石原慎太郎さんのおすすめ小説8選|代表作や没後に発表されたエッセイまで詳しく解説

石原慎太郎さんは、人気俳優・石原裕次郎さんの兄であり、都知事として一時代を築き上げた人物です。生前は、歯に衣着せぬ物言いで多くの人々に強いインパクトを与えました。実は、小説家としても大きな功績を残しています。

一橋大学在学中に、『太陽の季節』で芥川賞と文學界新人賞を受賞しました。同作品の映画にて、弟の裕次郎さんが俳優デビューをしています。それ以外でも映画化された小説は多く、どれも観る人の心に深い印象を残しました。

波乱万丈の時代に、文学や政治を通してさまざまなメッセージを訴えてきた石原慎太郎さんの小説は、生きる勇気と活力を与えてくれます。その名作の数々を紹介していくので、ぜひ最後までご覧ください。

政界にいた頃、強気な発言が多いイメージを持たれていた石原慎太郎さん。しかし、作家として活躍しながら家族を大切にする一面もありました。特に、弟・裕次郎さんに対しては特別な思いがあり、1996年刊行の『弟』でそれを綴っています。

天才的な名俳優でありながらも、病にも苦しんだ裕次郎さんの光と影を、兄の視点から語っています。石原兄弟の固い絆を知れる貴重な私小説です。

一橋大学在学中だった1956年、石原慎太郎さんは短編小説『太陽の季節』で芥川賞を受賞して華麗な文壇デビューを果たします。

男子高校生を主役とした『太陽の季節』ですが、風俗・暴力描写も含むストーリーだったので識者の中で意見が分かれていました。

さまざまな声がありながらも、石原慎太郎さんはこの作品を皮切りにヒット作を生み出し続けていきます。

1968年、石原慎太郎さんは国会議員としてデビューします。その7年後に初めて都知事選に立候補するも、次点で落選してしまいました。

その後は内閣の環境庁長官や運輸大臣などを経て、1999年に都知事選に再挑戦し、見事に初当選を果たします。当選後は、1999年から2012年の長期にわたり都政をけん引しました。まさに、現在の都政の基盤を作り上げた立役者です。

2011年、東日本大震災のあった年に刊行された作品です。同年に大規模な震災に見舞われ、さらには原発事故まで発生して先の見えない世の中でした。

日本が真の復興の道を進むには、国民一人一人が自ら考えて動く姿勢を重視しなければなりません。「平和が当たり前」という認識を捨てた生き方が求められます。

そうした強いメッセージがこめられた書籍です。

この書籍が刊行された2018年、当時のアメリカ大統領・トランプ氏は白人至上主義を掲げていました。その他にも、尖閣諸島問題や憲法改正などの問題が山積しており、どうなってしまうのか誰にも分からない日本に対して石原慎太郎さんが提言していく一冊です。

日本と世界の今後について、本書を読めば真剣に考えられます。

石原慎太郎さんが、ご自身と妻・典子さんの死後に刊行してほしいと希望して書き残した一冊です。これまで明かされなかった弟・裕次郎さんや家族への愛、文学と政治に対する想い、過去の恋人たちの話などが、魂を込めてつづられています。

石原慎太郎さんは、まさに太陽のような政治家・作家であったと伺えます。石原慎太郎さんの89年の生涯が凝縮された、読み応えのある自叙伝です。

有能な政治家・作家であり、とても家族思いな面があった石原慎太郎さん。現代に生きる人々へ、強く生きる活力や勇気を与える著作を残していきました。石原慎太郎さんの作品を読めば、波乱万丈の時代をどう生き抜くかのヒントが分かります。人生に不安や迷いがあるなら、ぜひ石原慎太郎作品を読んでみましょう。