アルコールストーブの自作方法をご紹介！蓋の自作方法や燃焼時間も調査

キャンプや登山ではアウトドアクッキングも楽しみの一つです。コンロや焚き火台を使う方法もありますが、必要なものをすべて揃えると意外に費用がかかりますし、荷物も増えてしまいます。そんなときはアルコールストーブがおすすめです。

コンパクトで持ち運びやすさが魅力ですが、空き缶とダイソーやセリアなどで購入できる100均アイテムを使えば簡単に自作できます。しかし、火を使うので自作は危険なのでは？と不安に思う人もいるはずです。

そこで、この記事ではアルコールストーブの自作方法と、自作の際に注意したいポイントを紹介します。記事の最後には耳寄りな情報も紹介するので、ぜひ最後まで読んでアウトドアライフに役立ててください。

アルコールストーブは、手のひらに乗るくらいコンパクトです。重量も軽くポケットサイズで扱いやすいのがメリットです。置き場所も取りませんし、収納袋に入れておけばザックのフックに引っ掛けて持ち運び、必要なときサッと取り出せます。

アルコールストーブは、燃料にアルコールを使用します。アルコールを気化させるため、燃やした後のゴミが出ないのもポイントです。火と灯すと青白い炎が幻想的な雰囲気を演出します。後片付けが楽で気軽に使用できるのも魅力です。

ガスコンロは寒い季節や気温が低い標高の高い場所で、火力が下がったり着火できなかったりしますが、アルコールストーブは寒い季節でも着火しやすいのがメリットです。季節に左右されず使用できます。

アルコールストーブは燃料用アルコールを使用します。燃料用アルコールは、ドラッグストアやホームセンターでも入手可能です。キャンプ前日や当日に燃料が足りないと気づいても、すぐに補充できます。

アルコールストーブは、構造が単純なため壊れにくいのがメリットです。構造がシンプルなため、簡単に自作できます。自作の仕方は後述しますが、壊れにくいだけでなくメンテナンスがほとんど必要ないのも魅力です。

アルコールストーブに五徳をセットすれば、鍋やスキレットなどを使ったアウトドアクッキングも可能です。しかし、シェラカップ程度の小さいものであれば、五徳なしでもそのままアルコールストーブに乗せて加熱できます。

アルコールストーブを自作する際に必要な道具は、アルミ缶といくつかの材料があればOKです。材料のほとんどは100均で手に入るため、費用をかけずに自分だけのアルコールストーブが作れます。以下に紹介する材料は、ほとんどダイソーで入手可能です。

• アルミ缶：同じサイズを2個
• カッター
• はさみ
• ペンチ
• コンパスカッター
• 紙やすり
• マスキングテープ
• きり
• 定規
• ホッチキス
• マジック
• 軍手

まずはアルミ缶の底の部分から4cm程度残して上の部分を切断します。切断する際は怪我をしないよう、カッターと缶を固定した状態で行いましょう。缶とカッターを固定したら、アルミ缶にカッターの刃先を当てて、缶をくるくると回しながらカットします。

ある程度まで切りすすめると切れ込みが入るので、後は手でひねればOKです。切断できたら切り口部分にやすりをかけバリ取りをしておきます。2個とも同じ大きさにカットしてください。

2個のアルミ缶をカットしたら、片方だけ缶底にコンパスカッターを使い穴を空けます。穴は缶底の中央部分、直径3cmくらいを目安にしてください。うまくカットできない場合は、カッターやハサミを使ってもOKです。

缶底に穴が空いたら、紙やすりでカットした部分のバリを取っておきましょう。バリ取りの際、手を怪我しないよう軍手をはめると安心です。

次に缶底に穴を空けた方のふちにくぼみを付けていきます。くぼみは等間隔で10個～12個くらいを目安にしてください。その際均一になるよう、マジックで印を付けておくときれいに仕上がります。

マジックで付けた印を目安に、ペンチで缶のふちを持ち内側に曲げるように絞っていきましょう。くぼみを付けるのは、もう片方の缶と合わせやすくするためです。くぼみを付け終わったら、もう片方にハマるか確認し調整してください。

次は、アルミ缶にマスキングテープを缶に巻き付け周囲に合わせてカットします。缶からマスキングテープをはがし、下敷きやテーブルなどに一旦マスキングテープを貼り1.5cm間隔にマジックで印を付けましょう。

印はジェット孔を開ける位置の目安ですが、ジェット孔が多いほど火力が高く、少ないと火力は弱くなります。ジェット孔数は好みで調節してください。

印を付けたマスキングテープを、底部に穴を空けた方の缶に貼り付け、きりでジェット孔を空けていきます。きりがない場合は画鋲でも代用可能です。すべてのジェット孔を空け終えたらマスキングテープを外しておきます。

