SF小説おすすめ10選｜海外・日本のハードSFや名作も【有名作家も紹介】

SF小説と聞くと思い浮かぶのは、宇宙を舞台にした話ではないでしょうか。しかしそれ以外にも、未来や過去を行き来するタイムトラベルもの、ロボットが登場したり、超能力が使える人の話など幅広い題材が含まれます。

SF小説とは「サイエンスフィクション」の頭文字を取った言葉です。そのため科学的な専門用語が出てくる場合もありますが、実際に科学的に証明されているわけではなく、作者が話の中の世界で定めていることが多いです。作風も幅広く、大人でも理解が難しいハードSFから、子供でも読みやすい作品まであります。

どの作品も今とは別の世界を描いているため、私たちの世界と対比し、哲学的な問いが生まれるのも魅力です。今回は、そんなSF小説のおすすめ10選を紹介します。ぜひご覧ください。

SF小説とファンタジー小説、実はかなり境界線があいまいです。ファンタジーは空想的・幻想的な世界を描き、魔法や精霊などの力が登場します。SF小説は科学的な考証に基づいた架空の話を題材にしています。

科学的な考証の有無が、SF小説とファンタジー小説の違いと言えますが、両者が存在するといった小説もあるため、はっきり区別するのが難しい作品も多いです。

スペースオペラは宇宙を舞台に、ヒーローが活躍する冒険や活劇を題材にした宇宙活劇をいいます。ヒーローが宇宙船に乗り、光線銃などの武器を自在に操り、異星人などを退治し、ヒロインを救出するのが定型になっています。

「スタートレック」や「スター・ウォーズ」などの古典的なSFをイメージするとわかりやすいです。

ミリタリーSFは軍事SFともいわれます。軍人を主人公とし、宇宙や他の惑星での武力衝突を描くSFのサブジャンルです。戦闘や戦術の詳細な描写や個々の軍人の描写が特徴であり、実際の武力衝突を惑星や銀河に置き換えて、作者の想像する物語を展開するのが一般的です。

ミリタリーSFは、現実と異なるイベントを挿入しながら、紛争地域を舞台にしています。

スペースオペラの対極的な位置にあるのがハードSFです。スペースオペラは娯楽色の強いSF小説ですが、ハードSFは科学的考証をかなり作り込んだ作品を指します。

一般的にはあまり聞かれない特殊な知識や言葉が登場するので、読者はまずその世界観を理解する必要があります。しかし本格的なSFの世界を楽しむのができるのが特徴です。

近未来SFは、その名の通り、近い未来に起こるかもしれない世界について描いた小説になります。そのため、このままIT技術が進化を続けた世界や、現代社会の問題がさらに可視化された世界などが描かれたりもするので、自分に近い問題として認識しやすいのが特徴です。

宇宙などを舞台にしたSF小説よりは、世界観がすっと入ってくるので、最初に読むのもおすすめです。

SF小説と聞くと未来をテーマにしたものや科学的な空想のストーリーばかりだと考えがちです。しかし、SFのテーマは細かいジャンルに分かれていて、ロボットを題材にしたものや超能力を持った人物を主役にしたものなどいろいろです。

初めてSF小説に挑戦する方は、いきなり難しい科学的な専門用語ばかりでは途中で挫折してしまします。まずは、エンターテインメント性のあるSF小説がおすすめです。たとえば『銀河ヒッチハイク・ガイド』は宇宙でのサバイバルが描かれており、映画化された作品です。主役は一般のごく平凡な男性なので親近感が得られ楽しめます。

SF 小説は海外ものと日本ものがあります。海外SFにも名作と呼ばれる作品が多数ありますが、翻訳次第で読みやすさに差が出てしまうところが難しいところです。そのためSF小説初心者の方は、まずは日本もののSF小説から入った方が理解しやすいです。

その中でもさらに日本が舞台のSF小説を選ぶと更に身近に感じられます。海外ものから読み始める場合は、古典的名作から読み始めるといいですね。

長編なのか短編なのかで選ぶのもおすすめの選び方です。より深くSF小説の世界を堪能したい場合は、長編ものを選ぶようにしましょう。中にはシリーズ化されていて20巻以上の長さの小説もあります。長編ものは、世界観も作り込まれているので、思いっきり読書を楽しみたい場合にぴったりです。

反対に就寝前など、さらっと読みたい場合には短編ものが読みやすいのでおすすめです。ちょっとした気分転換にもなりますし、本を読まなくてはなどのような義務感に駆られるような場合もありません。手軽に現実にはない世界を楽しめます。

面白くない作品は読みたくないなどの場合は、名作がそろっている各種受賞作から読み始めるのもひとつの方法です。多くの人が面白いと認めているものですから、よくわからない作品を選んで失敗した！とならなくてすみます。 

海外SF小説には、「ネビュラ賞」と「ヒューゴー賞」の2大SF賞があり、間違いない名作SF小説を読みたい場合は、この2つの賞を受賞した作品をまずはチェックしてみましょう。

ネビュラ賞を受賞した有名な作品には『アンドロイドは電気羊の夢を見るか？』や『アルジャーノンに花束を』、ヒューゴー賞には『2010年宇宙の旅』『月は無慈悲な夜の女王』などがあります。

日本ものならば「日本SF大賞」受賞作から選ぶのがおすすめです。しかしこの賞の創立は1980年ですから、それ以前に発表されたSF小説の中にも名作は多くあります。

小松左京『首都消失』、荒保宏『帝都物語』、椎名誠『アド・バード』などが受賞しており、SFの歴史に新たな側面を付け加えた作品として高く評価されています。

SF小説を選ぶ場合には、『サマーウォーズ』『時をかける少女』『オデッセイ』など映画化されたものから入る方法もおすすめです。映像から入ると、文字だけで説明されるよりも、より具体的に小説の中の世界を理解しやすくなるからです。

特に普段あまり読まないジャンルのSF小説を読む場合は、映像化された作品で前知識を入れてから読み進めましょう。

自分がなじみやすい世界観を描いた作品から選ぶのも、SF小説を選ぶ際には有効です。たとえば日本史好きならば、主人公が江戸時代にタイムスリップした話を選ぶと興味を持ちやすく、小説の世界に入り込みやすいです。

また、ユーチューバーなどの解説を聞きながら、自分が興味が持てるような世界観の作品を見つけるのもおすすめします。

次におすすめするのは、年代で作品を選ぶやり方です。古くから長く愛されている古典的な作品になると、当時の空気感を味わえたり、その当時の人々の価値観を知れたりします。その一方で、現在の作家による作品は、読みやすく書かれているほか、SFのイメージの変遷を学べます。

日本を代表するSF作家は多くいますが、代表的な作家の名前を挙げるならば、SF御三家と呼ばれる筒井康隆さん、小松左京さん、星新一さんです。さまざまな名作を世に送り出しており、この方々が日本のSF小説に与えた影響はかなり大きいものがあります。

テレビドラマや映画化された作品も多く、原作者として名前を聞いた経験がある方も多いです。どの作家の作品から読もうか迷った場合には、この御三家の作品からチェックしてみましょう。

SF小説は現実にはない世界を描いた小説です。舞台は宇宙だけでなく近未来、ロボット、タイムトラベルなどさまざまであり、架空の世界を描いてくれるため、読むだけで私たちの想像力を豊かにしてくれます。ぜひここで紹介したSF小説を読んで、日常を離れた別世界の扉を開けていろんな世界を旅してみましょう！

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