かわぐちかいじのおすすめ漫画10選｜連載中の『空母いぶき』など重厚なストーリーを紹介

かわぐちかいじは、とても多くの漫画作品を執筆しています。その中でも『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』は、アニメ化・映画化されており、大ヒットしています。

かわぐちかいじの作品の魅力は、現実のリアルさを失わずに奇想天外なストーリーを展開していく点にあります。また、異なる価値観を持つキャラクターが自身の考えをぶつけ合うことで、深い人間ドラマを見せてくれます。

かわぐちかいじの作品は数が多いので、どれから読んでいいのか分からないかも知れません。そこでこの記事では、かわぐちかいじの作品の特徴とおすすめの漫画作品をご紹介します。ぜひ最後まで読んで、お気に入りの作品を見つけてください。

かわぐちかいじは、1948年、広島生まれです。父親は戦時中は掃海艇の乗組員を務め、戦後は小型タンカーの船長をしていたらしく、船となじみの深い幼少期を過ごしているようです。

明治大学在学中に「ヤングコミック」への連載が決定し、漫画家としてデビューします。その後約10年程はヒット作に恵まれない状態が続きますが、麻雀漫画で徐々に知名度が上がっていきます。1988年に『モーニング』で連載された『沈黙の艦隊』で日本中の話題となり、一気に人気作家となっていきます。

かわぐちかいじの作品は、スケールがとても大きいのに無理なく話が展開していく点があります。大人が読んでも面白い作品が多いのは、この構想力の高さと世界観の構築の上手さがあります。

その上で、ジェットコースターのように変化するストーリーの中、魅力的なキャラクター達が物語を展開していきます。物語が完結した時には、読者に大きな読後感を与えてくれます。

かわぐちかいじの作品は、連載当時の世界情勢が反映されていることが多いです。その時代の人間達に少し先の未来を見せてくれます。その未来は、決してハッピーエンドではない場合も多いですが、読者はその未来の可能性を想像できます。

小学生には少しむずかしい内容の作品が多いです。中・高校生の頃に作品に出合うと、世の中について考えるいいきっかけになります。もちろん大人が読むには十分な内容です。

かわぐちかいじの作品の特徴として、現実の世界のリアルさを大事にしている点があります。後頭部をガツンと叩かれたような衝撃を受ける話の展開であっても、現実のリアルさを失っていません。

その現実のリアルさを裏付けているものとして、作者の政治・戦争・歴史に対しての深い興味があります。娯楽作品でありながら、世の中について考えさせられる漫画です。

かわぐちかいじの作品の中に登場するキャラクターの中で、主人公は、冷静な性格であることが多いです。壮大な舞台の中で、かわぐちかいじが考えているゴールにたどり着ける主人公には、冷静さが必要なのかもしれません。

そしてその対極に位置するキャラクターは熱い性格であることが少なくありません。対局に位置するキャラクター達がそれぞれの信念をぶつけ合うことで、読者はそれぞれの価値観を理解しやすくなっています。

本作は、日米で極秘開発した原子力潜水艦「やまと」を艦長である主人公が奪取し、独立国家やまとを宣言することから始まります。日本とも距離を置いた独立国家やまとは、今日の日米関係に対しての疑問を次々に投げかけてきます。そしてそれだけにとどまらず、全世界の平和に関わる重要な存在となっていきます。当時の国際情勢や核の脅威について深く考えさせられる内容で、国会でも本作が取り上げられました。

1990年に第14回講談社漫画賞一般部門を受賞しています。累計発行部数は2500万部を突破しており、アニメ化・ラジオドラマ化もされています。

本作は、海上自衛隊のイージス艦が第二次大戦中にタイムスリップし、現在の最新テクノロジーが史実に影響していく様を描いています。登場人物達は史実を理解しており、自分達の行動によって歴史が変わってくことに苦悩します。そんな中、救助された大日本帝国海軍の一将校が、イージス艦内にあった未来の日本の歴史を知ってしまい、これを変えようと行動を起こし始めます。

2002年に第26回講談社漫画賞一般部門を受賞しています。2004年にはTBSでアニメ化されました。

本作では、大震災によって寸断された日本列島は、北日本は中国、南日本はアメリカに分断統治され、海外の日本人居住区も含めて肩身の狭い生活を日本人は強いられています。それぞれの日本で復興を目指す者や野心を抱く者の姿が描かれます。小松左京の小説『日本沈没』や『三国志』をモチーフとしています。

2005年に第51回小学館漫画賞一般向け部門、2006年には第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞しています。2006年には、WOWOWにてアニメ化もされました。

