木多康昭のおすすめ漫画5選|天才ゆえの伝説や休載などについても詳しく解説

木多康昭は千葉県出身の日本の漫画家です。代表作である幕張をはじめとして過激なギャグ・下ネタ・時事ネタ・パロディネタのイメージが強い木多康昭作品ですが、喧嘩商売や喧嘩稼業では肉弾戦や心理戦が描かれたシリアスなシーンが多くの漫画ファンをうならせています。

しかし、木多康昭の漫画は少年誌・青年誌と出版社もさまざまで、どの作品を選べばいいか迷ってしまいますよね。実は、それぞれの作品のあらすじやギャグとシリアスの特徴などを把握すれば、読みたい作品を見つけられます。

そこで今回は、木多康昭の代表作や人気おすすめ漫画を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。伝説ネタとされる『大人の事情パンチ』や指名手配書についても解説します。

木多康昭は、喧嘩商売・喧嘩稼業の大ヒットで有名な漫画家です。『Spirit of Wonder』で有名な鶴田謙二に影響を受けた繊細なタッチの画風と過激なギャグが評価されています。

奇想天外なギャグ・大胆なパロディ・著名人に対する辛辣な毒舌ネタ・編集者など身近な人物の暴露ネタが木多康昭漫画の特徴です。交流のある漫画家（小栗かずまた・つの丸・島袋光年・ガモウひろしなど）は、ネタと共に作中に登場しています。

漫画賞への応募や持ち込みを約3年間くり返していた木多康昭は、1995年3月にホップ☆ステップ賞（週刊少年ジャンプ）を受賞し、週刊少年ジャンプ増刊にて読み切り作品『仮面の告白』で紙面デビューしました。

その後の1995年12月の赤塚賞（集英社）を受賞し、1996年2月に週刊少年ジャンプで連載開始した作品が『幕張』です。当初は時事ネタ・下ネタ・パロディを中心としたギャグでしたが、連載が進むにつれて身内の暴露ネタや無許可パロディなどの危険なギャグが増加していき、全9巻で完結します。

『幕張』連載終了から約2年後の1999年には講談社に移籍し、1999年7月から高校野球漫画『泣くようぐいす』を週刊少年マガジンで連載開始しました。同じ野球部が舞台でありながら野球をしない『幕張』とは異なり野球ギャグマンガとしてスタートしましたが、徐々にメインストーリーから外れて夢オチで完結します。

2002年2月に同誌で新連載『平成義民伝説 代表人』は、アイドルグループを脱退したメンバーそっくりの主人公・芸能人をモデルにしたキャラクター・超有名漫画家に対する辛辣なネタなどが危険作品として注目され、各方面からのクレームなどにより全2巻で完結しました。

約3年間の沈黙を経た木多康昭は、週刊ヤングマガジンで『喧嘩商売』を連載開始します。有名漫画家やアナウンサーをネタにしたギャグは健在でありながら、さまざまな流派の格闘シリアス漫画として人気を博しました。

度重なる休載を重ねながら2010年9月に『喧嘩商売』の第一部が完結し、2013年12月から『喧嘩稼業』が連載開始します。遅筆王とも称される木多康昭は、『喧嘩稼業』も休載を挟みながらも人気漫画として連載中です。

ギャグ漫画家・木多康昭の暴露ネタとして最も有名な作品が初連載作品の『幕張』です。幕張は他の漫画家や編集者を登場させる回が多く、その中でも当時のジャンプ編集部員をキャラクターとして登場させて不倫ネタを暴露しました。

その後も、他の編集者のプライベートを次々と暴露ネタとして描いていった問題作です。

木多康昭は、他の漫画家や芸能人を自作品に登場させるパロディネタでも有名です。交友関係のある「花さか天使テンテンくん」の小栗かずまた・「みどりのマキバオー」のつの丸・「トリコ」の島袋光年などは、幾度もネタにされています。

