コンパクトな電子ピアノおすすめ8選｜88鍵盤も！折りたたみ・卓上など

人口増加が緩やかにになっているとはいえ、日本の住環境は全体的にタイトです。一人当たりのスペースは決して広くなく、一戸建てでも近隣への配慮が必要。そのため、自宅にピアノを導入するのは簡単ではありません。

そんな問題を解消できるのがコンパクトな電子ピアノです。電子ピアノはアコースティックピアノよりも敷居が低く、低価格な上にコンパクトなため持ち運びも可能。卓上・折りたたみタイプもあるほか、騒音対策しやすいため集合住宅でも安心です。

そこで本記事では、61鍵盤・88鍵盤のコンパクトな電子ピアノの選び方・ヤマハなどおすすめメーカー・おすすめ商品11選をご紹介します。盛りだくさんの情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

電子ピアノが電子キーボードと異なる点として、よりアコースティックピアノに近い音質・打鍵感・操作性を追及している点が挙げられます。電子キーボードの場合、音色のひとつとしてピアノ風のサウンドを奏でられるものの、単体の電子ピアノほど柔軟な表現・音質調整はできません。

また電子ピアノの多くはアコースティックピアノと同様の88鍵を採用しており、打鍵感も電子キーボードより生ピアノに近いものが多いです。フットペダルを付けられるのも電子ピアノならではで、演奏中に両手が塞がっている場合でもスムーズに音質を変えられます。

卓上ピアノは脚が付いておらず、テーブルの天板に置いて使えるスタイルです。テーブルの高さによらず扱えるため、ローテーブルやこたつと組み合わせてもOK。88鍵盤でも横幅130cm程度で収まるため、スタンダードタイプよりコンパクトな機種をお探しの方にもおすすめです。

折りたたみタイプは本体にジョイント・節目を施し、2～3つに折りたためるように設計された電子ピアノです。不使用時に片付けやすいため、一人暮らしのようにスペースの限られる環境にぴったり。ちなみに最近は、樹脂製のボディで巻き取り可能な「ロールアップタイプ」も登場しています。

キャビネットタイプ（スタンダード）の電子ピアノはアップライトピアノをコンパクトに落とし込んだスタイルです。一般的にアップライトピアノの横幅が150cm程度であるのに対し、キャビネットタイプの電子ピアノはおおよそ140cm程度。日本の住宅事情に合わせつつ、本格的な演奏を楽しめます。

電子ピアノはアコースティックピアノよりも敷居が低く、初心者に適しています。価格がリーズナブルな上にコンパクトで、スタイルも豊富。また重量も小さいため、持ち運び・設置・撤去も簡単です。そのため大人・子供ともに親しみやすく、趣味として始めるのに大変おすすめです。

電子ピアノは住環境を気にせず練習するのに適しています。物理的な点ではアコースティックピアノと比べてコンパクトで場所を取らないため、スペースを気にする方におすすめ。卓上タイプ・折りたたみタイプもあり、環境に適したスタイルを選べます。

またヘッドホン接続・ボリューム調節機能があるため、騒音対策も手軽で簡単。マンションのような集合住宅でも練習しやすいためおすすめです。

電子楽器・デジタル機器としての機能性も、アコースティックピアノにはない強みの1つです。音色切り替え機能によってオルガン・ギターといったバンド向けの音色での演奏もこなせるほか、機種によっては自分の演奏を音声データとして録音できるものもあります。

またスマホ連携対応機種ならピアノの先生が弾いた曲を手本として再現したり、専用アプリ経由で本体内蔵の曲を演奏させたりといった操作も可能です。

プラスチック鍵盤は手軽さ・低予算を最優先する方に適したタイプです。エレクトーンのようにわずかな力で簡単に弾けるため、主として初心者・子供に適しています。注意点としては打鍵の力による音の強弱をコントロールしにくく、繊細な演奏表現には不向きです。

木製鍵盤はアコースティックピアノと同様、鍵盤に木材を採用したタイプです。木製鍵盤ならではの重み・質感は共通のため、適切な打鍵力を養うのにおすすめ。コンクール・発表会などアコースティックピアノを演奏する機会に向けて自宅で練習したい方にも適しています。

ハイブリッド鍵盤は木材と樹脂を組み合わせた最新の鍵盤タイプです。グランドピアノ・アップライトピアノの構造を再現するコンセプトで設計されているため、本物のタッチを追及する上級者に適しています。

ちなみに呼称はメーカーによって異なり、 グランドタッチ鍵盤・グランド・フィール・アクションなどいくつかに分かれますが、概要は同じと考えて構いません。

ピアノ本来の鍵盤数は88鍵ですが、初級～中級レベルの楽曲だと88鍵すべてを使いこなす必要はありません。そのため、初心者のうちは61鍵の電子ピアノからスタートするのも現実的です。

61鍵の利点としては、横幅の張り出しが少ない分コンパクトに扱えます。また最近は88鍵との価格差が縮まっているものの、61鍵の機種の方が低額です。

88鍵はアコースティックピアノと同じ鍵盤数を網羅したタイプで、上級者・ピアノの先生など高度な楽曲を演奏する方に適しています。61鍵の機種と比べて横幅を取るものの、卓上タイプも存在します。また折りたたみタイプもあるため、目的や環境に合った商品を選びましょう。

音色切り替え機能は、鍵盤をタッチした際に生じる音色を変更する機能です。オルガンのほか、ギター・フルート・パーカッションといった鍵盤楽器とは異なる楽器の音も再現できます。高額な機種ほど各楽器の原音に近いリアルな音色を出しやすいため、ピアノ以外の音色も愉しみたい方はぜひチェックしましょう。

