アップライトピアノおすすめ20選｜後悔しない！人気のヤマハや中古も

子供がピアノを習い始めて少し上達したら、自宅でも練習したくなるのはとてもいい傾向です。そんな子供の習い事の練習用や、もう一度ピアノを楽しみたいと思う大人の方にアップライトピアノがおすすめです。

アップライトピアノは劣化するものでなく、メンテナンスさえしっかりすれば一生使えます。また、コンパクトで場所を取りにくく、専用の部屋がなくても置きやすいのが特徴。しかもグランドピアノよりも安い価格で購入できるメリットもあります。

本記事ではアップライトピアノの選び方とおすすめのアップライトピアノを紹介します。ヤマハなどの有名メーカー・人気の商品・中古ピアノについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

弦を縦に張りコンパクトに置けるようにしたアップライトピアノと、弦を横に張り惜しみなくスペースを使ったグランドピアノでは、形だけなく音を出す構造が異なっています。その違いが鍵盤のタッチの違いに現れています。普段アップライトピアノを使っている人がグランドピアノを弾くと、しっかりしたタッチ感にすぐ気づきます。

グランドピアノは弦を打ったハンマーが自重で元に戻りますが、アップライトはスプリングなどを使って戻しています。それにより、グランドピアノは鍵盤が元の位置に戻るのを待たずに次の1音が弾け、1秒間に14回程度の連打が可能です。それに対し、アップライトは1秒間に7回程度が限界です。上級者になればグランドピアノの方がストレスなく弾けます。

グランドピアノもアップライトピアノもペダルの数は基本的に3つで同じですが、機能が異なっています。グランドピアノのペダルは音量と音質を変えて豊かな表現ができる様になっています。一方アップライトピアは音量を変えることに重きが置かれ、家庭用としてより弾きやすいピアノに仕上げられています。

一般的に電子ピアノはタッチが軽いと言われていて、電子ピアノで上手く弾けてもアップライトピアノでは違和感を持つ方が多くいます。電子ピアノにはタッチを調整する機能がありますが、鍵盤の重さを変えているのでなく、錯覚によって重さが変わったように感じさせる機能です。アップライトピアノは、部品調整でタッチの重みの調整ができます。

ピアノは内部のハンマーが弦を叩いて音を鳴らし、さらに音がピアノ全体で共鳴して豊かな音色を作っています。一方、電子ピアノは鍵盤に応じて録音された音がスピーカーから流れます。したがって、電子ピアノはとれだけ本物のピアノの音に近づけるセンサーや音サンプルを持っているかが勝負で、高級な電子ピアノほど繊細な音の表現ができます。

アップライトピアノはモデルによって高さが110～130cm程度までの幅があり、スタンダードなピアノは約121cmです。一般的には高さの高いピアノほど価格が高くなります。アップライトピアノでは背が高く奥行きがある程、長い弦が使え大きな響板を取り付けられます。その分、グランドピアノに近づけられ、表現の幅が広がります。

ピアノに使われる素材の品質がそのまま表現の幅に影響を与え、グレードの高い高級ピアノほどいい素材が使われています。グランドピアノに採用されているハンマーフェルトを搭載のグレードの高いピアノは、明るくはっきりとした音色が奏でられます。他にもミュージックワイヤー（弦）や響板の材質なども影響します。また、鍵盤の素材にこだわったモデルもあります。

ピアノの購入を決めたらまず置き場所を確保し、設置場所の寸法を測っておきましょう。アップライトピアノの大きさはモデルによって違いますが、おおよそ幅150cm・奥行50～65cm、高さ110～130cmです。壁面に置く場合は、壁から10〜15cmほど離して設置します。マンションなどで隣と接する壁際に置くと音が伝わってしまう恐れがありますので注意が必要です。

アップライトピアノの重量は、一般的なもので200〜300kg程度です。現在の建築基準法に準拠した建物の1階であれば、まず問題ありません。2階に置く場合や築40年以上の住宅の場合は強度の確認が必要です。また、床暖房のある部屋では重量を分散させる床面用ボードの利用がおすすめです。置き場所が心配なら住宅施工業者やピアノ販売店への相談がおすすめです。

