燻製器の使い方を初心者にもわかりやすく解説！チップが燃えないときの対処法も！

燻製は肉・魚・卵など食材に木材の煙をしみ込ませる調理法で、燻製独特の香りと味わいが魅力です。特に、長時間燻すと香りが濃く、食材の味わい深くなり、酒のつまみにぴったりとアウトドアでも人気が高まっています。

木材の殺菌成分と燻製により脱水することで、食材の持ちをよくしてくれるメリットもありますが、ただ、燻製器とひと言に言っても種類も多く悩む人も多いはず。そこで、こちらでは初心者でもわかりやすい、燻製器の使い方をタイプ別に解説します。

こちらの記事を参考に、自分の好みの燻製法を見つけて、燻製器を使ったキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか。食材の味や香りの違いで新たな発見ができますよ。

短時間で仕上がるのは熱燻法（ねっくんほう）です。燻製法は、80℃から140℃の高温で短時間（10～60分程度）で燻製をかけていくので、キャンプでの燻製にぴったりです。また、温度管理が簡単なのも嬉しいポイント。燻製づくり初心者におすすめの方法です。

塩漬けや乾燥期間が短いので、保存食には不向きですが、スモークチキン・牡蠣・スモークステーキなど、できたての美味しさとあぶって焼いたような口当たりは絶品です。

最も一般的なのは温燻法（おんくんほう）です。温燻法とは、30～80℃ほどで、数時間から1日ほど燻製をかける方法です。外気温の影響を受けず、比較的短時間で完成します。温燻法で調理できる食材が豊富なのも嬉しいポイント。

また、温燻法により燻製にすると全体の半分が水分とやや高めなので長期保存には不向きですが、塩分控えめで、口当たり滑らかで味は◎。燻製といったコレ！といわれるベーコン・ソーセージ・スモークチーズなどがおすすめです。

長期保存が可能なのは冷燻法（れいくんほう）です。冷燻法は、15～30℃くらいの低温で長時間燻製をかける方法です。歯ごたえがあって、噛むほどに旨味が出る燻製らしさの仕上がりになります。手間と温度管理が必要なため、燻製づくりに慣れてきたベテランの方におすすめです。

冷燻法にトライする場合、下ごしらえをして外気温を見据えた温度管理がポイント。スモークサーモンなど絶品に仕上がるので、冷燻法もチャレンジしてください。

アウトドアでおすすめなのが人気の高いレギュラータイプです。燻製器がビッグサイズなので、食材を吊り下げたり、中に網をセットしたり一度に多くの食材を扱えます。また、本体がステンレス素材を使っているタイプが多いため、サビに強くお手入れ楽チンな点もアウトドアにピッタリです。

お家で燻製を楽しみたいなら鍋タイプがおすすめです。鍋タイプの多くはコンロなどで下から加熱し、煙を鍋の中に閉じ込めて煙の量を減らしたり、換気扇から煙を排出できるように場所を限定しているタイプもあります。自宅では、煙をコントロールしやすい鍋タイプがGOODです。

レギュラータイプと形が似ている段ボールタイプは使い捨て可能で便利です。必要な物品がセットになっている段ボールタイプは、初心者でも使いやすいです。また、アウトドアで燻製を楽しんで、使い終わったらそのまま廃棄し、荷物軽減にもなります。試しに燻製を楽しみたい方にもいいですね。

レギュラータイプで燻製をする方法を紹介します。キャンプなど屋外でレギュラータイプの燻製器を使用する場合、平らな場所に置いてから、以下の手順で行いましょう。

1. 本体下部にスモークチップ・スモークウッドなどを入れ、着火する
2. 調理食材をフックに設置する（もしくは網にのせる）
3. 火をつける（温燻法で30～80℃、2～5時間程度・熱燻法で90～140℃、10～30分程度。食材が小さい場合は半分の時間を目安に）
4. 燻製が完成したら食材を取り出す

なお、熱源として、スモーキングブロックやスモーキングウッドなどもあります。また、網には、あらかじめ食用油を網に塗っておくとくっつきませんよ。

鍋タイプの燻製器の使い方を紹介します。自宅で燻製を楽しむのもいいですし、アウトドアで楽しんだり多様な使い方ができる鍋タイプ。次の手順で使いましょう。

1. コンロの上に燻製器を置く
2. アルミホイルの上にスモークチップをのせて燻製器の底にセットする
3. 網をセットしてその上に食材を置く
4. コンロを着火して燻煙が出るまで燃焼させる
5. 燻煙が出たらフタをして出来上がりを待つ（温燻法で30～80℃、2～5時間程度・熱燻法で90～140℃、10～30分程度。食材が小さい場合は半分の時間を目安に）
6. 燻製が完成したら食材を取り出す

アウトドアなど屋外で鍋タイプを使う場合、安定した場所にコンロを置くのをおすすめします。また、食材は事前に陰干ししておくと◎。水分が飛んで同時に香りが付きやすくなり、仕上がりの色や歯ごたえもいいですよ。