録音機能は電子ピアノ上で演奏した内容を音声データとして記録する機能です。たとえば自分が演奏した曲の仕上がりを客観的に把握できるため、セルフチェックに役立ちます。なお音声データの記録媒体はUSBメモリが一般的ですが、機種によってはスマホ連携を利用してDropboxへのクラウド保存も可能です。

Bluetooth接続できる電子ピアノなら、スマホ連動機能を活かしてストレージ内の音源を再生できます。たとえばピアノの先生が弾いた曲を手本として再現したり、専用アプリ経由で本体内蔵の曲を演奏させたりといった操作も可能です。

なおBluetoothの動作にはバージョンの新旧が関係するため、手持ちのスマホのバージョンとの相性も確認するようにしましょう。

多くの電子ピアノには音色を変える機能が備わっているものの、演奏中に切り替えるのは簡単ではありません。とくに両手がふさがっている場合は困難です。そこで役立つのがフットペダルで、本体に付属しているものや、別売りで後付けできるタイプもあります。初心者にはダンパーペダルがおすすめです。

同時発音数は、呼称の通り一度に奏でられる音の数です。音切れをなくしたい場合や連弾を想定する場合は、少なくとも同時発音数が64音以上の機種を選びましょう。

ちなみに電子ピアノの歴史を辿ると、16・32・64音といったように性能の向上に伴って同時発音数も大きくなっています。2015年までは256音が最大数でしたが、ローランド社が同時発音数無制限の機種を発売。電子ピアノの可能性を大きく広げました。

キーボードスタンドは、卓上ピアノのように脚の付いていないタイプのオプション用パーツです。本体にスタンドが付属しない機種の場合は、購入する電子ピアノの機種に対応したスタンドを選びましょう。キーボードスタンドを利用するメリットとしては脚の角度を簡単に変えられるため、スタンド全体の高さ調節も容易です。

スピーカーの数は音声出力のチャンネル数を表します。電子ピアノに備わったスピーカーの数が多いほど音の表現も多様になるほか、浮かび上がる音像も立体的です。市販の電子ピアノを選ぶ際には、スピーカーの数が4機以上の機種を目安にしましょう。

電子ピアノの場合、商品によってはヘッドホン・ペダル・椅子といった付属品もセットになっているものがあります。個別に揃えるよりも安く済む場合が多いほか、ヘッドホン類だと機器同士の相性によるトラブルが生じにくい点でもおすすめです。とくに初心者は有効に活用しましょう。

楽器メーカーとして有名なヤマハのラインナップの中でも、グランドピアノの品質は世界的に評価されています。長年培ったアコースティックピアノのノウハウは電子ピアノにも継承されており、特に鍵盤のタッチ・表現力は本物さながら。初心者には5～8万円程度のグレードハンマースタンダードがおすすめです。

カシオは電卓・時計などの分野で広く知られていますが、電子ピアノのメーカーとしても30年以上の実績を誇る実力派です。他メーカーと比べて品質の割に価格が安いため、初心者に適しています。

コンパクトな卓上型のPriviaシリーズは、奥行きを抑えたスリムデザインで狭めの住環境にもおすすめ。ちなみにカシオの電子ピアノは家電量販店に陳列される場合が多く、セール対象となる場合もしばしばです。

カワイは、電子ピアノの分野でグランドピアノのタッチ・質感を追及しているメーカーです。グレードの低いモデルにも木製鍵盤を採用しており、初心者でも本格的な使用感を求める方に適しています。カワイの電子ピアノは最安クラスで約8万円と、入門用としてはやや高め。中級以上のユーザー層におすすめです。

ローランドは世界的に人気を集める電子楽器メーカーです。日本で初めて電子ピアノを商品化したほか、プロ仕様のアンプ・スピーカーブランドとしても有名。PC用音楽デバイスの品質にも定評があります。

センサーを利用し、電子ピアノの鍵盤をタッチする度合いによって音色・音量を変化させる技術はローランドが開発したもの。生ピアノのような操作感覚を実現するのに大きく貢献したメーカーです。

住環境に制限がある場合に避けなければならないのが、省スペース性を追及するあまり電子ピアノとしての性能・機能を犠牲にしてしまうことです。パソコンを例にとると、ノートPCやタブレットはコンパクトであるものの、性能面ではデスクトップ型に及びません。

電子ピアノも同様で、卓上・折りたたみタイプはキャビネットタイプと比較して音質・機能面では劣りがち。音質・機能も申し分のない機種を選ぶには、ある程度の予算が必要です。そのため、コンパクトでも極端に価格の安い電子ピアノは買ってはいけません。

電子ピアノの寿命は一般的に10〜20年と言われています。多くの電子ピアノは販売期間が約2年間で、その後約7年程度部品の供給が続きます。逆に、販売開始から約9年を過ぎると次第に部品の供給がなくなり、故障しても部品の交換ができなくなるのです。

購入から約10年を目処に部品の供給がなくなるため、10〜20年が寿命となるわけです。

電子ピアノをせっかく買ったなら、なるべく長く使いたいですよね。電子ピアノは電子機器のため、丁寧に扱うのが大切です。以下のポイントに注意して使用しましょう。

• 直射日光を避ける
• 不安定な場所やストーブなど高温になるものの近くに置かない
• こまめに掃除する
• 乱暴に弾かない

電子ピアノは元々、アコースティックピアノよりもコンパクトに設計されています。先述の通り、省スペース性を追求し過ぎて音質・機能といった本質を見失わないようにしましょう。本記事を参考に、ぜひ住環境に合わせてコンパクトな電子ピアノを活用してください。