アップライトピアノは部屋の中での存在感は大きく、ピアノがお部屋の雰囲気を作ってしまう可能性があります。ピアノの色やデザインを考慮するのもピアノ選びの一つの方法です。ピアノといえば黒の艶出し塗装のイメージですが、木目タイプやインテリア性の高いものも人気です。しかし、デザインされたピアノはその分割高になります。

値段は購入する上で特に重要なポイントです。アップライトピアノはグランドピアノよりもずっと安価な商品が多いですが、それでも高い買い物です。新品のアップライトピアノの平均価格は約60万円程度といわれています。

安いアップライトピアノでも予算は40万円程度見積もっておくべきですが、より安価に購入できる中古を検討するのもおすすめです。

ピアノを購入する前に、まずは使用感を確認するため試弾しましょう。家族にピアノの経験者がいればいいのですが、そんな人ばかりではありません。もし自信がなかったらピアノの先生やピアノに造詣が深い方と一緒に選ぶのも一つの方法です。

アナログ楽器であるアップライトピアノは、電子ピアノ・シンセサイザーなどと比べて打鍵による音色の表情が繊細です。ただし質の悪いピアノだと音色の変化が乏しく、雑に弾いても何となくまとまってしまいがち。弾き方によって音色が変化する、質のいいピアノを選びましょう。

明治20年に山葉寅楠が静岡県浜松市で創業した世界最大の総合楽器メーカーです。軽めのタッチではじけるような響きを持つのがヤマハの特徴だと言われています。環境の変化に強く安定した品質や国産を重視する方におすすめです。アップライトピアノは60～700万円まで幅広くラインナップし、主力は100万円台のものです。

昭和2年に河合小市が静岡県浜松市で創業した楽器メーカーです。ヤマハに次ぐ世界最大級のピアノメーカーです。透明感のある音と、しっとりとした深い響きを持つピアノだとよく評価されています。アップライトピアノでは数多くのモデルをラインナップしています。価格帯は60～200万円程度です。

昭和22年の大橋幡岩が静岡県浜松市で創業したピアノブランドです。ヨーロッパ製に劣らないピアノつくりを目指して質の高いピアノを作ってきましたが、2017年に河合楽器と合併し、現在ではカワイのブランドの一つとして販売されています。合併前の理念を引き継いだ質の高いピアノとなっています。アップライトピアノは110～170万円程度です。

昭和23年に石川隆巳が静岡県浜松市で創業した東洋ピアノのブランドです。日本ではヤマハ・カワイに次ぐ第3のピアノメーカーで、ヨーロッパのグランドピアノに近い表現力を持つと言われるSSSシリーズが有名です。主力はアップライトで澄んだ音色が持続するのが特徴です。おしゃれな雰囲気を持った外観も魅力です。価格帯は60～160万円程度です。

1987年にジョセフ・プレンバーガーがニューヨークで創業したピアノブランドです。プレンバーガーそれ以前にスタインウェイで設計やデザインのマネージャーを努めていました。国内メーカーではあまり見られないインテリア性の高い木目調アップライトピアノはとても高級感があり人気があります。また、比較的小ぶりのピアノが多くラインナップしています。

ピアノは一度買ったらそのまま使い続けられるものでなく、定期的なメンテナンスが必要です。初めてのピアノ購入の方は、後々のメンテナンスも含めアフターケアの充実したお店での購入がおすすめです。何でも話せる関係を作っておけば、調律の時に行われるピアノの調整も要望に応じて行ってもらえます。

ピアノには1台ごと製造番号が割り振られていて、そのピアノがいつ・どこで製作されたものかが分かるようになっています。あまりに古いものは避けるべきですが、ヤマハの70～80年代に作られたピアノは高品質で狙い目だと言われています。質がいいピアノはメンテナンスがしっかりとされていれば中古でも新品と変わらない価値があります。

