伊藤潤二の漫画人気おすすめ10選｜代表作や名作漫画作品も！

日本の湿度を感じるホラー漫画を楽しみたい人には、人気の高い伊藤潤二の漫画がおすすめです。細部まで細かな線で執拗に描かれた画面は、繊細かつ美しい仕上がりです。画力自体も非常に高く安定していて、恐ろしい出来事への説得力が感じられます。

現実世界ではありえない恐ろしい現象が起こるホラー作品が多いですが、独特のユーモアやギャグのバランスが絶妙で、陰鬱な気持ちになりすぎずに読み進めやすいのも特徴です。作品によっては、鬼気迫る状況なのに思わず笑ってしまうようなシュールさもあって、くせになる魅力が詰まっています。

今回の記事では、好きな人も多い伊藤潤二の漫画の選び方や有名な代表作をご紹介します。また、おすすめの名作タイトルをご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

伊藤潤二さんは、1963年に岐阜県に生まれました。楳図かずお・古賀新一らの作品に刺激されて、保育園児ながらホラー漫画の魅力に目覚めます。歯科抜工士として働く傍らで漫画を描き始め、1987年に月刊誌『ハロウィン』に掲載された『富江』でデビューしました。その後は歯科抜工士をやめて漫画家として本格的に活動を始めます。さまざまな短編や長編作品を世に送り出し続けています。

架空の町「黒渦町」を舞台に繰り広げられる、あらゆるものが渦を巻く怪奇現象に見舞われる人々を描いた長編漫画です。女子高生の五島桐絵と、恋人の斎藤秀一もまたそんな奇妙な出来事に巻き込まれていきます。

現実離れした設定ながら、高い画力で描かれる徐々に広がっていく現象に追い詰められる人々の姿は、他では味わえない恐怖感が満載です。2000年には映画化もされています。

妖しくも美しい魅力的な少女『富江』。彼女の魔性に憑りつかれて富江にどうしようもなく焦がれていく男たち。そんな彼らは次第にさまざまな理由から富江に殺意を抱いていきます。

恐ろしいほどに魅惑的な絶世の美女を中心に、徐々に狂っていく男性と、その殺意から富江のただものではない恐ろしさをまざまざと見せつけてくれる作品です。1998年の菅野美穂主演を皮切りに、何度も映画化されている人気のキャラクターです。

短編の代表作といえば外せないのがこちら。自分の顔が描かれた気球が、空を漂ってきたかと思えば……といったシュールな絵面が印象的なホラー作品です。

ありえない異常事態に襲われてパニックになる人々の様子、あまりの不条理さがたまらなく、ホラーらしい恐怖を味わいながらも、スッキリと元気な気分にすらなれる爽快感があります。奇妙で怖くて、どこか笑いも誘ってくるバランスが絶妙です。

町から「道」が消えてしまい、すべての住民の家々が迷宮のようにつながってしまうといった、非常に奇妙で理不尽な状況が引き起こす異常事態。不法侵入といった概念は壊れ、住人たちは倫理観・道徳心・羞恥心すらなくしていってしまいます。

身近な「街」「家」がモチーフになっているからこその肌で感じる恐怖は、どこか哲学的なものを感じさせる、ただ「怖い」といった感情だけでは説明できない読後感を味わえます。

タイトルから嫌な予感を覚える人もいるかもしれません。しかし、その気持ち悪さから覚える恐怖とナレーションのユーモアあふれるセンスのバランスが非常にいい作品です。

冷静に考えるとすごく怖い場面のはずなのに滑稽でシュール……そんなギリギリをピンポイントで攻めてきます。それが見事きまっていくような快感が楽しくて、ホラーなんだけど軽快に読みやすい作品に仕上がっています。

『伊藤潤二の猫日記　よん＆むー』は、伊藤潤二さんの奥さんが2匹の猫を連れてきて始まった、猫との暮らしについてを描いたエッセイ漫画です。「伊藤潤二さんといえばホラー」といったイメージの人が多い中、新しい一面を見せた本作は多くの人に衝撃を与えました。

絵柄や作風自体は普段の作品同様ですが、内容自体は日常のほのぼの系。絵だけ見るとホラーを連想するテイストなのに、シュールなギャグと猫や家族への愛情が感じられます。伊藤さんの新たなギャップを感じられます。

今回は、伊藤潤二さんの漫画の選び方・おすすめ作品を紹介しましたが、気になる作品は見つかったでしょうか。怖さとユーモアのバランスが絶妙な名作揃いです。この記事を参考にして、ぜひ自分に合った伊藤潤二さんの漫画を見つけてください。