数々の芸能人の辛辣なパロディネタが描かれる『平成義民伝説 代表人』は、最も危険なパロディ作品です。

木多康昭の伝説ネタとされる『大人の事情パンチ』は、週刊少年マガジンで連載されていた『平成義民伝説 代表人』に登場するネタです。冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』長期休載に対する理不尽さを作品中でネタとして放ったパンチで、コミックスでは完全カットされているため伝説ネタとして語り継がれてます。

幕張は、週刊少年ジャンプで連載していた木多康昭の初連載作品です。野球部の塩田と奈良が繰り広げる野球をしない時事ネタ・下ネタ・パロディを中心とした青春ギャグ漫画としてスタートしました。

作品内では野球をするシーンはなく、脱衣麻雀や香港に行くなどの奇想天外なギャグが特徴です。また、週刊少年ジャンプの他作品のパロディネタや芸能人への毒舌ネタなど、青年誌レベルのギャグがさく裂しています。

泣くようぐいすは、週刊少年マガジン移籍後の連載作品です。幕張と同じく野球部ですが、泣くようぐいすでは高校野球漫画として野球をするシーンも描かれています。しかし、連載が進むにつれて脱線し、行きつくところは木多康昭が得意とするパロディギャグ漫画です。

現在は絶版で電子書籍もないため、この作品を読みたい方は古本を探してみてください。

平成義民伝説 代表人は、宇宙飛行士を目指す元アイドルグループ『IGARASHI』の米良勝男が主人公のギャグ漫画です。米良の外見が実在のアイドルグループを脱退した元メンバーにそっくりのため編集部にマークされていましたが、辛辣すぎる芸能人パロディネタにより全2巻で完結しています。

現在は絶版で電子書籍もないため、この作品を読みたい方は古本を探してみてください。

喧嘩商売は、東京から宇都宮に転向してきた高校生・佐藤十兵衛が主人公の喧嘩＆ギャグ漫画です。喧嘩パートではシリアスなアクションや心理戦を描き、ギャグパートでは時事ネタ・下ネタを中心にしたブラックジョークが冴えわたります。

問題作ばかりが話題だった木多康昭の大ヒット作のひとつです。現在連載中の『喧嘩稼業』の第一部として、読んでおきたい作品です。

喧嘩稼業は『喧嘩商売』の第二部がタイトルを改めた作品で、陰陽トーナメントが描かれています。あらゆる流派の格闘家の肉弾戦や心理戦は、多くの漫画ファンから評価を得ている人気作です。前作と同じく佐藤十兵衛が主人公で、ギャグパートは鳴りを潜めて完全なシリアス漫画として描かれているのが特徴です。

休載を挟みつつも連載中なので、陰陽トーナメントの完結を願いながらぜひ読んでみてください。

『喧嘩商売』のコンビニコミックスの裏表紙に、木多康昭の指名手配書が掲載されました。こちらは、たびたび休載する木多康昭を編集部がネタにしたもので、指名手配書には『喧嘩商売連載再開 やるやる詐欺罪』などと共に特徴・口癖が書かれています。

その後、編集部により木多康昭が確保されて喧嘩商売の連載再開が確定した際には、指名手配書が×印で消されて「ご協力ありがとうございました」とコメントが書き加えられました。

遅筆王とも称される木多康昭の現在は、ヤングマガジンで連載中の『喧嘩稼業』をたびたび休載しています。現在も2020年2月の掲載を最後に休載中ですが、木多康昭のTwitterでは2020年にネームはできている、2021年にネームっぽいことをやるようにしようなどと連載再開をにおわせるツイートがされています。

ほぼ毎日ツイートされるTwitterでは喧嘩稼業を描く意思は見られるため、興味のある方は木多康昭のTwitterものぞいてみてください。

この記事では、木多康昭の代表作や人気おすすめ漫画を紹介しました。天才とも称される木多康昭の漫画は、過激なギャグやパロディだけでなくシリアスなシーンも評価されています。木多康昭の問題作や話題作に興味をもった方は、ぜひ手に取ってみてください。

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