村上もとかの漫画おすすめ8選｜受賞多数の天才！『六三四の剣』など代表作を紹介

2022年5月に東京の弥生美術館で天才漫画家と称される村上もとかのデビュー50周年を記念するイベント（「村上もとか展 ～「JIN―仁―」、「龍―RON―」、僕は時代と人を描いてきた。～」）が催されました。

「JIN―仁―」・「侠医冬馬」・「龍―RON―」などの作品を中心にした約300点の原画が飾られ、本人が選び抜いた名場面や自らの解説で訪れたファンを楽しませてくれていました。

今回はそんな村上もとかについての記事です。プロフィールや描かれる漫画の作風などを紹介します。また、村上もとかの世界観を感じられる代表作とおすすめの作品などについても見ていきましょう。

村上もとかは1951年の東京生まれで本名は村上紀香です。父親の職場が映画製作会社の美術部であったため、子どものころから絵に接する機会に恵まれていました。また自らも好んで絵を描いていた幼少期から漫画にも接します。

小説の挿絵家を目指していましたが、手塚治虫の影響を受けて漫画家に憧れるようになります。高校を卒業してから通い始めた建築製図の職業訓練校を中退し、望月あきらの押しかけアシスタントとなりました。その後は中島徳博のアシスタントをしながら投稿を続けます。

投稿した作品が編集者の目に留まったのが村上もとかデビューのきっかけとなり、「週刊少年ジャンプ」に「燃えて走れ」が掲載されました。

村上もとかの描く漫画は、幅広いジャンルに跨っているのが特徴です。ひとつのジャンルでヒットしても、それにこだわらずに新たなジャンルに挑戦しつづけているのが魅力となっています。読者をドキドキワクワクさせる作品でありながら、何処となくほっこりさせてくれる作風が人気です。

真面目でありながら個性的でクスっと笑えるユーモラスな作品が多く、緻密で巧みな心理描写も広く支持されています。

「岳人列伝」は山を愛する登山家を描いた8話で構成される作品で、各話は全く別の内容となっています。ただし、共通しているのは登場する主人公たちがさまざまな障害と不運に見舞われる内容です。

登山は遭難・ブリザード・高山病・滑落など自然相手の登山には想像を絶する厳しさが待ち受けています。それなのにクライマーがどうして登頂を目指すのか考えさせてくれます。また臨場感あふれる描写も魅力的です。

この漫画は「フイチンさん」を描いた女流漫画家である上田としこの生涯を描いた伝記的作品です。物語は『フイチンさん』をベースにして展開されています。悩みながらもイキイキと生きる主人公の描写が特徴的です。

作品を描き上げるにあたっては、上田としこの人柄に魅せられた本人による関係者への丁寧な取材が敢行されています。このため村上もとかファンのみならず上田としこファンからも多く支持されている漫画です。

剣道一家に生まれた男の子は、生まれた日時にちなんで「六三四」と名付けられました。3歳から六三四に剣道を教え始めた父親の栄一郎は、試合中に東堂国彦から負った傷のせいで命を落としてしまいます。

六三四は東堂に恨みを持ちますが、息子である東堂修羅と出合い好敵手となりました。『六三四の剣』はそんなふたりが互いに切磋琢磨しあって成長していく物語です。

ちなみに村上もとか自身は剣道をしていませんでしたが経験者である父親から話を聞きながら育ちました。そのため剣道に興味を持つようになっています。

押小路龍は京都の名門押小路財閥である押小路男爵家の跡取りとして生を受けます。ところが幼少時から得意としていた剣道の腕で身を立てようと大日本武徳会の武道専門学校へ入学しました。

武専で日々剣の修行に励んでいるときに、想いを寄せ合っていた女中の田鶴ていとの結婚を考え始めます。突然武専を退学した押小路龍は実業家になる道を選びますが、世の中は世界恐慌が勃発して激動の時代に突入してしまったのです。そんな時に龍は自分の出生の秘密を知ったのでした。

南方仁は大学付属病院の脳外科医でした。ある日に急患で運び込まれた男の脳から奇形腫を摘出しますが、その施術以降幻聴に悩まされるようになってしまいます。そんな時に腫瘍を持ちだそうとした患者と揉みあいになって階段から転げ落ちてしまいました。

気が付くと幕末にタイムスリップしていた仁は、森の中で徳川旗本の剣客である橘恭太郎たちが襲われているところに遭遇します。恭太郎たちを助けた陣はそれが縁で橘家に居候しはじめたのでした。

花街で生まれ育ってきていた都築慎太郎は男らしくなりたいと思うようになっていました。士官学校を卒業した慎太郎を待っていたのは異国の地で軍人として生きる生活です。

大日本帝国陸軍大尉となった慎太郎が29歳のときにフランス駐在員に任命され、異国の地で軍人として生き抜きます。

そんなある日、慎太郎は舞踏会で出会った令嬢ソフィに恋をしてしまい、駆け落ちして下町で暮らし始めました。『メロドラマ』は、そんなふたりが第二次世界大戦の渦に巻き込まれていく浪漫と情熱にあふれた物語です。

ノブ・トクガワは自身のタフな肉体と不屈のガッツを武器にして、妹を連れながら北米各地の荒っぽいミゼットカーレースを渡り歩く賞金稼ぎをするドライバーです。彼はシカゴのレースで知り合った英雄ビッグマンであるエンリコ・マンシーニに触発されてドロファイターとしてのし上がっていこうと決意しました。

多くのレースに参加しながらさまざまな人との出会いに恵まれたノブは、やがて名門チームに参加する機会を得ます。何でもありの荒々しくパワフルなアメリカンレースを生き抜く『ドロファイター』の物語です。

村上もとかは、講談社漫画賞・小学館漫画賞・文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞・手塚治虫文化賞・日本漫画家協会賞など多くの賞を受賞しています。

村上もとかは多くの作品を発表していて人気の漫画です。受賞こそしていませんが読み応えのある作品を紹介します。

漫画家によって描かれた作品はすべてが公開されるわけではありません。次々に発表される新作の陰で読者の目に触れずに埋もれていってしまう作品もたくさんあります。

「ぽけまん」ではそんな未公開ながら思い入れのある作品や遺作的なものまでをWeb上に公開して無料で閲覧ができるようになっています。

また、ここには村上もとかがヨーロッパやアジアを歴訪した旅行記「旅の描き歩き」も載せられているので覗いてみてください。

「ぽけまん」では活動の一環としてチャリティイベントも開催しています。参加している漫画家からイラストなどを募ってチャリティイベントなどを催してきました。

オークションでの収益は地震や台風や洪水などで被害を受けた地域での支援活動や福祉協議会へ寄付してきています。このチャリティイベントはコロナ禍の厳しい状況下でも開催が案内されているので覗いてみてください。

村上もとかの作品はジャンルが多いので、読み方や感じ方も人それぞれ違います。しかも同じジャンルへのこだわりが少なく、次の作品がどんな内容なのか予想させてくれません。村上もとかの次の作品に期待が膨らませつつ、既存の漫画に浸ってみましょう。

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