下のような方法で確認します。中古なので許容範囲の傷であればよしとしましょう。

• 外装：傷や塗装の艶に問題はないか。（傷は斜めから確認。鍵盤の蓋の上面も確認）
• 鍵盤：がたつき・横ブレ・汚れなどはないか。（見て・触って確認）
• ペダル：ペダルを踏んだ時に異音がないか。（きれいに磨かれているかも同時に確認）

ハンーマヘッド・弦・響板を下のような方法で確認します。

• ハンマーヘッド：弦の跡の深さ、激しいすり減り（メンテナンスが必要になる）
• 弦：錆はないか（音の伸びがなくなり、切れる恐れがある）
• 響板：ひび割れ（見るだけでなくすべての鍵盤から音を出して確認。特定の鍵盤で雑音がする・響きが良くないと感じたらどこかに問題あり）

アップライトピアノといえど一度買うとそう何回も買い替えはしないので、家族での転勤が多いご家庭では引越にピアノも運ばなくてはなりません。そんな方にはレンタルも便利です。また、子供がピアノを自ら弾くようになるまでレンタルする方法もあります。中古でなく新品のレンタルもあり、70万円程度のピアノが月1万円程度で借りられます。

アップライトピアノは背面から大きな音が出ています。そこで、音量を抑えるために背面に防音パネルを取り付ける方法があります。それにより、窓枠を2重サッシにするのと同等程度の防音効果があると言われています。しかし、防音パネルは簡単に付け外しができるものでなく、常にその状態で弾くことになります。

ピアノの音ばかりでなく、鍵盤を叩いた時の振動も音となって階下に響く原因となります。この振動は防振用のキャスター止め（インシュレーター）や、床面用防音ボードである程度抑えられます。インシュレーターは床の振動を抑えることで、ピアノ本来の音が楽しめるようにもなるのでおすすめです。

アップライトピアノのペダルは2つまたは3つあります。3本の中の中央のペダルはマフラーペダルと呼ばれ、音を半減させます。その仕組みはハンマーと弦の間にフェルトを入れ、フェルトでハンマーの力を弱めたり弦の振動を弱めたりして出る音の大きさ抑えます。ただし、音色やタッチ感が変わりますので、応急処置的な使用がおすすめです。

アップライトピアノのほとんどのモデルには消音ユニットを取り付けられます。消音ユニットはピアノを電子ピアノに切り替えるアイテムです。音は電子音となり、スピーカーからの出力をなくしヘッドホンで聴くこともできます。ピアノに後付けで取り付けられるので、子供が成長して、夜や早朝に練習するようになった時に取り付けることもできます。

大きな地震で、ピアノが移動し始めたり、転倒したりしないように耐震対策をしておきましょう。アップライトピアノは後方に重心があり、後方への転倒が多いです。後方に壁があると転倒は防げますが、壁との隙間が狭いとピアノが壁にぶつかった反動で前方に倒れる恐れがあります。転倒を防ぐ対策グッズもいろいろ販売されています。

ピアノは100～200kgあり、多少の移動はできても階をまたいでの移動は素人には危険です。そんな場合は専門知識を持った移動サービスの利用がおすすめです。

また、ピアノは湿気に弱く、長期間閉ざされた部屋で保管するのはあまりよくありません。家が長期間留守になる時は保管してもらえるサービスの利用も考えましょう。

アップライトピアノでは物足りず、本格的なグランドピアノの導入を検討している方には「グランフィールピアノ」もおすすめです。アップライトピアノに後付けする装置で、グランドピアノと同じようなタッチを実現できます。

20万円～で取り付けできるのでグランドピアノを購入するよりずっとお得です。表現の幅を広げて本格的な音楽を楽しみたい方はぜひ検討してみてください。

子供のピアノの上達は速く、ご両親としてもその成長が楽しみなものです。また、ピアノは音楽性を高め、将来他の楽器に興味を持っても必ず役立ちます。親としても子供がアップライトピアノで楽しく練習できる環境を整えてあげましょう。