段ボールタイプの燻製器の使い方を紹介します。段ボールタイプは倒れると本体に引火する恐れがあるため、風が当たらない場所を選ぶなど、十分、火の扱いには注意しましょう。

1. 購入時、段ボールタイプは折りたたんだ状態のため、まず本体を組み立てる
2. 平らな場所に段ボールタイプの燻製器をセットする
3. 本体下部にスモークウッドやスモークチップを入れる
4. 着火する（温燻法で30～80℃、2～5時間程度・熱燻法で90～140℃、10～30分程度。食材が小さい場合は半分の時間を目安に）
5. 食材をセットする
6. 完成したら食材を取り出す

1回限りの使い捨てタイプなので、キャンプに持っていくのも◎。どんな感じに仕上がるのか試しに使ってみるのもいいですね。

アメリカのアウトドアメーカーの「コールマン」は、質の高さだけでなく、機能性・デザイン性にも優れているメーカーです。初心者からキャンパーまで手軽に使える豊富なキャンプアイテムが充実。ステンレスを採用したコールマンの燻製器は耐久性に優れています。

お手入れ楽チンなので、燻製器初心者にも扱いやすいです。リーズナブルな価格で、長く使用できるタイプが多いので、コスパ重視の方にもおすすめです。

アウトドア界で最強のブランドと称されることもある、新潟県・燕三条で創業された国産ブランドの「スノーピーク」。質の高いアイテムで、多くのファンを魅了しています。燻製器も大人気アイテムのひとつです。

スノーピークの燻製器は、ステンレスの光沢が美しく、シンプルかつスタイリッシュなデザインで持っているだけでおしゃれ感がUPし、キャンプの雰囲気を盛り上げてくれます。

カインズなどホームセンターでも入手できるお手頃価格の「SOTO（ソト）」。SOTOは工業用バーナーをメインに製造・販売していた新富士バーナーが立ち上げたアウトドアブランドです。国内生産で、ランタン・調理器具など質の高いアウトドア用品を幅広く扱っています。

SOTOの燻製器は本格的なアルミ製の大型タイプから鍋型・段ボール製など豊富なラインナップが魅力。高品質ながらリーズナブルな価格にファンも多いです。

スモークチップが燃えず煙が出ていない場合、熱量を上げる必要があります。もし、火力を上げても変わらない場合、使用するスモークチップの量を減らしてみましょう。目安として一握りできる程度で十分です。スモークチップが多いと熱が行き届かず、煙が出づらくなります。

これらを試してもダメな時、スモークチップが湿っている可能性が高いです。新しいスモークチップに交換すれば解決します。スモークチップは開封後は乾燥材を同梱したり、密閉容器で保管するのをおすすめします。

スモークチップは一度使用していても加熱によって焦げただけであれば、使い回し可能です。ただし、灰になっていなくても食材の香りがうつってしまっている場合、新しいものと交換をおすすめします。

また、使用後、かなり時間が経過している場合、湿気などで香りが変化してしまう場合があります。このような時は、一度試してみて、香りに問題ないかをチェックしてから交換するか判断しましょう。

炭火でも燻製は作れます。炭火を起こす手間はかかりますが、問題なく燻製は作れます。キャンプなど時間がある時の燻製づくりにはぴったりですね。以下の手順を参考にしてください。

1. 炭を起こす
2. 燻製器の中に炭を入れる
3. 炭の上からスモークチップを投入する
4. 炭とスモークチップを調整しながら燻製する

炭は室内では起こせませんので、必ず屋外で、屋外タイプのちょっと大きめの燻製器でお試しください。

燻製を自作する方法を2つ紹介します。

＜小さい食材を燻製したい場合＞

1. 100円ショップでも手に入る、底の深い「片手鍋」・お菓子作り用の「粉ふるい」・「スポンジ型」・フタの4点を準備する
2. 「片手鍋」の底にスモークチップを敷いて、その上に粉ふるいを乗せる
3. 2の上にフタをすれば燻製器の完成

＜ちょっと大きめ食材も燻製したい場合＞

注意）段ボールを使う場合、熱源のいらないスモークウッドを使用すること。食材によっては油がスモークウッドに垂れて着火することもあるので、火の扱いにはくれぐれも注意しましょう！

1. 段ボール、バーベキュー用網（段ボールの開口部よりも大きなサイズがベター※）、カッターを準備する
2. 段ボールの側面に切り込みをいれ、バーベキュー用網を差し込む

　　※網が小さければ棒を通して、その上に網を置いても◎

キャンプでの食事にマンネリ化してきたら燻製を作ってみませんか。こちらで紹介した燻製器の使い方を参考に、試してみてください。燻製器で仕上がった食材の美味しさに、これまでと違う楽しみが味わえるはずです。