次は、先程切り離したアルミ缶の上部を使い中央の筒を作っていきます。サイズは先程切断した底部と同じ高さにしてください。筒の部分をカットする際は、カッターよりハサミの方がやりやすいですが、カッターを使ってもOKです。

筒分をカットし終えたら、紙やすりで上下のバリ取りをします。バリ取りしたら、先程開けた缶底の孔に入る大きさに入るよう、丸めながらサイズを調整しましょう。調整したらホッチキスで留め筒状にし、燃料の通り道用に片方に三角の切り込みを3～4ヶ所入れておきます。

最後に、穴の空いていない缶底に筒を入れ、上から底穴とジェット孔を空けた缶底部を組み合わせましょう。これで自作のアルコールストーブの完成です。使用する際は、中央の筒部分に燃料を入れ着火してください。

アルコールストーブでは火力最強と言われる、トルネード式も自作できます。基本的な構造はアルコールストーブと同じですが、トルネード式はジェット孔からサイクロンのように炎が回転しながら出るのが特徴です。

普通のアルコールストーブよりも、火力が高く炎の安定が早いため燃焼効率がよくなります。トルネード式のアルコールストーブを自作する際は、仕切板と整流板をプラスしましょう。中央の筒を台形にして、整流板は角度を深めにするのがコツです。

サイクロンのように炎を回転させるために、ジェット孔を8個にして、整流板のくぼみもジェット孔に合わせ8つのくぼみを付けましょう。組み立てる際は、整流板の内側に仕切板を入れ、ジェット孔と整流板のくぼみの位置が合うようにするのがポイントです。

また、アルコールストーブは火力調整が難しいのですが、火消し蓋の位置を変えれば中火や弱火など火力調整もできます。火消し蓋も自作できるので、アルコールストーブを自作するのであれば、一緒に火消し蓋も作っておくと便利です。

さらに火消し蓋の自作も100均アイテムを活用できます。材料は、アルミ缶の底・大きめのクリップ・服用のホック・小さいネジです。クリップを取っ手にして、ホックとネジで缶底に固定するだけです。ホックを使うと取手が折りたためるので持ち運びやすくなります。

1. クリップをU字にカットする
2. 左右に輪のあるホック中央にネジ穴を空ける
3. 缶底にパーツを取り付け穴を空ける
4. クリップとホックをペンチで曲げ取っ手になるよう組み合わせる
5. 取っ手を缶底部に取り付ける

アルコールストーブは、燃料を入れてマッチやチャッカマンなどで着火させるだけでOKです。ただし、気温が低いときは燃焼までに時間がかかります。また、内圧が上がってから本燃焼になるため、すぐに着火しないと感じるかもしれません。

アルコールストーブの炎は青白いので、明るい場所では見えにくい可能性もあります。燃焼時間は環境や自作でのサイズや火力の違いはあるものの、20mlの燃料で約7分程度使用可能です。用途に合わせて必要な燃料を見極めてください。

自作のアルコールストーブの燃焼時間を伸ばしたいときは、スチールウールを使いましょう。スチールウールは、金たわしとも呼ばれる金属を細い繊維状にしたものです。スチールウールも100均で手に入ります。

使い方はアルコールストーブの筒に、ほぐしたスチールウールを詰め、燃料を入れ着火するだけです。スチールウールを入れると、入れない状態よりも燃焼時間が長くなります。スチールウールは燃料の節約にもおすすめです。

ダイソーやキャンドゥには、完成品のアルコールストーブの扱いがあります。簡単に自作できますが、材料が揃わない場合やすぐに使いたいときや、材料を揃える費用や手間をかけたくない場合は完成品を買うのも手です。

キャンドゥ

• 7.2×3.6cm/80ml/330円（税込）

ダイソー

• 6×2.9cm/40ml/220円（税込）
• 7.2×3.6cm/80ml/330円（税込）

アルコールストーブの燃料は、引火性が高いので扱いには注意が必要です。使用中に燃料が足りなくなったからと、火が点いた状態で注ぎ足すと爆発する可能性があります。また、アルコールストーブの炎は青白いので明るい場所では見えにくいです。

燃料を注ぎ足す場合は、完全に火が消えた状態で行ってください。また、燃料が入っていなくても燃料から発生した混合ガスが残っていると、着火時に爆発する可能性があります。燃料は容器の2/3を目安に注入し、使用前に残量を確認しましょう。

アルコールストーブはコンパクトで持ち運びしやすいため、ソロキャンプや荷物を増やしたくないときに最適です。空き缶と100均の材料で簡単に自作できるので、興味がある人はこの記事で紹介した作り方を参考に自作に挑戦してはいかがですか？