本作は、平安時代後期の源平合戦を舞台にしています。源頼朝・源義経・平清盛といった主要キャラクターを中心にして、平家物語で有名なストーリーを、かわぐちかいじの視点を織り交ぜながら描いています。

また、北条政子や平 徳子といった、源頼朝・源義経に大きく関係する女性達にもスポットをあてて描いています。かわぐちかいじの作品によく登場する芯の強い女性達がこの作品にも登場します。

本作は、幕末の日本の戊辰戦争を舞台にしています。主人公は幕府側の人間で、ロシア・フランスへの留学経験があります。同時期にイギリスに留学していた維新派のライバルとの対峙を通して、幕府側・維新側の双方を政治・軍事面から描いています。戊辰戦争時の東北地方の諸藩の考えや行動が作品によく描かれています。

本作は、現代の日本の映画やドラマの撮影現場を舞台としており、大衆演劇の女方の主人公が、クセの強い監督や共演者との衝突を繰り返しながら、役者として大きく成長していく青春群像劇です。

1987年に、第11回講談社漫画賞一般部門を受賞しています。この作品で、かわぐちかいじはメジャーの仲間入りをしています。

本作は、日本の政治を、大学紛争やテロといった反体制側の視点と、政界といった体制側の視点の双方から描くことで物語が進んでいきます。大物政治家の子として血のつながらない二人の兄妹が、お互いを慕いながら違う道を歩み始めます。日本の代議士と中東の革命戦士となった二人ですが、その戦いの中で再び近づくことになります。

本作は、とある企業グループ内で主人公が立身出世していく物語です。大学生である主人公は、日本でも有数の鉄道グループの息子であることを知らされます。当初は山奥のリゾート開発に従事しますが、経営の才能を発揮して結果を出し、本社に戻ります。その後、プロ野球チームの経営にまで話は進んでいきます。

話のモデルになっているのは、西武グループの堤家です。

本作は、アメリカ大統領選をテーマにした作品です。沖縄育ちの新聞記者が主人公で、アメリカのワシントンへの人事異動がきっかけで日系アメリカ人の大統領候補を密着取材することになります。

そこで主人公はその大統領候補から父であることを告げられます。母親がガス漏れによる事故で亡くなったことがに気になっている主人公は、取材を通して大統領候補である父を見極めていきます。

韓国では、本作品を原作としてドラマが制作されています。

本作は、『モーニング』・『モーニングツー』で漫画新人賞を原作として初めて受賞した作品です。原作は藤井哲夫で、作画を審査員も務めていた、かわぐちかいじが担当しました。

ビートルズのコピーバンドが、ビートルズがデビューする前の時代にタイムスリップし、盗作する形でメジャーデビューします。ビートルズとは何か、オリジナリティとは何かを問いかける作品です。

本作は、『勇午』で有名な漫画家 真刈信二を原作としてタッグを組んだ作品です。警察官である主人公は、その優秀さを見抜かれて依願退職という形で警察を退職後、イギリス・イスラエルで特殊訓練を受けます。

その一方で、イラクで組織的戦闘を行っていた元自衛隊の三等陸佐である男は元部下200人と共に、世界の変化に対応しきれない日本を変えるべくクーデターを画策します。主人公がこれを止めるべく行動を開始するストーリーです。

本作は、『賭博黙示録カイジ』で有名な漫画家 福本伸行を原作者としてタッグを組んだ作品です。大手建設会社の専務を務める主人公は、余命半年を告げられます。その直後に14年前に失踪した娘が遺体で発見されます。殺人の時効が半年残っていることを知った主人公は、会社を辞めて残された命を使って犯人を捜し始めます。

作者の作品としては少ないミステリー・サスペンス物です。NHKによってTVドラマ化もされています。

かわぐちかいじの最新作は『空母いぶき』です。本作は、作者の作品の中でも現代の日本をリアルに描いた作品です。現在の日本が直面している日中関係を話の中心にしており、実際に起きた尖閣諸島中国漁船衝突事件や、中国船の領海侵犯の結果、日本と中国が軍事衝突することになる仮想のストーリーです。今後起きるかもしれない現実をリアルに伝えています。

2017年度、第63回小学館漫画賞を受賞しており、累計発行部数は、780万部を突破しています。また、実写映画化もされています。

ここまで、かわぐちかいじの漫画の特徴とおすすめの作品をご紹介しました。かわぐちかいじの漫画は、作者の幅広い知識と、洞察力によって大人も満足させるクオリティです。まだ読んでいない作品は、ぜひこの機会に読んでみましょう。

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