界、人間以外の登場人物が多く非日常的、でもよくある出来事の日常が面白く、子どもから大人までハマってしまいます。面白く読みながら、他の人とのかかわり方を、知らず知らずに学べる児童書としても秀作と言えます。

題名からも妖怪や魔法などの言葉が使われているので、なおさら児童書と思われますが、親世代が読んでも違和感なく読めて、逆に親の方がシリーズの続きが楽しみになるほど人気を得ています。

現実社会でのいじめ問題や、家族との関わりに悩みを抱える人の気持ちを軽くし、勇気を与えてくれるような作品が多いです。大人も子どもも、非日常に浸れる読書ができる、香月日輪の小説はおすすめです。

香月日輪はペンネームで、本名は表立っての公表はしていません。一部では記載されていますが、確かな情報なのか不明です。出身は和歌山県で、1963年生まれです。惜しまれつつも2014年に51歳で逝去しています。

香月日輪の著書で『妖怪アパートシリーズ』の登場人物たちの発する言葉が「名言」として話題になっています。「人は変わっていくものだ、それを信じて今の生き方を受け入れる……」など、勇気づけられる言葉が多く書かれており、作者の人柄を感じさせます。

香月日輪の作品は非日常的ではありながらも、人が生きていくうえで大切な物事を、多く書かれた作品が多いです。人間対人間だけの話でなく、妖怪や不思議な生き物との交流を軸にしたストーリ展開で、読者の悩みなどに寄り添う感じが、児童書としておすすめできるところです。

少しホラーチックなところもあります。しかし怖くてドロドロした感じと違い、やさしさに溢れる内容の作品になっていて、ほっこりするホラー系の物語となっています。

香月日輪はまだまだ執筆意欲があったので、絶賛人気シリーズも継続中で、構想途中の作品もありました。しかし、ほとんどのシリーズが一話一話で完結タイプとなっているので、途切れている感じはしないかもしれません。

香月日輪の人気シリーズは数々あり、小説は勿論ですがコミック版も大変人気があります。代表作と言われる『妖怪アパートの幽雅な日常』や『地獄堂霊界通信』『大江戸妖怪かわら版』など他にも著作は、ほとんどがシリーズ化したものが多いです。

登場人物一人にスポットを当てて、番外編として魅力を倍増させ、シリーズの物語に引き込む作品もあります。

2014年に亡くなられシリーズが止まってしまった作品もあります。『僕とおじいちゃんと魔法の塔』は、6巻で終了になってしまいました。7巻の発売を心待ちにしていたファンの落胆は、大きかったようです。

香月日輪の作品はシリーズ物が多いですが、物語は一話ずつ完結しているので、その後の展開を想像しながら読むのも楽しみ方の一つです。

香月日輪の本は小中学校の図書室にも置いてあるほど、青少年からの支持も絶大です。数々の作品がある中でも、親世代からも人気のある作品で特に小中学生にもすすめたい本を5選紹介します。

『地獄堂霊界通信』は、1996年に映画も制作されています。正義感の強い主人公たちがバトルを繰り広げる物語は、スピリチュアルな部分もあり、小中学生から人気を得ています。

善悪がはっきりしていて、痛快活劇的なストーリーが面白く、霊界と言っても怖い感じではなく安心して読める作品です。学校の図書館でも人気上位の書籍です。

『ネコマタのおばばと異次元の森』にも、美味しそうな料理が出てきます。香月日輪の本には食べ物のシーンがよく出てきます。作者本人はあまり料理をしないと言っていたそうですが、謙遜だったのかなと思えるほどです。

親子関係に悩む小学生が主人公で、優しく賢い妖怪たちに助けられ成長するストーリー展開は、香月日輪の得意とするところと納得です。

『僕とおじいちゃんと魔法の塔』は香月日輪が亡くなられ、シリーズ第6巻で終了となってしまった作品です。第7巻を構想中だったそうで、とても残念です。

平凡な少年が、非現実的な事象にささえられ成長していく姿は、子どもに夢を与えてくれ、児童書の傑作と言えます。大人が読んでも面白く、子どもの頃の忘れ物を思い出すような感覚を覚えます。

一冊で終わってしまったのが、とても残念と思えてしまう作品です。『下町不思議町物語』の作中には、人気シリーズの中の登場人物？も出ていて、香月日輪の作品はどこかで全部繋がっているのかと思わせられます。

不思議な街の不思議な住人、子どもが喜ぶ設定のような気もしますが、むしろ親にも読んでもらいたいと思える内容の物語です。　

香月日輪の本の代表作と言われるほどの人気シリーズ『妖怪アパートの幽雅な日常』は全10巻で、納められているのは26話となっています。このシリーズは大変な人気でTVアニメ化もされ、Blu-rai＆DVDとなって2018年に発売されています。

『妖怪アパートの幽雅な日常』の作中で、主人公に向かって登場人物が放つ言葉が「名言」と言われ人気を得ています。

香月日輪の作品に触れたきっかけは、「子どもが読んでいたので自分も読んでみたら面白かった」との声が聞かれます。読んでいるうちに他の作品も気になり、読み始めたらハマってしまった方も多いようです。

『エル・シオン』の世界は香月日輪の他著書のように、読了後も清々しく続きを期待してしまうような作品と言えます。題名の通り物語の舞台が、西洋の空想都市なのですが、独特な世界観に引き込まれ一気に読み進められます。

人間も不思議な生き物たちも壁を作らず、一緒に力を合わせる物語は、香月日輪のメッセージと感じられる作品です。

『大江戸妖怪かわら版』は、元々児童文学シリーズとして刊行されていました。主人公は少年で、現代世界でつらい境遇にさらされていたのですが、妖怪や魔人の住む異世界に暮らすようになり、成長していくストーリーが青少年向きとされています。

しかし、子育て世代の大人が読み、読んでいると子ども時代を思い起こさせるような作品と話題になりました。

『全裸男と柴犬男』は題名から怪しく感じてしまいますが、ある意味期待を裏切りません。登場人物のキャラがとんでもなく個性的で面白くグイグイ引き込まれるのは間違いなしです。

こちらの著作もシリーズとして刊行されています。シリーズ9巻で完結となっていますが、香月日輪が存命であったなら、続いていたのではないかと悔やまれます。

亡くなった後も人気が衰えない香月日輪の小説は、コミック版もあり読者層も幅広いです。個性豊かなキャラクター達の日常とファンタジーが、不思議世界へ誘い楽しませてくれるのは間違いなしです。香月日輪のやさしいホラーは、夏休みにピッタリです！こちらもあわせてご覧ください。